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2月 18日

2021-02-18 06:14:59 | Weblog
                       蕨・早蕨・初蕨・老蕨・蕨狩


     子とゆくや崖跳び降りて初わらび         沢木欣一


     酢のわらび夜学教師のひとり酒          細見綾子


     ティショット逸れし茂みに蕨の芽         栗田やすし


     蕨摘む鬼の雪隠見下ろして            国枝洋子


     ほつほつと生ふる蕨の背くらべ          鈴木みすず


     早蕨の小さき拳突き上げて            下山幸重


     引売りの荷に裏山の初蕨             中村たか


     話し声みなこだまして蕨狩り           安積敦子


     蕨摘む明るき湖を見下ろして           描布光子


     ボール探すキャディと摘みし蕨かな        山下善久


     学校名入りし蕨を朝市に             谷口悦子


     蕨狩幾たびくぐる雲の影             ころころ



          



     家を出てうつむきどほし蕨狩           宇多喜代子


     みづうみをこえくる雨や初蕨           水原秋桜子


     眼を先へ先へ送りて蕨採る            右城暮石


     性格をむき出しにして蕨狩            井村順子


     早蕨の不憫なる渦置き去りに           櫂未知子


     出雲への峠晴れたり初蕨             鷲谷七菜子 


     早蕨や今日いきいきと土不踏           草間時彦



          

          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

          非常事態宣言が3月7日まで延長されました
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2月 17日

2021-02-17 07:02:37 | Weblog
                      芹・芹摘、芹の水・根白草・田芹・根芹

     やはらかき芹の畦踏み酒買ひに          沢木欣一


     芹摘むと風よりひくくかがまりて         細見綾子


     芹摘みし籠を舳先に渡し舟            栗田やすし


     田芹摘む鵜山の裾の水明り            下里美恵子


     朝粥に散らす丹波の芹清し            都合ナルミ


     芹青む川の水引く寒天場             渡辺昌代


     芹を摘む手に三輪山の水ひびく          栗田せつ子


     ふるさとの夕日にまみれ田芹摘む         今泉久子


     洗ひ上げ野芹の紅を束ねけり           横森今日子


     白粥にたつぷり刻む根白草            矢野愛乃


     石ひとつだけの田の神芹青む           関根近子


     湧水の甘き匂ひの芹を噛む            武田稜子



          



     一とゆすりすれば濁りぬ芹の水          沢村芳翠


     すみつきし村に啼く鳥芹の水           百合山羽公


     摘みかさねても一握の母の芹           福永耕二


     ふりむけば鳥語明るし野芹つむ          角川源義


     芹匂ふオモニは風の中に立つ           夏井いつき


     みちのくに光堂あり芹を摘む           山口青邨


     ひとと来て声のはなやぐ芹の岸          沼尻巳津子



          

          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
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2月 16日

2021-02-16 06:56:09 | Weblog
                       木瓜の花・緋木瓜・花木瓜・草木瓜・更紗木瓜


     木瓜咲くや怠け教師として終る          栗田やすし


     木瓜燃ゆるところ杜国の細き墓          細見綾子


     聞き役に徹してひと日木瓜の花          岸本典子


     終活は遅々と進まず木瓜の花           上杉和雄


     風化せし寄せ墓白し木瓜の花           武藤光晴


     放哉の庵の跡や木瓜咲けり            小島千鶴


     蛸壺にぼけの花さす乾物屋            河村恵光


     客人の絶えし茶室や更紗木瓜           金原峰子


     一葉の露地にはみ出す木瓜の花          松本恵子


     更紗木瓜枝にあまたのみくじ札          中根多子


     噛み合はぬ父との会話木瓜の花          佐久間寿子



          

          更紗木瓜


     情無しを恨むも愛か木瓜の雨           鈴木真砂女


     木瓜咲くや木目のふかき在所仏          飴山  實


     降りつつむ雨の明るし更紗木瓜           水原秋櫻子


     木瓜咲いて天日近き山家あり           大峯あきら


     うらうらと緋木瓜の花の多弁かな         飯田龍太


     母を訪ふひととき明し更紗木瓜           山田みづえ


     平氏二十三代緋木瓜つぶらにて          鷲谷七菜子



          

          草木瓜



          

