北見の異業種グル-プ <ハバネロ、ハスカップ、メロン・・・> 少量醸造装置も販売へ
北見市内の六社でつくる異業種グル-プ「KIT AMIブランドの会」(倉本登代表)が産学官協力 の成果に基づき、今年からメロンやリンゴなど道 内各地の特産農産物を使った醸造酢「地酢」づく りに取り組んでいる。独自開発した酢の醸造装 置を備えた専用プラントを7月に開設、少量から 醸造できる特徴を生かし受託生産を開始。12月には装置の販売も 始める予定で、「農産物を生かした地域振興に役立ちたい」と意気込 む。「地酢」プラントは、北見市内の北見工業団地で漬物などをつくる 北武フ-ズ(札幌)北見工場の一室にある。約百平方メ-トルの室 内は発酵に適した30度の室温に保たれ、洗濯機ほどの大きさの酢 醸造装置一基(容量約25㍑)と、熟成のためのステンレス製容器が 並ぶ。かけた費用は約百万円という。酢醸造装置は、倉本代表が社 長を勤める倉本鉄工所と道立オホ-ツク圏地域食品加工技術セン タ-(北見)が共同開発した。当初は同センタ-に設置していた酢醸 造装置を使い、今年6月には地元農家が趣味で栽培していた世界一 辛いといわれるトウガラシのハバネロを使った酢「ハバネロビネガ-」 を製造。10月末までに約2千本が売れる好調ぶりだ。7月にプラント を開設後、食品加工の大金(旭川)が道産リンゴやハスカップを原料 につくる北海道ビネガ-シリ-ズと、NOP法人きよさと観光協会(網 走管内清里町)のメロン酢の受託生産を始めた。食酢は通常、穀物 や果実を醸造して酒を造り、それをさらに酢酸発酵させて製造する。 一方、この装置は農作物を搾った汁に市販の酒や種菌を加えて1時 間弱置いてから、ステンレス製容器に入れて一ヵ月ほど発酵を進め て完成させる。食味に違いはないが、こちらは少量生産が可能なた め、同会は「地元の農産物にこだわった、他ではできない酢をつくる ことができる」と強調する。酒造免許も不要。一般に流通していない 酢の種菌は、北見工大発のベンチャ-企業「はるにれバイオ研究所」 (北見)が、農産物ごとに適したものを供給している。市販の酒を使う ことで、別のメリットも生まれた。たとえばメロン酢には同じ清里特産 のジャガイモ焼酎を使用。「地元の酒を使うことで、品質の違いをア ピ-ルできる」(同会)という。同会は現在、道内外の20社と受託生 産に向け交渉中。原料の農産物はブル-べり-やラズべり-、トマト などさまざまだ。12月からは酢醸造装置の販売も行い、種菌とセット で価格は約50万円。すでに20社から購入要望が寄せられていると いう。問い合わせは倉本鉄工所のKITAMIブランドの会 ℡0157・24・2031へ。