夜桜、キラリ

帰りの電車で席を確保し、そのまま乗換駅まで行ってしまおうかとも思ったが、思い通りに途中下車した。

一昨日とは逆に、今日は中目黒で降りた。同じ目的の人たちで、改札前はごった返していた。

自粛のため、提灯は灯っていなかったが、セルフで桜をライトアップする人がいたりして、例年と同じくらいの人出だと思う。提灯以外に違うのは、露天の中にも募金箱を置いているところがあるというくらいか。

でも、それってかなり大きい。募金の額もだが、それをきっかけに見知らぬ他人同士が震災について話すことのほうが大きい。

だが僕は、スパークリングワインにクラッカーのおつまみをいただき、それだけで酔いが回ってしまった。まあ、それがいつもの自分だ。

桜がすべての人に対して優しいなら、その優しさを花びらに乗せて被災された人たちに降り注いでほしい。

遠回り、大回り

もう一時間早く帰ろうと思っていたのに、間際に頼まれ事を受けてしまい、結局定時に職場を後にした。

西の空の美しさに誘われ、少し遠回りした。晴れ渡る空でなく、雲があるからこんな色を出せるのだろう。そう思いながら夕景に背を向け駅へと向かった。

駅に着く間際、電車が一本駅を後にしていた。次はすぐ来るだろうと思っていたが、トラブルで遅れが出ているという。10分遅れの電車はすし詰め（という表現でいいのか…）状態となった。

だが、乗り換えた電車では運良く席を確保できた。うとうととしてしまったが、少し冷たい風に目が覚めた。

さあ、これからちょっぴり寄り道をしていこう。

待つよりも、進め

昨夜の帰り道、駅前で何気なく目を止めた。「信号が青になるまで」というだけではないメッセージを感じたという訳でもない。

早々と寝床に入り、携帯で記事をアップしようとするうちに眠ってしまっていた。気がついて目覚めるとまだ日付が替わってなかったので、続きを書こうと思ったら家が揺れ出した。動物の本能を感じつつ、落ち着いて階下の母の無事を確認した。

妹からもメールが届き、姪は何事もなくすやすやと眠り続けていたと知り、この世の将来に対する希望がほんの少しだが増えた。

その後すぐにこの写真で記事を書こうと思ったが、避難する人の妨げになってはと思い、破棄した。

さて、僕らは何を待てばいいのか。その先に何があるのか。少なくとも、イスカンダル星にコスモクリーナーを取りに行く余裕はない。今を生きる僕らは、考える責任を持っていて、それはチャンスでもある。

夜空に流れ星を探すのもいいが、まずは歩きだそう。あっ、信号はよく見てから。