手賀沼アララギ短歌会

千葉県我孫子市で開催している短歌会のブログです。一緒に短歌を楽しみませんか。

会員募集

千葉県我孫子市で歌会を開いています。 初心者歓迎。。一緒に短歌を楽しみませんか。 歌会は原則毎月第2日曜日13:00-16:30。。 場所は我孫子市内(駅前けやきプラザ他)。 講師は「新アララギ」代表の雁部貞夫先生および「新アララギ」選者の今野英山(当会代表)が交互に務めます。。。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 内容は短歌作品の相互批評、および講師による添削指導や関連知識の講話などです。。 会費は月1500円(2012年3月改訂)。。見学は1回まで可能で、無料です。 問合せは次のアドレスにお願いします。 eizan@plum.ocn.ne.jp(手賀沼アララギ短歌会)

会員の作品(2023年5月)

2023年05月16日 | 会員の作品
2023年5月作品抜粋  *は新仮名遣い

佐々木フミ子:かにかくに地球は青く美しとぞ宇宙より見し感動を友言ふ(新アララギ2023.5)
千葉照子:黴菌(ばいきん)滅し「安くて甘い」焼芋は衛生学者の合理的な食  森鷗外記念館「鷗外の食」展(歌会2023.5)
今野英山:高山の宴に「めでた」の欠けしまま静かに更けゆく疫病(えやみ)の夜は(新アララギ2023.5)
高橋毬枝:晦日蕎麦啜りて待ちゐる日の光木々の間にかそけく昇る(新アララギ2023.5)
麦島和子:つぎつぎと蝕まれゆく夫の身体時を刻むか別れの時を(新アララギ2023.5)
岸野トモヱ:*能力と言う名の査定生き方を変えざるを得ぬ若者多し(歌会2023.5)
大倉康幸:*忙しい時もペースを保つこと大事にしたい心の内では(新アララギ2023.5)
相川盈子:*赤子とのひと月過ぎて静まりし家かけ回る犬を見つむる(新アララギ2023.5)
宮本通代:もうこれを着ることはなし四人目の親を送りし喪服を畳む(新アララギ2023.5)
丸山幸子:*ゆっくりと落ちる点滴目に追えばいつしか忘る気がかりなこと(新アララギ2023.5)
鈴木英一:春の日の池端に亀とウシガエル隣りあはせて日向ぼつこす(歌会2023.5)
東寿美枝:いつしらに逢ふことなくなりただに見る千鳥ヶ淵のボートの二人(新アララギ2023.5)
今野礼子:*賞賛と励ましの拍手鳴りやまずウクライナ歌劇のカーテンコールに(新アララギ2023.5)
桂 崇人:*はつ夏の下り電車に見つめしはマーガレットの瞳(め)をした女生徒(ひと)よ(歌会2023.5)
高木千春:*恋が終わり雲ひとつない青空に五月(さつき)のぼりそよぐ想いと共に(歌会2023.5)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会員の作品(2023年4月)

2023年04月21日 | 会員の作品
2023年4月作品抜粋  *は新仮名遣い

佐々木フミ子:色白の少年なりき今汝は日焼けして大きカバンの似合ふ(新アララギ2023.4)
千葉照子:骨酒に香りを放つ鮎の身に追ひ星の黄は今も煌めく(歌会2023.4)
今野英山:枇杷をうゑ茶の木育てて楽しみし吾らの畑は共同社会(ゲマインシャフト)(新アララギ2023.4)
高橋毬枝:こんなにも苦しく不自由な母だつたか腑甲斐なくよろめきいとしさつのる(新アララギ2023.4)
岸野トモヱ:*他の言葉聞いても消せる免疫力喜寿まで生きてやれやれの今(歌会2023.4)
大倉康幸:*点と点どこかでつながり見えて来て我の仕事が動き始める(新アララギ2023.4)
相川盈子:*職を退き二年かけて授かりし娘の赤子わが腕に抱く(新アララギ2023.4)
宮本通代:若き日の慣らひを翁は続け居り週に三日の居酒屋通ひ(新アララギ2023.4)
鈴木英一:三年ぶり奥日光に集ふ友スキーはさておき話がはずむ(歌会2023.4)
東寿美枝:ひたすらに真多呂作りを三十年喜寿の面ざし雛に近づく(新アララギ2023.4)
今野礼子:*体内に育ちいし小さき腫瘍あり取られて「今」の尊きを知る(新アララギ2023.4)
桂 崇人:*「若い」ってキラキラしてる石みたいそれを磨いて光放てよ(歌会2023.4)
高木千春:*別れたいつぶやく義姉の細い肩に花びらフワリ優しく落ちる(歌会2023.4)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会員の作品(2023年3月)