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2月 15日

2021-02-15 06:58:06 | Weblog
                   苜蓿(うまごやし)・苜蓿(もくしゅく)・クローバー・まごやし

     苜蓿や義肢のヒロシマ人憩ふ           沢木欣一


     男女たることに素直にクローバー         細見綾子


     袖口でぬぐふハモニカ苜蓿            河原地英武


     寝ころんでしろつめくさの冷たさよ        関根切子


     母と子が顔寄せて摘むクローバー         矢野愛乃


     小刻みに揺るる苜蓿馬場の跡           砂川紀子


     クローバーの土手やはらかや犬駆くる       奥山ひろ子


     試験管にクローバ一本科化学室          山 たけし


     クローバーの花に埋れし舟つなぎ         倉田信子


     苜蓿や土手に古りたる農具小屋          磯野多喜男




          



     うまごやしハンケチ敷きてやさしき座       山口青邨


     寝ころんで夢見しむかし苜蓿           森 澄雄


     クローバに日がなセスナの鼻濁音         西村和子


     めぐり踏むグラバー邸の苜蓿           深見けん二


     クローバーの花の上押す乳母車          深川正一郎


     雨三日日和二日のうまごやし           鈴木真砂女


     君と腹這ふ苜蓿にて肘よごし           寺山修司




          

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2月 14日

2021-02-14 06:31:12 | Weblog
                        バレンタインの日・バレンタインデー

          キリスト教圏の祝いで主に欧米で、毎年2月14日に行われるカップルが愛を祝う日とされている
          古代では多神教の祭日であった。元々269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した
          「聖ウァレンティヌス(テルニのバレンタイン)に由来する記念日」だと、
          主に西方教会の広がる地域においてかつて伝えられていた。この日、キリスト教圏では一般に
          家族や恋人など大切な人に贈り物をすることが習わしとなっている。
          ( ネットから知識を拝借致しました )



     富士真白バレンタインの朝晴れて         伊藤範子


     病む母とバレンタインの街に出る         高橋幸子




          



     バレンタインデー心に鍵の穴ひとつ        上田日差子


     いつも何か待ちゐし頃のバレンタイン       西村和子 


     秘めごととならざるバレンタインチョコ      稲畑汀子


     薔薇抱いてバレンタインといふ日かな       友田美代


     待ちあはすバレンタインのティールーム      安藤 雅子


     手話の娘の買ふバレンタインのチヨコレート    今井桂子


     バレンタインのチヨコ携へて出講す        山田みづえ



          

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2月 13日

2021-02-13 09:47:58 | Weblog
                        雛飾る・古雛


     古雛が古き顔して春に逢ふ            細見綾子


     本棚の一段を空け雛飾る             栗田やすし


     吾が齢ともに添ひたる雛飾る           小島千鶴


     天井に水陽炎や雛飾る              都合ナルミ


     雛飾る部屋に一揆の手斧あと           鈴木真理子


     雛飾る昔廓の託老所               角田勝代


     塩の道箱階段に享保雛              上田博子


     三代の雛飾れり蔵屋敷              日野圭子


     冠失せし享保雛の面の艶             小柳津民子


     臈たくる肌持つ享保立雛             山下 護


     うつし世の影まざまざと古雛           鈴木みや子


     ひとつづつ声かけほどく雛の箱          ころころ



          



     雛飾がらんどうなるものばかり          神野紗希


     箱書に父の筆跡雛飾り              加藤耕子


     ぢゞばゞの草屋にぎやか雛かざり         山口青邨


     雛飾るときは良人に指図する           品川鈴子


     母様のその母様の古雛              佐土井智津子


     東西に嫁して姉妹や雛飾る            石 昌子


     仕る手に笛もなし古雛              松本たかし




          

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2月 12日

2021-02-12 06:38:37 | Weblog
                     菜の花・花菜・油菜・<からし菜>


          土手に群生するからし菜も俳句をするまでは同じ花に見えていました
          カラシナは別名「セイヨウカラシナ」とも言って、油菜科で菜の花と同じ部類に属するのですが、
          よく食用として食べられている菜の花とは違うものなんです
          それでも一緒に詠まれた句を二、三ご紹介します



     菜の花や旅路に古りし紺絣            沢木欣一


     菜の花がしあはせさうに黄色して         細見綾子


     菜の花の転がつてをり汚れずに          栗田やすし


     花菜風甘し絣の糸干し場             都合ナルミ


     菜の花を載せて帰れり耕耘機           谷口千賀子


     花菜より花菜へ渡る土橋かな           鈴木みすず


     岬みち海になだるる菜畑の黄           武藤光晴


     風と会ふ花菜の迷路抜け出でて          伊藤範子


     見当たらぬ疎開せし家花菜径           上杉和雄


     眩しさに母見失ふ花菜畑             安藤一紀


     花菜和へ利休好みの杉の箸            日野圭子


     鼻失せし地蔵を撫づる花菜風           八尋樹炎



          



