新名所

案内板を手にしたガードマンさんがいるが、バーゲンセールではない。だいいち、僕だけでなく、ファッショナブルでない人も多い。新しい地下鉄が開業するということに、これだけの人が集まるというのも、何だか驚きだ。

地下の改札階に着くと、知らないうちにこんな空間が出来ていたことにまず驚いた。「地宙船」と呼ばれる構内に入ると、その印象的なシェルの部分を中心に、凝った造作に目を奪われる。

ホーム上にはたくさんの人が、電車に乗るというだけか、駅を見に来ているようだった。おやっと思ったのは、鉄と呼ばれる人よりも、カップルをはじめ普段そんな事とは無縁の人が多かったことだろうか。まあ、200円かそこらで楽しめる場所は、それほどない。

池袋に着いてデパートに入ると、先週よりお客さんの数が明らかに少なく、何となく寂しかった。

バス

涼しくなったのを見計らい、家を出た。
書店で『ちりとてちん メモリアルブック』を予約して、バス停に向かった。

池袋から渋谷からまでは、山手線と埼京線が走っている。埼京線の渋谷駅はやや外れたところにあるので、利用するのはもっぱら山手線だ。
でも、時々ゆっくり行きたいと思うと、明治通りを走るバスに乗り、流れ行く街並みを眺めたり、本を読んだりする。

今日開通した副都心線に乗ってみようと、渋谷に向かうルートを考え、バスから街並みの変化を見てみようと思った。

豆乳ソフトを食べながら待っていると、お目当てのバスがやって来た…が、満員で、車窓を楽しむのは無理と諦めた。

地元の人や足の悪い人たちなどには、バスはまだまだ貴重な交通手段のようだ。

理想の上司

今朝はかかりつけの病院で検査があった。約束の時間を過ぎた頃に目覚め、慌てて病院に向かった。久しぶりに、思いっきり寝坊した。

夜中に目が覚めて、氷水を含んだ。少しテレビを見てから寝ようと思いスイッチを入れると、『プロフェッショナル 仕事の流儀』が始まるところだった。

その人は、ベーリング海で操業する魚加工船で作業を指揮している。高給に惹かれて世界各地から集まってきた人々の適性を瞬時に見抜き、やる気のやる若者を見いだし引き上げ、育てる。その姿に、上司と部下の理想的な関係を見た。そして、自分は自分の持つ能力を最大限発揮しているだろうかと、自らに問うてみた。

暑くとも気持ちいい朝、紫陽花だけが心なしか元気がないように見えた。