万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

東トルキスタン独立に向けて準備を

2009年07月10日 11時10分14秒 | 国際政治
ウイグル暴動 欧米反応、チベットと差 イスラム圏、象徴的な指導者不在(産経新聞) - goo ニュース
 中国の侵略行為により国を奪われたことにおいて、チベット人とウィグル人との間に差があろうはずもありません。それなのに、何故にか、国際社会は、ウィグルの人々に対して冷淡であると言うのです。

 その理由としては、(1)チベットのダライ・ラマ14世のようなカリスマ性を持つ象徴的な指導者がいないこと、(2)チベットのような国際的な組織を持つ亡命政府がないこと、(3)中国の要求で「東トルキスタン・イスラム運動」がテロ組織と認定されていること、などが挙げられています。しかしながら、「世界ウィグル会議」のラビア・カーディル議長もおりますし、知名度で国際社会の態度が変わるとなれば、それは、侵略に反対する揺るぎない信念の欠如を意味します。また、ウィグル人にも、アメリカにおいて2004年9月14日に結成された東トルキスタン亡命政府がありますので、独立運動に核がないわけでもありません。

 国家を復興するために、まずは、将来の東トルキスタンの独立に向けて、ウィグル人の方々は、中国との交渉を担う”政府”と”国民”の組織を整える必要があると思うのです。そのためには、「世界ウィグル会議」と東トルキスタン亡命政府との協力関係を築き(両者の関係は分からないのですが・・・)、国際レベルでウィグル人組織を結集すべきなのではないでしょうか。組織が整い、方向性が定まれば、「東トルキスタン・イスラム運動」の問題(武力闘争派?)も議論することができます。

 こうしたウィグル人の活動を支援し、中国政府に交渉のテーブルに着くように説得することが、今後の国際社会の務めともなりましょう。国際社会が、無慈悲に中国政府によって虐殺されたウィグル人の人々を見捨てることがあってはならないと思うのです。

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