二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

無理だろうな!、、、そして決断!

2017-07-06 09:09:34 | ■工房便り 総合 
私はどうもかなり強い性格をしているらしく、

あんな奴‼!!  と思っている人も、、、

まあそれはそうかも、外国から来た楽器に、いろいろあれこれ批判をしたり

その伝搬のさせ方に対しても大変な批判をします。

嫌がられてもしかたないかとも、、思うのですが、

これもひとえに二胡、日本に良い二胡を定着させようという考えの元の発言だったりもするので、

悪しからず、お考えいただけると幸いです。

でも、その強い性格があるからこそ、

誰もやってこなかった二胡の製作や、弓つくりを、

やってこれたのではないかと、思うのですし、

もう70歳ですから、あと10年ぐらいですよと、言ってやろうかとも思いますが、、

そんな時間があれば二胡作りと、修理に励みたいのです。

さて、その70歳を迎える今年になって、

二胡作りのピークを迎えたような気がします。

今までは何台か作ってその中で良いものを、お店に並べたのですが、今は違いますね。

確実に!なのです。

さて、本題です

二胡を造る上での難問というのがたくさんあります。(いくつかではないのです)

まず材料をどうします?

ネットなどでも紫檀や黒檀は手に入りますし。

うまくすれば、二胡一台造るのに、紫檀といわれているものだけで、数万円以内でも集めることは可能でしょう。

でもそれがほんとの紫檀かどうかわからないこと、

そしてその製材ですね、

とにかく普通の、刃物では太刀打ちできませんから、そんな刃物を持っている工場に頼むきりないと思います。

二胡を造ろうとして材料買ったけど、

この製剤でまず躓くのです。

それから乾燥度、ネットなどで寄せ集めて購入すると、100%それぞれの材の乾燥度が違います。

乾燥度の違いがあるものを食い合わせると、自然にボンドで張ったところは、まず剝がれます。

それから、木軸の棹の穴あけ、

木軸の穴というのは、前と後ろで太さが違います。

弦を張るほう(前)は10mm

手で握るほう(後ろは)12ミリ まあ大体ですが。

ようするにテーパーがついている、円錐型なのです。

普通のドリルで穴御あけると、前も後ろも同じ径になります。

これどうしたら、円錐型に開けられますか?

10年ぐらい前までは中国でも、焼き鏝で開けていたようです。

要するに木軸の形をした鉄を真っ赤に焼いて、木を焼き切るのです。

胴の上に空いている、棹の穴も同じことでした。

昔の二胡は、今の二胡ほど硬い木は使っていません。

せいぜい、花梨や紅木くらいの硬さの木でしたから、まだ手で何とかできる範囲以内です。

でも、同じころ日本の江戸時代の終わりころの三味線を見ると、

あの棹が、3本つなぎになっていて、内部に長いほぞが木ってあり、差し込めるようになっていたのです。

すごい技術力ですよね。

もちろん、中国にもこのような技術はありましたが、

それらは宮廷のものをいろいろ作る人の技術であり、民間の胡琴(二胡を含む)などにはそんな職人さんはいかなかったようです。

話が飛びました。

次に難しいのは、蛇皮張り。

私も最初は、相当考えました。

バック屋さんや、沖縄の三線を造っている会社などに問い合わせたりもしましたが、

さすがに電話だけでは、何も教えてくれません。

もし皆さんがやるとしたら、

沖縄に行って直接頼むか、あるいは皮だけ張ってもらうというのが一番の可能なことだと思いますが。

しかし、光舜堂のあるお客様が、沖縄に皮張りをお願いしたところ、、

まあ、これは実際に頼んでみてくださいわかりますから。

二胡と三線は張り方が違うのです。

そんなこんなで今は私は、ベトナムや、ある華僑の業者さんとの取引など、

そしてある名人といわれた人から、皮を譲ってもらったりもしたのです。(むしろ中国本土の二胡作りの人は、大変好意的です、商売に直接ぶつからないからかもしれませんが)

ほんとこれだけは強運としか言いようがないと、

振り返ってみるとなぜできたのだろうと考えます。

そしてこれは本当に皆様に感謝しなければいけないことですが、3000台を超える様々な不具合のある二胡を見せてもらったことです。

おかげで楽器の調整というのがとてもよく見えてきたのです。

どこの馬の骨ともわからない爺を信じていろいろ見せていただいたおかげで、

最初に分かっていたより二胡のことが良く見えてきています。

よく言われるのはこの技術を後の人のために伝えてください。

そこで決断です、!!

誰か一人に伝えるというのは、無理だろうと考えています。

ですので、直接は伝えません。

年に何人か二胡作りを教えてほしい、調整を教えてほしいという方がいらっしゃいます。

でも、直接弟子を取って伝えていくというのはやらないことにしました。

それは私が教えるのに向いていないという事もありますが、

本当にやりたい人は、まずは自分でこれらの難題を潜り抜けてきて、二胡を造ってみるべきだと思うからでもあります。

まだ日本に本格的に二胡が入ってきて20年でしかありません。

これから、定着していくのです、

その定着していく間に自然に私などより優れた調整者が現れるとも思っていますし、

その下地つくりはやろうと思っています。

それが、「二胡の解体新書」になるでしょう。

本当にやりたい人はその本を見ただけでもやっていけると思うからでもあります。

それでも足りないことがあると感じる方には、調整講座を開くかもしれませんが、

まずはご自身の二胡をきちんと鳴らしこんでください。

その弾き込みと二胡に対する愛情が、いずれ定着するであろう二胡の優秀な調整者が現れると思っています。

二胡は日々変化します、蛇皮ですから他の擦弦楽器の変化よりとても大きいのです。

その変化こそ二胡の究極の難題です。

その究極の難題を解決する方法が、、、、







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