万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ハタミ前大統領の勇気ある発言

2009年07月02日 17時36分10秒 | 中近東
「国民に対するクーデター」イラン前大統領、政府批判(読売新聞) - goo ニュース
 国家が間違った方向に進もうとしているとき、勇気をもってそれを止める人物が存在するか、否かによって、国の運命は大きく違ってきます。イランは、現在、まさに運命の岐路に立たされており、現政権の示す道を突き進めば、国民弾圧を厭わない独裁国家が誕生しそうです。

 最も危険な時期にあって、現政権の弾圧を”国民に対するクーデタ”と言い切ったハタミ前大統領の発言は、政府に不信感と反感を抱く多くの国民の心に訴えかけたことでしょう。現政権の手法を知り尽くしているが故に、ハタミ前大統領は、政府批難を行えば自らの身を危険に晒すことも分かっていたはずです。この危険を覚悟した上で、イラン国民のために敢えて政府批判を行ったハタミ前大統領こそ、国民のために行動した真の勇者なのではないかと思うのです。

 今のところ、政府側の反応については報道がありません。しかしながら、ハタミ師の勇気ある発言が、独裁化への道を進もうとしているイランを引き戻し、やがて正しい道に導くことになるかもしれないのです。この発言が、イランを救った言葉として歴史に記憶されることに期待せざるを得ないのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする