万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ウイグル独立戦争という選択肢

2009年07月23日 15時40分45秒 | アジア
世界ウイグル会議 カーディル議長来日へ 都内で講演、中国反発も(産経新聞) - goo ニュース
 中国政府は、ウイグルの人々による独立運動を過激派による暴動として糾弾し、国際社会においても”テロ組織”というレッテルを貼りたいようです。この”テロ認定作戦”を意識してか、ウイグル人の活動家の方々も、国際社会に対して平和的手段をしきりにアピールしているようです。

 しかしながら、相手が話し合いを拒否し、一方的に武力による弾圧を繰り返している場合、独立戦争の選択肢を最初から放棄し、平和的な解決を訴えることが正しいのかどうか、これは、十分な検討を要する問題であると思うのです。少なくとも、国際法では、独立のための戦いを認めております。侵略の定義に関する決議の第7条には・・・

「この定義のいかなる規定も、特に第三条は、憲章から導き出された自決、自由および独立の権利を強制的に奪われ・・・人民の自決、自由、独立の権利をいかなる意味でも害するものではない。これらの人民には、特に植民地体制および人種差別体制その他の外国支配体制の下にある人民が含まれる。・・・そうした目的のために闘争し、ならびに支援を求めまたは受け入れるこれらの人民の権利を、いかなる意味でも害するものではない」

 ・・・とあります。決議ですので法的な拘束力はありませんが、これまで数多くの民族が独立戦争を通して自らの国家を手にしてきた歴史を考えますと、ウイグルの人々にも、当然、中国による植民地支配から脱却するために戦う権利があると理解することができます。

 多くの人々が望むように、この問題を平和的に解決するためには、まずは、中国政府が柔軟な対応に転じ、ウイグルの人々との間に交渉の窓口を設ける必要があります。中国政府を話し合いの席に着かせるためにも、最後の手段としての独立戦争というカードは温存すべきではないかと思うのです。国際社会もまた、東トルキスタンは不法に占拠されたのですから、中国政府による”テロ認定路線”に惑わされることなく、ウイグルの人々の独立要求の権利と独立戦争に訴える権利を承認すべきなのではないでしょうか。

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