万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の民主化が民族紛争を解決する

2009年07月14日 15時53分40秒 | 国際政治
ウルムチで立てこもり、警官がウイグル族の2人射殺(朝日新聞) - goo ニュース
 中国が自国の民主化に反対している理由は、共産主義による一党独裁体制を守るためであることは、よく知られています。その一方で、もしかしますと、侵略行為によって併合した領土の住民からの独立要求を暴力で封じ込めることも、中国が、民主化を拒む理由なのではないかと疑うのです。

 中国が民主化されますと、チベットと東トルキスタンといった少数民族は、独立へと至る幾つもの道が開かれることになります。一党独裁から多党制へ移行すれば、まず、中国からの独立を目指す政党を合法的に設立することができるようになります。また、住民投票を実施できれば、民主的な手続きを経て中国からの独立を達成することもできます(ただし、漢人の植民者を除いて・・・)。あるいは、中国との交渉次第では、緩やかな連邦制へと移行する形で、領有権や広範な自治権が認められ、独自の政府、議会、裁判所、治安組織などを設置することができるようになるかもしれません。

 本日もまた、ウイグルの人々が警官によって射殺されたという悲惨なニュースが伝えられていますが、このように考えますと、中国の民主化は、中国の民族紛争、あるいは、”植民地問題”を平和的に解決する有力な手段となるのではないでしょうか。中国は、民主化を頑なに拒否しそうですが、国際社会は、協議に応じるように中国政府に圧力をかける一方で、中国の民主化を後押しすべきと思うのです。

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コメント (2)
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