朝の散歩の帰り道、美しい橋を見かけ、渡った。
「ハートアイランド」という名前は聞いたことがあったものの、それがどこにあるのかを知らなかった。あの鉄塔から見える高層住宅がその場所だった。
無機的な建物の中にどのようにして生活感を醸成するのだろうか。いわゆる「ニュータウン」という場所でそれに成功した場所というのを聞いたことがないが、今もこうした大規模開発は続いており、間違いはないということにしているのだろう。
王子方面に向かう道にその橋はかかっていた。名は「新豊橋」というらしい。柔らかい曲線で構成されたフォルムは、落ち着きと新しさを併せ持たせることに成功させている。欄干の微妙な傾斜がいい。
橋の袂に近づくと、何やら碑が建てられていた。「田中賞」って、数ヶ月前タモリ倶楽部で紹介されていたな。
美しさは機能を持ち、機能は美しさを作る。
街と街、そして人と人という橋の役割に、「渡りたくなる美しさを持つ」という一項を加えたい。異論はあるだろうか。いや、あってもぜんぜん構わない。そこから話し始めればいいのだから。