3月 11日

2021-03-11 06:30:31 | Weblog
                       東北震災忌


            まだ復興も完全では有りませんが 10年の月日が経ちました
          死者15,899人行方不明者2,529人(2020年3月現在)を出した東北震災忌です
          2011年3月11日(金)14時46分 
          私は小石川後楽園の涵徳亭での句会のさなかの被災でした
          被災といっても東北の比では有りませんが
          東京でもすべての交通機関が止まり、多くの帰宅難民が居り
          歩いて帰れる人も何時間もかけての帰宅です
          私も春寒の月夜を4時間以上を歩きました
          津波の恐ろしさも忘れてはいけない記憶です 深くご冥福をお祈りします



     赤すぎるバラ東北の震災忌          栗田やすし


     東日本大震災忌地虫出づ           山本悦子


     はくれんの空の青さよ東北忌         熊沢和代


     起き抜けのめまひ東北震災忌         国枝隆生


     痩せてなほ明るき月や東北忌         山本光江


     東北忌夕餉に和へし北寄貝          山﨑育子



          



     地震(ない)激し沈丁の香に立ちつくす

     
     春寒の地を突き上ぐる余震なほ


     料峭の歩くほなかき地震月夜


     春寒し身ぬちに残る地震のゆれ 


     黄水仙われも余震に揺れゐたり         2011・3・11


     均されて芽ぐむものなき被災浜         2012・3・11     ころころ




          

           三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
        そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

        一都三県は非常事態宣言が3月21日まで延長されました



     


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3月 10日

2021-03-10 06:05:46 | Weblog
                      薺の花・ぺんぺん草・三味線草


     芭蕉の道たどればなづな花咲けり         細見綾子


     十字架の丘にペンペン草茂る           河原地英武


     花なづな牛が鼻づら寄せて嗅ぐ          下里美恵子


     無住寺に三味線草の吹かれをり          山下帰一


     花薺土手に碇の錆び深し             鈴木美登利


     花なづな検番過ぐる昼の猫            武藤光晴


     城壁にぺんぺん草や島日和            山下善久


     薺咲き山の辺の畦盛り上がる           中根多子


     屈み見るペンペン草に小さき影          牧 啓子


     田一枚埋め尽したり花薺             磯田なつえ


     幼な子にペンペン草の音聞かす          左右田眞智子


     斎田の畦白むほど花なづな            平松公代



          



     芭蕉稲荷ぺんぺん草の揺れ通し          鍵和田釉子


     田はじめの遅れ薺の花ざかり           森田公司


     雨の粒ぺんぺん草のペンペンに          辻 桃子


     花なづな海を見せたく摘みにけり         佐藤美恵子


     花薺われらにひとりの母大事           鈴木貞雄


     よく走りよく跼む児や花薺            中村草田男


     庵を出でて道の細さよ花薺            河東碧梧桐



          

          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
        そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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3月 9日

2021-03-09 07:06:14 | Weblog
                       チューリップ


     チューリップ喜びだけを持つてゐる          細見綾子


     露地裏に三頭身のチューリップ            武田明子


     幼子の一歩踏み出すチューリップ           奥山ひろみ


     チューリップチェコの花瓶にあふれしめ        村崎妙子


     チューリップのみな咲きそろふ日和かな        利行小波


     ひとつだけつんと横向くチューリップ         遠藤齋子


     チューリップしばらく蹤いてくる仔犬         山 たけし


     チューリップつぼむ力のまだありぬ          近藤文子


     チューリップ買ひ衷心の鎮まりぬ           若山智子


     チューリップ描きゐる間に開ききる          山本光江



          



     チューリップ散る一片はゴッホの耳          有馬朗人


     湖を前小便小僧チユーリツプ             阿波野青畝    


     鉛筆で書く音静かチューリップ            星野立子


     チューリップみんな笑つて写さるる          石川文子


     チューリップ買うて五分の遅刻して          岡田順子


     花市の夜明賑ふチューリップ             佐藤 瑠璃


     愁ひなき色とはいへずチューリップ          片山由美子 



          

          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
        そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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3月 8日

2021-03-08 05:57:01 | Weblog
                    蝌蚪の紐・おたまじゃくし・蛙の子・数珠子


     山の湯の蝌蚪日輪へ頭を揃ヘ           沢木欣一


     蝌蚪生れて手のひら熱く子と夕          細見綾子


     棒切れで妻がつつけり蝌蚪の紐          栗田やすし


     山影の映ゆる峡田や蝌蚪の国           山下善久


     蝌蚪の群日溜りの池埋め尽くす          武藤光晴


     蝌蚪の水顔寄せ合ふて覗き込む          横井美音


     少年ににきびや恋や蝌蚪に足           斉藤眞人


     両の手にひやりと重し蝌蚪の紐          鈴木みすず


     万の蝌蚪さざ波立ててゐたりけり         山下智子


     大男棒で掬へり蝌蚪の紐             雨宮民子


     手の窪にお玉杓子を泳がする           福田邦子


     山畑の水場に生れし数珠子かな          夏目隆夫



          