2023年03月26日 | 会員の作品
2023年3月作品抜粋  *は新仮名遣い

佐々木フミ子:力にもなれざる我が夜の更けを友の電話に共に泣くのみ(新アララギ2023.3)
千葉照子:床に入り瞼閉づるなり浮遊感水の抵抗受く吾は鮎(歌会2023.3)
今野英山:ペイペイでお願ひしますとお菓子屋さん幼児のままごと侮りがたし(新アララギ2023.3)
高橋毬枝:映像に身を乗り出しぬ扇状に紅葉(もみぢ)「広がる黒部の大地(新アララギ2023.3)
麦島和子:暗闇に車のライトが照らしだす道路を走る狸の親子を(新アララギ2023.3)
岸野トモヱ:*三歳児鬼が来るから保育園に行かぬと騒ぐ節分の朝(歌会2023.3)
大倉康幸:*ゆっくりと雲が流れる昼下がり肩の力を抜いてみようか(新アララギ2023.3)
相川盈子:*日本にサッカー根付かせしクラマー氏に大和魂みせたる試合(新アララギ2023.3)
宮本通代:ママの後をついてゐた子が今日は我に修学旅行の土産持ち來る(新アララギ2023.3)
丸山幸子:*この年を振り返りみる十二月だれかのために生きただろうか(新アララギ2023.3)
鈴木英一:ノルディックスキーにて下るわが写真一点見つめて必死の形相(歌会2023.3)
東寿美枝:吾の指を五本の指にて握りし子親となりたりこの秋の日に(新アララギ2023.3)
今野礼子:*茜空切り取るように稜線の連なり信州松本暮れゆく(新アララギ2023.3)
桂 崇人:*春の陽がキラキラ光って僕の季節そうだ立ち上がれ突っ走って行け(新アララギ2023.3)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会員の作品(2023年2月)

2023年02月27日 | 会員の作品
2023年2月作品抜粋  *は新仮名遣い

佐々木フミ子:古書市に手に取る『大人のグリム童話』開けばふとも煙草が匂ふ(新アララギ2023.2)
千葉照子:胸腹の翡(ひ)色(いろ)定まり翡翠(かはせみ)のわが画の完成漸く近し(歌会2023.2)
今野英山:神族にありとあらゆる進化あり人の弱みにつけ入る神も(新アララギ2023.2)
高橋毬枝:すぐ散りし金木犀に返り花甘くかをりしその黄金色(新アララギ2023.2)
麦島和子:*母の死に声あげ泣きたる吾が背なを静かに撫でる夫に気づきぬ(新アララギ2023.2)
岸野トモヱ:*牧畜が危機にあるらし飼料など輸入だのみの日本の今(歌会2023.2)
大倉康幸:*文献がファイルされたまま眠っている思い出いつか捨てねばならぬ(新アララギ2023.2)
相川盈子:*おのが死の迫るを知らず逝きし君持ちくれし柿ふたつ残れり(新アララギ2023.2)
宮本通代:四苦八苦しながらZOOMを立ち上げぬホストとなりてミーティングを進む(新アララギ2023.2)
丸山幸子:心の痛みがわかる司祭になりたいと言いいし君が得たる鬱病(新アララギ2023.2)
鈴木英一:コロナ禍に確たる見通しなきままに規制が緩むこれでいいのか(歌会2023.2)
東寿美枝:「忘れた」と夫の一言で終りたる私たちの歴史思ひ出してよ(新アララギ2023.2)
今野礼子:*幾億年樹液は小さき虫抱き妖しきまでの琥珀の光(新アララギ2023.2)
桂 崇人:*その笑いに何度救われたことだろう「陽の波動」を持ちたる父よ(新アララギ2023.2)
高木千春:*五十路過ぎ初めて父となりし友夜泣きつらいと笑顔に語る(歌会2023.2)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会員の作品(2023年1月)

