万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

イスラム教の虎の尾を踏む中国

2009年07月15日 15時38分10秒 | 国際政治
礼拝中に「聖戦」叫ぶ=警察が射殺したウイグル族-中国新疆(時事通信) - goo ニュース
 ”ジハード(聖戦)”という言葉は、イスラム教の名の下で行われる異教徒に対する戦争として理解されがちですが、コーランでは、迫害に対する戦いというニュアンスが強調されています。

 ”迫害がなくなるまで、宗教が神のものになるまで戦え(コーラン:雄牛の章第193節前段)。”

 もし、中国当局が、礼拝を禁じるなどイスラム教徒を迫害し、報道されているように、”聖戦”という言葉を口にしたことを理由にウイグル人の方を射殺したとしますと(ただし、射殺した警察官が何人であったかは不明・・・)、これは、イスラム教徒を敵に回し、自らを聖戦の標的の立場に置くようなものです。中国政府の宗教弾圧政策は、民族紛争にとどまらず、アルカイダが逸早く反応したように、宗教対立へと拡大する可能性さえあるのです。

 先のコーランの一節の続きには、”しかし、彼らがやめたならば、無法者に対しては別として、敵意は無用である”とあります。中国政府の共産主義による”思想教育”は限界にきており、信教や思想の自由を認めませんと、イスラム教徒からの反発を一身に受けることになるのではないでしょうか。

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