     蝌蚪の紐じゆげむじゆげむと続きをり       鍵和田釉子


     黒づくめおたまじやくしに水浅し         石川桂郎


     はつきりと手が見えて蝌蚪すくはれし       今瀬剛一


     てのひらに蝌蚪狂はせてみたりけり        櫂 未知子


     こきりこや蝌蚪の踊れる水のなか         桂 信子


     ものに名の生るるときや蝌蚪孵る         加藤秋邨


     いそいで踏みつぶすまいぞ蛙の子         種田山頭火



          

          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
        そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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3月 7日

2021-03-07 06:43:46 | Weblog
                      片栗・堅香子の花・かたつこ


     かたかごの花のさゞなみ青空へ          沢木欣一


     山越しの水飲めといふ花かたくり         細見綾子


     かたくりの一寸出でてうつむけり         片山浮葉


     片栗の花を食べよと朝市女            栗田せつ子


     薄ら日を纏ひかたくり咲きそろふ         玉井美智子


     日当りて片栗の花反りつよし           中村たか


     堅香子や付け睫めく黒き蕊            田畑 龍


     堅香子に木洩日スポットライトなす        武藤光晴


     かたかごの花に雨雲低く垂る           倉田信子


     日の差してかたくりの花震へづめ         生川靖子


     堅香子や土間三畳の流刑小屋           安藤一紀


     捨て窯の際に片栗群れ咲けり           熊澤和代



          



     片栗の一つの花の花盛り             高野素十


     かたかごの花や越後にひとり客          森 澄雄


     かたかごを引つぱる風の吹きにけり        石田勝彦


     堅香子の日のゆるゆるとほぐれ初む        吉田鴻司


     別れゐし子に逢ふごとくかたかごに        林 翔


     かたかごの斜面を満たす山の音          黒田杏子


     片栗の花を見にゆく帯締めて           鈴木真砂女



          

          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
        そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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3月 6日

2021-03-06 07:13:01 | Weblog
                       ぜんまい・薇


     世阿弥寺ぜんまいを干す花の下          細見綾子


     ぜんまいののの字ほぐるる日和かな        下里美恵子


     木洩れ日にぜんまい緩ぶ隠れ里          鈴木みすず


     薇の鋼のごとく干し上がる            坂本操子


     杣の庭薇を干す荒莚               佐藤博子


     薇を干すや山の日追ひかけて           矢野愛乃


     井戸蓋に干ぜんまいや尼の寺           澤田正子


     ぜんまいの拳のゆるぶ隠れ里           福島邦子


     峡日和笊にぜんまい乾き切る           小田二三枝



          



     ぜんまいののの字ばかりの寂光土          川端茅舎


     ぜんまいは仲よく拗ねて相反き           富安風生


     ぜんまいの綿あたたかし陶を乾す          阿波野青畝


     ぜんまいが疑問符つくる島の道           秋元不死男


     薇に吹かれてゐたる蜘蛛の糸            佐々木六戈


     ぜんまいを貫くシュールレアリスム         櫂未知子


     村中の莚の並ぶぜんまい干し            小林輝子



          

          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
        そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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3月 5日

2021-03-05 05:43:32 | Weblog
                      啓 蟄


          二十四節気の第3。太陽黄径345度雨水から数えて15日目頃。
          今日3月5日から春分まで(2021年は3月5日(金)〜3月19日(金)です)
          啓は「ひらく」、蟄(ちつ)は「土中で冬ごもりしている虫」の意味で、
          大地が暖まり冬眠していた虫が、春の訪れを感じ、穴から出てくる頃。
          菰(こも)はずし を啓蟄の恒例行事にしているところが多いですね。



     啓蟄や天使の声のひきがへる           沢木欣一


     啓蟄や土塊指間よりこぼる            栗田やすし


     啓蟄や野菜サラダを山盛に            河原地英武


     調教の鞭啓蟄の地を打てる            矢野孝子


     籠を編むひご啓蟄の地に撓ふ           都合ナルミ


     啓蟄や妻還暦のクラス会             佐藤とみお


     啓蟄の土靴底に郵便夫              奥山ひろ子


     啓蟄や重機蠢く丸の内              武藤光晴


     啓蟄の地べたに広げ蚤の市            橋本紀子


     啓蟄の朝ねんごろに地を掃けり          福田邦子


     啓蟄の寺にポン菓子爆ずる音           長谷川郁代


     啓蟄の池の底より泡ひとつ            ころころ



          