2023年01月21日 | 会員の作品
佐々木フミ子:母の辺に何して我は遊びゐし日差しあまねき長き廊下に(新アララギ2023.1)
千葉照子:豆挽きて細く湯を注(つ)ぎ香り立つ「ケニア」の味はひ舌に広がる(歌会2023.1)
今野英山:石塀の砂岩の模様ジグザグと記号短歌のごとくなじめず(新アララギ2023.1)
高橋毬枝:秋の七草「おすきなふくは」と語呂合せ何度も唱へて心に刻む(新アララギ2023.1)
麦島和子:夫に添い歩ける道のかたわらの花に心よる吾に気づきぬ(新アララギ2023.1)
岸野トモヱ:*賀状もどり行方知れずになりし友懐かしき顔今はいづこに(歌会2023.1)
大倉康幸:*植物は土を選ぶという言葉心に残って木を見て回る(新アララギ2023.1)
相川盈子:*この語り総理のときにあったなら菅氏の弔辞に心がうごぐ(新アララギ2023.1)
宮本通代:帆をはらみ霞ヶ浦に浮かぶ船わかさぎ漁(いさ)りしは昔の話(新アララギ2023.1)
丸山幸子:鰻への茂吉の歌を思い出で酒ひとふりし鰻を食す(新アララギ2023.1)
鈴木英一:桂浜に龍馬が歩きし白砂踏み潮の音聞きてはるか沖見る(歌会2023.1)
永盛佑樹:灯火を消さぬようにとつつみこみ影が浮かんだ父の手のしわ(歌会2023.1)
東寿美枝:退院せし夫がベッドに大の字となりて家の空気がうまいと言ひぬ(新アララギ2023.1)
今野礼子:*「飛行船ツェッペリン号土浦へ」蔵に古びし新聞の記事(新アララギ2023.1)
桂 崇人:*冬の陽をサンサンと浴びて歩き出す今年もゆっくりゆっくり行こう(新アララギ2023.1)
高木千春:*雨が降る寒い冬の夜は鍋よりも懐かしい顔に心温まる(歌会2023.1)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会員の作品(2022年12月)

2022年12月24日 | 会員の作品
佐々木フミ子:教師たりし友はなつかしむボートにて子ら通学せし渡し場指しつつ(新アララギ2022.12)
千葉照子:Campagna(カムパニヤ)羅馬の街を囲む野の何処に茂吉は罌(け)粟(し)を見たるか     「遠遊」(歌会2022.12)
今野英山:八年をへだて会ひたる友の顔やけに老けたりマスクは残酷(新アララギ2022.12)
高橋毬枝:薄羽の下をしきりに震はせて高鳴く蝉は朝明け知らす(新アララギ2022.12)
麦島和子:心ある友の支えに助けられ窮地のり越え今日まで来たり(新アララギ2022.12)
岸野トモヱ:*オバサンは絶対信じられないと不信のひとみで吾をながめる(歌会2022.12)
大倉康幸:*新分野誰も教える人は無し自分の力で這い上がって行け(新アララギ2022.12)
相川盈子:*思い出の詰まりし品も手放しぬ夫の病にわれは目覚めて(新アララギ2022.12)
宮本通代:田にあふるる蓮の大葉に夏風のわたりて実りの収穫を待つ(新アララギ2022.12)
丸山幸子:子も巣立ち愛犬も逝き残されたわれは花など愛でて生きゆく(新アララギ2022.12)
鈴木英一:日の入りに飛行機雲の一直線あかねに染まりてあざやかなりき(歌会2022.12)
東寿美枝:夫のやうな上司の下で働けたらと父(お)息子(やこ)の会話厨で聞きぬ(歌会2022.12)
今野礼子:*子を騙る詐欺の電話に騙さるる老いの一人となりしか吾も(新アララギ2022.12)
桂 崇人:*幸せな幼少期のち雨、嵐灰色の学ラン、キラめく私服(歌会2022.12)
高木千春:*赤い服捨ててしまおう忘れようスリムな頃の若き日の吾(歌会2022.12)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会員の作品(2022年11月)

