( 蟻地獄 )
ウスバカゲロウの幼虫(あとずさり・あとさり虫)が作った擂鉢状の穴、その底に
潜んで蟻などがすべり落ちると鉤型の顎で捕らえて食べる。その罠か棲家か
大きさに大小はあるがどれも小さな生き物がすべるように仕上げが美しい匠の技
最近では余り見なくなったが、乾いた砂地に多く見られる
千年の寺いつからの蟻地獄 津田清子
蟻地獄すれすれに蟻はたらけり 加藤かけい
蟻地獄すべりし跡は砂が消す 柴田佐知子
歓喜天の膝下にあまた蟻地獄 長江克江
独り言
今少し携わっている仕事の一つに多摩地区にある廃校となった小学校の増改築と新築の工事
その小学校が今東京の医療系の大学となるべくの工事ですが、昭和50年代高度成長期
の東京での深刻な住宅難解消のために計画された多摩地区のニュータウン化も今や老朽化と
老齢化で過疎化が進む状態です。
同地で行われた打ち合わせ終了後、廃校舎うらで見つけた蟻地獄、当時はきっと子供達の
遊びの声が満ちていたんだろうな・・そしてこの蟻地獄も遊ぶ興味の一つになっていたのに
違いない・・・そんな気持ちで思わず写してきました。
「あとずさり」出来ない現世に虫の命は確かなものなのです
廃校舎裏一列の蟻地獄
過疎すすむ昭和の団地あとずさり ころころ