先行例の札幌・旭山病院 「働く意欲が高まった」
短時間正規職員など多様な勤務形態を導入した先行例として、日本看護協会は全国22施設を選んだ。道内では旭山病院(札幌市中央区)と旭川医大病院が入った。内科や精神科がある旭山病院では、看護師約150人(准看護師含む)のうち、日勤専従者(午前9時-午後5時)が9人、夜勤専従者(午後4時半-翌日午前9時半)が1人。いずれも正規職員だ。0-1歳児がいる看護師は希望を聞いた上で、原則的に日勤専従にしている。主任看護師の小河原千穂さん(33)は5年前、5歳の息子と3歳の娘が保育園に慣れるまでの間、午前中だけの短時間勤務にしてもらった。小学校入学後、給食が始まるまでの間も同様だった。以前務めた病院では、育児中の看護師に対する苦情が同僚から聞かれたり、退職に追い込まれる人も見た。小河原さんは「私自身も周りをいつも気にしていた。いまは職場全体で子育てを後押ししてくれる雰囲気があるので看護の仕事もさらに頑張れる」と話す。病棟の勤務表を作る看護師長の北森久美子さん(38)さんも「一人一人の事情に応じた勤務にすることで生活が充実し、働く意欲が高まる。するとその頑張りが周囲に伝わり、さらに支えようとする」と相乗効果を協調した。