ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

映画 『ゲド戦記』

2006-08-22 | 観ること。
ウチの家族はジブリの映画が大好きです。
長女がお腹にいるころに、おとーさんと『となりのトトロ』を見て、「子どもが生まれたら見せたいね~」なんて言ってからはや17年。
子どもたちといっしょに、ジブリの作品はほとんど見てきました。

そのジブリが、これまた大好きな『ゲド戦記』を手がけると知ったときの戸惑い・・・。
悩んだあげく、とりあえず前売券を買いました。
どんなゲドになるのか興味もあったし、どんな絵で表現されるかも見てみたかったので。

で、先日次女とふたりで観てきました。


・・・そうですね。
あまり先入観を抱かずに観よう、とは思っていたのですが。
正直に言うと、『ゲド戦記』とは全く別物でした。
『ゲド戦記』が一応下敷きになっているらしいけど、ストーリーは全然違う。
ゲドを読んでいない人にはわかりずらいだろうし、ファンにとっては「何、これー!」って感じになるのもしかたないですね。

確かにあの長い物語を、一本の映画におさめるには無理があります。
だからといって、原作をぐちゃぐちゃにして、都合のいい部分だけを使う、というのにはがっかりしました。
なんだか今の時代にあうように(うけるように?)、少年の心の闇とか、子どもの虐待とか、父と息子の関係とか、そういうわかりやすい部分だけを強調してるみたいで。

原作を読んで感じたものは、そんな単純なものではありませんでした。
読むたびにいろいろ考えさせられる、そんな奥深い作品なのです。
また4巻以降はテーマも重くなり、私には難しい部分もたくさんありました。
今流行りの、わくわく、どきどきする、わかりやすいファンタジーではないのです(そういうのも好きですけどね)。

内容も、『こわれた腕環』を読んでないとゲドとテナーの関係がわからないし、ゲド自身が影に追われたことを知らないと、アレンが怯える影の存在が不可解だろうし、テルーがテハヌーで、突然竜になってしまうなんて、???でしょうね。
『影との戦い』か『こわれた腕環』か、どちらかひとつにしぼった方が、見る側にはわかりやすかったと思います。


それと気になったのが、声優を有名な俳優さんたちがやっていること。
うまいんだけど、ちょっとひっかかる。
人物のむこうに、その俳優さんが透けて見えてしまうんですよね。
私、若いころ(というか中高生のころ)、声優さんに興味があったので、けっこう気になるんです。
絵までなんとなく似せてあるようで、ゲドは若き日の文太さんみたいだし、テナーはちょっと太目の風吹ジュンみたい?
本を読み直したとき、ゲドが文太さんになってしまいそうで困るんですけど・・・

批判的なことばかり書いてますが、最後にもうひとつ。
ジブリなのに、絵に重みがないような気がしました。
出だしの嵐のシーンで、「あれ?」って思ったのです。
ジブリの絵って、こんなタンジュンだったっけ?

いや、確かに背景はすごく描き込まれているんですよ。
空も雲も町も竜も。
でも、『千と千尋の神隠し』で観たような、私を圧倒させたあの印象派の絵のような背景ではなかったのです。
何が違うのか、私にはわからないのですが・・・。
内容はともかく、絵は素晴らしいだろう、と期待してただけに、これまたがっくり


辛口コメントばかりになってしまい、ファンの皆様、ごめんなさい
でもね~、私だって、ジブリだからと心の底では少し期待してたんですよ~。
(宮崎駿監督ならどう描いていたでしょうね。ちょっと気になる)
でも、この映画を観て、原作の『ゲド戦記』を読もう、と思う人がふえたらうれしいかも。



少し前に『となりのトトロ』をTVで放映してましたね。
何度も観たのに、やっぱりじ~んときてしまうのです。
小さいときから見慣れてる次女も、今さら「トトロかわいい~」を連発。
ジブリの原点はこれですよ(ナウシカも好きだけど)。
あまり戦略的にならずに、いい作品をつくり続けてください。
ずぅ~っとファンなんですから。





















コメント (6)
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