2022年12月24日 | 会員の作品
佐々木フミ子:いつしかに子の声聞かぬ我が街か車椅子に人は犬と散歩する(新アララギ2022.11)
千葉照子:軽米(かるまい)の句会の写真に二十四歳(にじふし)の曾祖父武蔵(たけざう)風格備ふ(歌会2022.11)
今野英山:阿蘇の地に会津の幟あまた立つ南洲に心を重ねし藩士ら 会津の佐川官兵衛この地に戦死す(新アララギ2022.11)
高橋毬枝:不安なる世情に慌てず孫達は藪原分けて若竹のごと伸ぶ(新アララギ2022.11)
麦島和子:餌をやる一人の老人囲むように数多の鳥ら集い来たれり(新アララギ2022.11)
岸野トモヱ:*バーバもねこんな大きなパソコンでお仕事したよとついつい話す(歌会2022.11)
大倉康幸:*どうやって説得しようか新規客難題だから依頼して来る(新アララギ2022.11)
相川盈子:*副反応の強き治療を選ぶ夫その体力をわれも信じぬ(新アララギ2022.11)
宮本通代:無理はすな若くはないと言ひくれぬ猛暑の夏の帯状疱疹(新アララギ2022.11)
丸山幸子:この母になりにし娘は残しゆく卒園記念と書かれし聖書(新アララギ2022.11)
鈴木英一:高野山本堂進めば広らなる石庭続き建物つづく(歌会2022.11)
東寿美枝:藍染めの浴衣を今年も着ず過ぎて群青の空に花火上がらず(歌会2022.11)
今野礼子:*コロナ禍に生まれし孫はマスクなき吾を諌める散歩の道に(新アララギ2022.11)
桂 崇人:*思い出と夢がいっぱい詰まってる僕の宝だバスケットコート(歌会2022.11)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会員の作品(2022年10月)

2022年12月22日 | 会員の作品
佐々木フミ子:寝ころべるホームレスに日差しやはらかすぃ木にロープかけもの干す下に(新アララギ2022.10)
千葉照子:鷗外のアルバム余白に地図を描き少年目指すは千駄木の家々(歌会2022.10)
今野英山:崩れたる乱積みの石垣手に負へぬ絵のなきジグソーパズルと思へ(新アララギ2022.10)
高橋毬枝:コーヒーを淹れて机に対ひたり走り書きせし言葉拾ひて(新アララギ2022.10)
麦島和子:いつまでも肩肘張らず生きてねと黙し願いつ夫を見守る(新アララギ2022.10)
岸野トモヱ:*円建てかドル建てだけで差のできるそういう職場に吾働けり(歌会2022.10)
大倉康幸:*繊細な人間なれど生きている住みづらき世と思いながらも(新アララギ2022.10)
相川盈子:*炊事より職を退こうとスーパーに夕餉の揚げ物迷わず選ぶ(新アララギ2022.9)
宮本通代:遠雷の音聞こえ来ていよいよと待ちゐる間に空晴れ渡る(新アララギ2022.10)
鈴木英一:帆曳き船大き白き帆ふくらませ風受くる形のバランス見事(歌会2022.10)
永盛佑樹:この世には思い残すことが何もなしとかそんなわけがないだろ(歌会2022.10)
東寿美枝:丘に建つクラーク銅像真眼下の街は日向と陰と赤きテレビ塔(歌会2022.10)
今野礼子:*壁塗りの十日余りに親しみし若きら去りて梅雨に入りゆく(新アララギ2022.10)
桂 崇人:*「ありがとう」魔法の言葉唱へれば心安らぐ陽だまりのごと(歌会2022.10)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会員の作品(2022年9月)

