喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

私と小鳥と鈴と 金子みすゞ

2012-02-20 | ブログ
私が両手をひろげても、
 お空はちっとも飛べないが、
 飛べる小鳥は私のように、
 地面を速くは走れない。

 私がからだをゆすっても、
 きれいな音は出ないけど、
 あの鳴る鈴は私のように、
 たくさんな唄は知らないよ。

 鈴と、小鳥と、それから私、
 みんなちがって、みんないい。



『金子みすゞ全集』(JULA出版局)
 『私と小鳥と鈴と』で、みすゞさんは
“お空はちっとも飛べないが、”“きれいな音は出ないけど、”
と、自分に出来ないことからうたっています。

「出来ることと出来ないこと」と、つい私たちは思いがちですが、
これでは出来ないことは劣っていることと考えてしまいます。
自分が出来ることを出来ない人を見ると、劣っているとすら考えてしまうのです。

 でも、みすゞさんは、「出来ないことと出来ること」と考える人なのです。
こう考えると、出来ることがとてもすばらしいことになるのです。

 同じように、「見えるものと見えないもの」と考えがちですが、
「見えないものと見えるもの」と、一度、自分の考え方、見方をひっくり返すと、気づけることがたくさんあります。

 こんなみすゞさん体験を、楽しんでくださるとうれしいです。

                       金子みすゞ記念館長  矢崎節夫