゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

京大など成功「万能細胞」

2007-12-05 20:00:00 | 健康・病気

競争激化 規制を警戒

100_0388 京都大の山中伸弥教授らが世界に先駆け、人                            の皮膚からの作製に成功した万能細胞。傷んだ                           臓器や組織を修復する夢の再生医療の実現に                           向け「ゴ-ルが見えた」(同教授)と実感させ、研                           究競争が激化するのは必至だ。ここまでトップで                           走ってきた日本だが、研究規制などの政策次第                           では今後劣勢に陥ると警戒する声も出始めてい                          る。「受精卵なしで可能に」「飛躍的進展」-。成                           果が世界でほぼ同時に発表された二十日、米メ                           ディアは新たな万能細胞の登場を大々的に報じた。

国内外で反響

「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」と名付けられたこの細胞。これまで                          人体のどんな組織にもなれる「万能細胞」は、育てば赤ちゃんになる                           人の受精卵(胚)からつくる胚性幹細胞(ES細胞)の代名詞だった。                           このため研究には常に倫理問題がつきまとい、キリスト教保守派が支                          持基盤のブッシュ大統領は「反倫理的」とES細胞研究を目の敵にして                         きた。皮膚細胞からの作製成功の報にホワイトハウスは「大統領は大                          変喜んでいる」と歓迎の声明を発表した。カトリックの総本山、バチカン                         (ロ-マ法王庁)の影響が強いイタリアでは、国営放送が「画期的研究」                         として山中教授のインタビュ-を大きく取り上げ、新聞一面には「(胚を)                         殺す必要なし」の見出しが躍った。山中教授のもとには国内外から祝                          福のメ-ルや電話が殺到。患者から「自分の病気を治せるか」との問                           い合わせも多く、教授は「反響の大きさは予想以上」と驚く。

研究界に変化

衝撃は早くも、世界の研究界に<地殻変動>を起こしている。「クロ-                          ン胚研究はもうやらない」。世界初の体細胞クロ-ン羊ドリ-を誕生さ                          せた英国のイアン・ウィルムット博士は、山中教授らの研究の進展を                           知り、万能細胞づくりの本命とされてきた研究の放棄を発表した。ク                           ロ-ン胚は皮膚など患者の体細胞を核を抜いた卵子に入れてつくる。                          これを基にしたES細胞は、患者に移植しても拒絶反応がなく理想的と                          されたが、多数の卵子が必要なのが難題だった。山中教授らはそれを、                        皮膚細胞にわずか四種類の遺伝子を組み込む方法で解決した。発が                          んの危険があるウイルスを使うなど安全性には問題が残るが「いずれ                          は解決できる」との見方が強い。クロ-ン技術に詳しい阿久津英憲・                           国立成育医療センタ-室長は「多くの研究者が取り組みやすく、人類                          に役立つ成果が出る可能性も高い。世界に与える影響はクロ-ン技術                         を上回る」と言う。山中教授らは昨年、世界で初めてマウスのiPS細胞                           づくりに成功。追髄したのが米ハ-バ-ド大とマサチュ-セッツ工科大                         だった。「人の細胞で先を越されるとしたら彼らだと思っていた」が、今回、                       京大と同着で同じ成果を発表したのは、ウィスコンシン大。米国の研究                         層の厚さと底力に、教授は舌を巻く。

どこまで許容

競争が激化する中、日本の研究規制がどうなるかも大きな関心事だ。                           iPS細胞は、受精卵や卵子を使う倫理問題は回避できるが、万能性が                          ES細胞と全く同じなら生殖細胞の精子や卵子もつくれる。男性の皮膚                         から精子と卵子の両方をつくることも理論的には可能で、受精させれば、                        親は父だけという子どもが生まれる可能性もある。「どこまでなら自由な                         研究が許されるか、規制の議論は今から始めるべきだ」と位田隆一京                         大教授(生命倫理)は指摘。一方、京大の中辻憲夫(再生医学)は「ES                         細胞研究で日本は、激し過ぎる規制のため後れを取った。それを繰り                          返せば、せっかくの画期的成果を活用できなくなる」と強く警戒している。

コメント

人の皮膚から「万能細胞」

2007-12-05 16:06:00 | 健康・病気

京大など日米2チ-ム成功                                                   受精卵不要で倫理問題回避・再生医療 実現に光

100_0405_2 人の皮膚細胞に遺伝子操作を加え、万能性を                            持つ胚性幹細胞(ES細胞)のように、さまざまな                           細胞に成長できる人工幹細胞をつくることに、京                           都大再生医科学研究所の山中伸弥教授らと米                           ウィスコンシン大のチ-ムがそれぞれ成功し、発                           表した。ES細胞と違い、作製に人の受精卵や卵                          子が不要なため、倫理問題を回避できるのが最                           大の利点。患者の治療に使うにはまだ安全面の                           課題が残るが、病気の原因解明や新薬開発など                          の研究には早期に利用可能とみられ、再生医学                           研究を加速させる画期的成果だ。山中教授らは、                          大人の皮膚細胞に特殊なウイルスを使って四種                           類の遺伝子を組み込み培養。未分化な性質を保                           ったまま増殖し、多種の細胞に成長できるなど、                            ES細胞と似た性質の幹細胞をつくった。ウィスコ                           ンシン大は胎児と新生児の皮膚細胞に、うち二つ                          は山中教授らと異なる計四種類の遺伝子をウイル                          スで組み込み、同様の幹細胞を得た。山中教授のチ-ムは昨年6月、              マウスの皮膚細胞に今回と同じ四遺伝子を組み込んで人工幹細胞を               つくることに、世界に先駆け成功。以来、人の細胞での実現が世界的               競争になっていた。人工幹細胞は、最終的には患者に拒絶反応なく移                植できる治療用の細胞としての利用が期待されるが、両チ-ムとも有                           害性が否定できないウイルスを使っており、改善が必要。さらに山中                          教授らの四遺伝子の一つはがん遺伝子で、ウィスコンシン大は胎児、                          新生児の細胞でいか成功しておらず、一長一短がある。山中教授は                          「両方とも同レベルの成果。がん遺伝子については代替手段のめどが                          立ちつつある」と話した。山中教授らの研究は米医学誌セルに、ウィス                          コンシン大は米科学誌サイエンスに、論文が掲載される。

100_0404 人の皮膚の細胞(左)と人工幹細胞の顕微鏡                            写真<山中伸弥京大教授提供>

誇るべき大きな成果

中辻憲夫京都大物質細胞統合システム拠点長(再生医学)の話                            日本にとって誇るべき大きな成果だ。病気の患者の細胞を基にこの                           多様性幹細胞をつくれば、病気のメカニズムの研究や、薬の安全性                           を確認する研究にすぐに役立つ。だがウイルスを用いて遺伝子を導                           入する方法では発がんなどの危険性があり、臨床応用は難しい。                             遺伝子導入の代わりに、化学物質にさらすなどの安全な方法を開発                           できれば、夢の万能細胞が実現する。

コメント