2022年10月06日 | 会員の作品
会員の作品(2022年9月)  *新仮名遣い

佐々木フミ子:狐火に取つて代はりしと人の指す沼むかうの灯は我らが家居(新アララギ2022.9)
千葉照子:今日こそは食まねばならぬと捥り取る黒くなりたる三日月ひとぴしや(歌会2022.9)
今野英山:入口にいきなり大きな「青い林檎」こどもに還れと光をかへす(新アララギ2022.9)
高橋毬枝:怒りさへ越えてひたすら悲しかり一人一つの尊き命(新アララギ2022.9)
岸野トモヱ:*もう負ける一塁ベースに飛び込みて腹這いのままの球児に拍手(歌会2022.9)
大倉康幸:*ほどほどに生きて行こうと決めたのに同窓会に心ざわめく新アララギ2022.9)
相川盈子:*南総の風吹き抜ける禅寺の沙羅の根元に夫と眠らん(新アララギ2022.9)
宮本通代:早苗田に逆さの筑波が映りゐて遠くに赤きトラクターうごく(新アララギ2022.9)
丸山幸子:*嫁ぐ日に母と揃えし白き皿捨てられずまた戸棚に戻す(新アララギ2022.9)
鈴木英一:稲そよぐ水田の面に隙間なく浮草作る結晶模様(歌会2022.9)
東寿美枝:仁和寺の御室の桜は丈低し肩にふれゆく八重の花びら(歌会2022.9)
今野礼子:*茶の薫る金谷の町を思うころ新茶とどきぬこの年もまた(新アララギ2022.9)
桂 崇人:*この家に肉声交わす人がいてひとりぼっちの時間(とき)を楽しめ(歌会2022.9)
小林陽子:*繍線菊(しもつけ)と梔子の花女郎花この庭の主にいつか会いたし(歌会2022.9)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会員の作品(2022年8月)

2022年08月20日 | 会員の作品
佐々木フミ子:手繰らむとするになほ遠き母の顔いつも長き髪に見え隠れしつつ(新アララギ2022.8)
千葉照子:藪の中光る水面へ潜(もぐ)り込む黒き甲羅の亀は瞬時に 関口芭蕉庵(歌会2022.8)
今野英山:武士(もののふ)の伊豆山の神にもの申す何とおろかな戦といふもの(新アララギ2022.8)
高橋毬枝:迷ひゐて買はず帰りて筍を隣より「今堀り立て」と届けたまひぬ(新アララギ2022.8)
麦島和子:*病室の窓よりのぞむ青き海臥す夫を助けくれよと願う(新アララギ2022.8)
岸野トモヱ:*母親を恨まずにして教団を憎む子のあわれあきらめの目よ(歌会2022.8)
大倉康幸:*標高により花の咲く時期異なれどいつでも来いと山が誘う(新アララギ2022.8)
相川盈子:*ウクライナの都市の名侵攻ありて知るドンバス地方滅ぶるなかれ(新アララギ2022.8)
宮本通代:ユースホステルにて「知床旅情」を歌ひたり旅に出あへる見知らぬ同士(新アララギ2022.8)
丸山幸子:笠間焼きの小さき地蔵を買い求め夫は飾りぬピアノの上に(新アララギ2022.8)
鈴木英一:軒並みのうだつを競ふ美濃の街商人(あきんど)たちの心意気なり(歌会2022.8)
永盛佑樹:手を引かれ歩く子の目は床屋前そうだよNASAの秘密基地だよ(歌会2022.8)
東寿美枝:背を丸め足元を確かめ前行くにいづれ吾身と追越しためらふ(歌会2022.8)
今野礼子:巣作りのつがいのアオサギ羽ひろぐ危うきほどの細き枝の上(え)(新アララギ2022.8)
桂 崇人:老い父と共に暮せば青春は瞬時に過ぎむ思いいしより(歌会2022.8)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする