ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

『エンドゲーム』

2006-06-20 | 読むこと。
先日久しぶりに図書館へ行ったので、恩田陸さんの『光の帝国』を探していると『エンドゲーム』がありました。『光の帝国』は予約することにして、とりあえずこちらを借りて帰ってきました。
『蒲公英草紙』を読んで常野物語に興味を持ったのですが、読む順番がめちゃくちゃ~ 

で、夕方から読み始めました。・・・止まらない。
一章ずつ区切りをつけて夕食の準備をしたりしましたが、夕食後はノンストップ。最後まで一気読みしてしまいました。

恩田さんの小説はまだ2冊目。『蒲公英草紙』の優しい雰囲気とはうって変わって、こちらはダークなサスペンス仕立て。同じ作者で、しかも同じ常野シリーズで、こんなに違うんだとちょっとびっくり。

この作品は『光の帝国』の中の「オセロゲーム」という短編の続編ということですが、そちらをまだ読んでいないので理解しにくい部分もありました。
正体不明の存在「あれ」と戦い続けてきた一家の話なのですが、その「あれ」とは何なのか、裏返したり、裏返されたりということがどういうことなのか。
でも、わからないからかえってイメージを刺激され、この不思議な人たちに惹き付けられました。

章ごとに時間の経過が前後し、またその中にも過去の出来事がフラッシュバックして描かれるという構成で、謎が謎を呼び、ぐいぐいストーリーに引き込まれてしまいます。まるでサスペンス映画を見ているようでした。

時子が小学校の校庭で初めて見た「あれ」、ボウリングのピンの風景がとてもシュール。なんだか自分にも、ふと、そういうものが見えてしまいそうで、コワくなります。振り返ったら、後ろに立っている人の頭が腐ったイチゴだった、なんて

もうひとつの怖さは、一体何が真実なのか、誰を信じていいのか、わからないということ。唯一信じられる「自分」の存在さえ、実は本当の「自分」ではなかったとしたら・・・?自分の過去が、ただそう信じ込まされたものだとしたら・・・?

物語の最後では混乱してしまいました。騙していたものが、騙されていて、結局は・・・う~ん、このラストはどういうことなんだろう。彼らにどんな未来が拡がっているというのだろう。気になります・・・。






コメント (2)
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