     啓蟄やわが恋の句を子に読まれ          安住 敦


     道に出て啓蟄のごと婆がをり           森 澄雄


     啓蟄や指輪廻せば魔女のごと           鍵和田釉子


     海女小屋に啓蟄の日の荒莚            角川春樹


     啓蟄の雉子が地を翔つ土煙り           飯田龍太


     啓蟄の花屋から水流れけり            大島雄作


     啓蟄や怒りて折りしペンの先           福永耕二



          

           三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
        そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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3月 4日

2021-03-04 07:02:25 | Weblog
                      桃の花・桃畑・桃の村・緋桃・源平桃・花桃


     ふだん着でふだんの心桃の花           細見綾子


     桃咲くや笛吹川の矢の流れ            沢木欣一


     お湯割りを好みし師たり桃の花          栗田やすし


     山際は風の袋路桃の花              梅田 葵


     弁慶桃咲けり惟然の住みし庵           丹羽康碩


     手の平の温きナースや桃の花           武藤光晴


     桃咲くや一気にふえし子の言葉          栗田せつ子


     花桃の里通り抜く郵便車             長谷川つゆ子


     嬰の手のいつも万歳桃の花            伊藤範子


     細やかに指をどらせて桃摘花           金田義子


     咲き満ちて夕日あまねし桃畑           夏目悦江



          

          実桃の花

          花桃は、モモの中でも花が特に美しいものを選抜したものですが、
          実桃と異なり、結実しても食用に適した実が成りません。
          又、八重咲の品種では、結実すら有りません。
          実桃の花には花粉が無いものが多いのですが、花桃では、八重咲などの一部の種類を除き、
          大半の品種の花に花粉が有ります。
          ( サイトから知識をお借りしました )



     神棚に榊と雛の桃の花               高野素十


     旅にして昼餉の酒や桃の花             河東碧梧桐


     桃咲くやいまだに流行る漢方医           夏目漱石


     大仏師たる後ろ手に桃の花             夏井いつき


     うろついて源平桃の花の下             依光陽子


     花桃やこんこんと月上りをり            吉田鴻司


     桃咲けり明眸の妻つれて友             福永耕二




          

          源平桃


          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
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3月 3日

2021-03-03 06:16:39 | Weblog
                      ひな祭り・雛の日・桃の日・桃の節句・上巳(じようし)の節句


     雪の底眼を病む母や雛祭             沢木欣一


     雛の日に秩父自ねんじょすりおろす        細見綾子


     月光に雨戸を閉ざす雛の部屋           栗田やすし


     窓際に産着干したる雛の間            河原地英武


     この明り消せば雛と一つ闇            梅田 葵


     出目金の宇宙遊泳吊し雛             鈴木みすず


     土雛の歌舞伎役者が上段に            鈴木英子


     母とゐて桃の日の風やはらかし          栗田せつ子


     紙雛に髪の細さの眉描く             丹羽康碩


     金色の小さき烏帽子や土鈴雛           鈴木信子


     待合室女医の折りたる紙雛            森 妙子


     土雛いく夜の戦火くぐり来て           ころころ



          



     厨房に貝があるくよ雛祭             秋元不死男


     部屋中が匙に映りぬ雛祭             正木ゆう子


     七十の母がかしづく雛かな            山田みづえ


     手にうけてかぐはしきもの吉野雛         吉田鴻司


     子なき手にもらひて紅き雛の菓子         鷲谷七菜子


     お仏間の今しばらくは雛の間           山田閏子


     仕る手に笛もなし古雛              松本たかし



          

          狆ひき官女


          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
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3月 2日

2021-03-02 05:58:04 | Weblog
                      沈丁花・沈丁・瑞香(ずいこう)・白沈丁


     沈丁花伊吹の裾に母ゐます            栗田やすし


     沈丁花はじめて匂ふ夜の外出           細見綾子


     杖抱いて眠れる人や沈丁花            河原地英武


     沈丁や夕映え淡き壬生の路地           伊藤範子


     沈丁や記憶の母の割烹着             武藤光晴


     窓少し開け沈丁の風待てり            上杉美保子


     沈丁の闇近づける靴の音             山 たけし


     沈丁の香を曲り来て子規の墓           武田稜子


     長旅を沈丁の香に迎へらる            大倉カツ江     


     昨夜の雨上がりて香る沈丁花           小島千鶴


     糠雨に沈丁の香の軒を借る            安藤幸子


     黒塀に沈丁の香や神楽坂             多々良和世


     盆栽の沈丁匂ふ蔵座敷              山下善久



          



     一歩ゆき一歩もどりて丁字の香          星野立子


     沈丁花どこかでゆるむ夜の時間          能村登四郎


     一片を解き沈丁の香となりぬ           稲畑汀子


     尾のながき猫のまつはる白沈丁          横山房子


     沈丁の小枝小枝の花簪              山口青邨


     沈丁や瞳つめたき夜の鏡             鷲谷七菜子


     沈丁やをんなにはある憂鬱日           三橋鷹女



          

           三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
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