     旅に買ふ菓子のかるさよ花菜雨          鷲谷七菜子


     胃袋に菜の花詰まる牛の艶            津田清子


     菜の花のおのが黄に倦む入日中          能村登四郎


     関ケ原菜の花の黄はペンキ塗り          山口誓子


     サヨナラがバンザイになる花菜道         正木ゆう子


     花菜咲き家に暗き間明るき間           岡本 眸


     灯して母に教わる花菜雛             寺井谷子



          



     からし菜の花に廃船よこたはる          阿波野青畝


     からし菜の花に春行なみだ哉           松岡青蘿


     からし菜の花のつづきの醍醐かな         村山美恵子




          

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2月 11日

2021-02-11 06:59:15 | Weblog
                       建国記念日・建国祭・紀元節


     路地裏に小さき日の丸建国日           小原米子


     建国の日や連なりて飛ぶ鴉            加藤純子


     常滑に香炉を買へり建国日            新川晴美




          

            川津桜



     大和なる雪の山々紀元節               富安風生


     本棚のしなり気になる建国日             山下典子


     建国日黒装束の鴉かな                青柳志解樹


     がらがらと林鳴るなり建国祭             大牧  広


     紀元節小諸に住みて綿子著て             星野立子


     建国の日なり榊の弓も見し              百合山羽公


     箸といふ文化が不思議建国日             林 翔



          

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2月 10日

2021-02-10 06:29:32 | Weblog
                    菫・菫草・壷すみれ・パンジー・三色すみれ・遊蝶花 

     神宿る小さき棚田や花すみれ         栗田やすし


     石山の裾の微風に花すみれ          沢木欣一


     屋根替への萱束干して山すみれ        細見綾子


     風木舎跡のすみれを師の墓へ         都合ナルミ


     パンジーの黄色が多し花時計         河野幸子


     みどり子に兆す言の葉花菫          小栁津民子


     土乾く風葬あとや島すみれ          栗田せつ子


     武蔵野の深き朽葉に坪すみれ         武藤光晴


     窓辺より母と菫の花数ふ           高橋幸子


     野すみれの咲くや馬籠の石だたみ       白鳥光江


     パンジーの鮮やか駅前ロータリー       福井喜久江


     芦焼きの済みたる窪にすみれ咲く       森田とみ



          

          ビオラ


     すみれ踏みしなやかに行く牛の足       秋元不死男


     三色菫や贔屓倒しの女流論          鷹羽狩行


     遊蝶花蝶を残して舞ひ出でし         相生垣瓜人


     かたまるとなくかたまりて花すみれ      片山由美子


     三色菫勤勉をたゞ誇とし           藤田湘子


     看とるとは見守ることか花すみれ       中嶋秀子


     朝寝せり鏡中わらふ遊蝶花          水原秋櫻子



          

          同じスミレ科スミレ属ですがパンジーは野生のすみれを改良したもの
          ビオラはパンジーを改良したもので野生のパンジーは有りません
          すみれは多年草 パンジー・ビオラは1年~2年草
          因みに野生種のすみれは50余種あるようです
          その見分けの一つが花びらの大きさ パンジー>ビオラ(三色すみれ)>すみれ
          パンジーはフランス語のパンセ(思想)からの変化 遊蝶花
          俳句で詠む場合はいささか趣がちがのでしょうね



          

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2月 9日

2021-02-09 05:47:24 | Weblog
                       紅梅・薄紅梅・濃紅梅


     紅梅の空いささかも混濁せず        細見綾子


     入園の児が紅梅を帽に挿す         栗田やすし


     紅梅や筆塚に日の廻り来し         下里美恵子


     紅梅の蕾きざせり義民の碑         清水弓月


     紅梅の莟に昨夜の雨しづく         武藤光晴


     紅梅や石で囲ひしつるべ井戸        黒木純子


     紅梅へ寄せやり妻の車椅子         梅田 葵


     紅梅の蕾に昨夜の雨光る          上杉和雄


     紅梅や花器となる土足で練る        森 靖子


     紅梅の五つ六つほど綾子句碑        藤田岳人


     紅梅の名残りの一花綾子句碑        若山智子


     紅梅へ土橋石橋たもとほる         ころころ



          



     伊豆の海や紅梅の上に波ながれ       水原秋桜子


     紅梅や病臥に果つる二十代         古賀まり子


     尼寺の褪せたりといへ濃紅梅        下村梅子


     散るも咲くも枝垂れ明りや薄紅梅      渡辺水巴


     うすずみの世の紅梅をまぶしめり      鷲谷七菜子


     紅梅や沖より変る潮の色          渡邊千枝子


     紅梅や枝々は空奪ひあひ          鷹羽狩行




          

          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
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