近所の中国食材店は一般客も業者も相手にしているので、業務用と思しき大容量の冷凍食品も豊富である。これがどれもたいへんおいしい。餃子は自分で作ることもできるが、面倒なので、こちらに来てからまだ一度も作っていない。なにより、冷凍餃子がおいしいので、つい冷凍食品で済ませてしまう。今、自宅の冷凍庫には「HONG’S Chicken Dumplings」という製品がある。よくよく包装を見ると、製造者も販売者も書いていない。それでも賞味期限は包装の縁に打刻してあり、「MAKE IN UK」という文字とそれに続くロンドン市内の住所が書かれている。このような書き方をすると怪しい食品のように思われるかもしれないが、ほんとうに美味である。
さて、日本では冷凍餃子が話題のようで、先日、日本総領事館からも注意を促すメールが届いた。今やすっかり中国産食品に対する不信感が醸成されてしまったように感じられるのだが、一連のニュースフローに何かしら違和感を覚える。これから調査が本格化するのだろうが、報道によれば、回収された餃子の皮の部分から農薬が検出されており、具から検出されていない。包装に穴が空いているものがある。商品のなかに包装の外側に農薬が付着していたものがある。問題になっている餃子はいずれも同じ製造元の製品で、あたかも製造過程で農薬が混入しているように見えるがそうではない可能性を示唆する情報と言える。これだけ大きな騒動になって、調査の結果、農薬が日本国内で混入したことが判明したとすれば、かなり厄介な問題に発展するかもしれない。
現実問題として、原材料も加工品も含めて、中国産食材抜きに日本の食は成り立つのだろうか。中国産に問題があるからといって、別の産地がすぐに見つかるものなのだろうか。中国産に依存し続けなければならないとしたら、日本の政府や流通業者は今、何をしなければならないのだろうか。マスコミはニュースを売るのが商売なので、正義の味方面をして大騒ぎをするだけだが、その騒ぎの背景は誰も何も言わないし、問われもしない。大衆はただ煽られるだけである。日本人というのは不思議な人々だと思うのは私だけなのだろうか。
ところで、こちらの小売店に並ぶ食品は様々な産地から集められている。最近食べたものを列挙するとエジプト産の苺、イスラエル産の柿、モロッコ産のズッキーニ、カナリア諸島産のトマト、オランダ産の玉葱、スペイン産のピーマン、英国産の鶏卵、シンガポール産の豆腐、中国産の椎茸、英国産のリンゴ、タイ産のベビーコーン、チリ産のアスパラガス、イタリア産の米などなど。日本の小売店に並ぶ野菜や果物と違って、パッケージの中は大きさがまちまち、傷んだものも混入しているので、注意を払って商品を吟味しないといけない。包装に穴が空いている商品など珍しくなく、半調理品のなかには中身が溢れ出ているものもあり、米だの小麦粉だのが並ぶ棚の上や周囲には米粒や粉が散らばっている。卵は割れていることもある。そうした状況を改善しようとする気運は感じられない。
食の安全とは、結局は生産者、流通業者、消費者の意識の問題である。食に限らず、安心して暮らすには、世の中の仕組みに対する信頼感が不可欠なのである。この信頼感を揺さぶることで利益を得るのは誰なのだろう。
さて、日本では冷凍餃子が話題のようで、先日、日本総領事館からも注意を促すメールが届いた。今やすっかり中国産食品に対する不信感が醸成されてしまったように感じられるのだが、一連のニュースフローに何かしら違和感を覚える。これから調査が本格化するのだろうが、報道によれば、回収された餃子の皮の部分から農薬が検出されており、具から検出されていない。包装に穴が空いているものがある。商品のなかに包装の外側に農薬が付着していたものがある。問題になっている餃子はいずれも同じ製造元の製品で、あたかも製造過程で農薬が混入しているように見えるがそうではない可能性を示唆する情報と言える。これだけ大きな騒動になって、調査の結果、農薬が日本国内で混入したことが判明したとすれば、かなり厄介な問題に発展するかもしれない。
現実問題として、原材料も加工品も含めて、中国産食材抜きに日本の食は成り立つのだろうか。中国産に問題があるからといって、別の産地がすぐに見つかるものなのだろうか。中国産に依存し続けなければならないとしたら、日本の政府や流通業者は今、何をしなければならないのだろうか。マスコミはニュースを売るのが商売なので、正義の味方面をして大騒ぎをするだけだが、その騒ぎの背景は誰も何も言わないし、問われもしない。大衆はただ煽られるだけである。日本人というのは不思議な人々だと思うのは私だけなのだろうか。
ところで、こちらの小売店に並ぶ食品は様々な産地から集められている。最近食べたものを列挙するとエジプト産の苺、イスラエル産の柿、モロッコ産のズッキーニ、カナリア諸島産のトマト、オランダ産の玉葱、スペイン産のピーマン、英国産の鶏卵、シンガポール産の豆腐、中国産の椎茸、英国産のリンゴ、タイ産のベビーコーン、チリ産のアスパラガス、イタリア産の米などなど。日本の小売店に並ぶ野菜や果物と違って、パッケージの中は大きさがまちまち、傷んだものも混入しているので、注意を払って商品を吟味しないといけない。包装に穴が空いている商品など珍しくなく、半調理品のなかには中身が溢れ出ているものもあり、米だの小麦粉だのが並ぶ棚の上や周囲には米粒や粉が散らばっている。卵は割れていることもある。そうした状況を改善しようとする気運は感じられない。
食の安全とは、結局は生産者、流通業者、消費者の意識の問題である。食に限らず、安心して暮らすには、世の中の仕組みに対する信頼感が不可欠なのである。この信頼感を揺さぶることで利益を得るのは誰なのだろう。