せきは、のどより下の気道粘膜の異物や刺激を排除するしくみで す。くしゃみは、鼻の中の粘膜に異物や刺激があったときに、相当 に強い気流で排除するしくみです。こう考えると、気流の通り道が、 鼻なのか口なのかの違いだけで、せきとくしゃみは原理的には同じ しくみともいえます。ただ、そうとも限りません。せきは意識的にでき るのですが、くしゃみを正確に意識的にするのはかなり難しいもの です。加藤茶さんの有名な芸にくしゃみがありますが、あれとて、 鼻の中の気流はそりほど速くはないと思われます。もちろん測定し たことはありませんが・・・。くしゃみの刺激となるものには、鼻の粘 膜に付着したごみ、ほこり、粘膜の炎症、鼻水などがあげられます。 北海道でも問題になり始めた花粉症でのくしゃみは、花粉そのもの より、花粉が引き起こすアレルギ-反応による炎症で起ります。粘 膜への刺激は粘膜に分布する神経が受け取り、脳のくしゃみ中枢 に伝えられます。そして鼻がムズムズする感じがするのです。そう すると、大きく息を吸い込んでから、声門をいったん閉じて、胸の圧 力を高め、口の奥を閉じながら、鼻へ強い気流を押し出します。この ときに、気流は鼻の下のほうではなく、上の方の異物が停滞しやす い空間へ気流が向かうようになります。こうして鼻腔内の異物を押 し出すのです。くしゃみは、せき以上に強い力がかかるので、連続 すると、とても疲れてつらものですね。風邪のシ-ズンです。くれぐ れもご注意ください。(とうせ・のりつぐ=札医大医学部長)
妊娠したい!と思ったらすぐ読む本―妊娠しやすい体づくりから高度不妊治療まで 価格:¥ 1,500(税込) 発売日:2007-11 |
筆者は、函館市の不妊治療専門クリニック院長。晩婚化で30代の 出産が増える中、「女性の妊娠力は卵巣若さで決まる」と、卵巣を 若々しく保つための生活法などをアドバイスする。旬の野菜を食べ、 α-リノレン酸を多く含む食材をとるなど食生活への提言のほか、 体を冷やさない暮らし方のポイントや漢方薬などを紹介。妊娠のメカ ニズムや不妊症の検査と治療についても解説している。