万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

カリフォルニアの財政危機―柔軟な財政システムが必要か?

2009年07月04日 14時43分47秒 | 国際政治
米加州知事、財政危機解決は映画のようにいかず(トムソンロイター) - goo ニュース
 金融危機の煽りを受けて、カリフォルニアでは財政危機が発生し、シュワルツネッガー知事は対応に苦心しているようです。それと言うのも、景気後退によって歳入が大幅に不足したためであり、この問題は、カリフォルニアに限ったことではありません。

 日本国政府もまた、過去最大の補正予算を組みつつ、その一方で、法人税の減少による歳入の落ち込みが予測されています。政府は、国債の増発、増税、あるいは、最終手段としての日銀の国債引き受けなど、各種のデフォルトを回避する手段がありますが、それでも歳入不足は財政のバランスを崩し、破綻のリスクを高めることになります。政府が、何時破裂するとも分からない債務を抱え込んでいることは、経済活動の不安定化にもつながります。

 そこで、予算編成のシステムを、歳入の変化に合わせて柔軟に伸縮させるように工夫を凝らしてはどうかと思うのです。例えば、予算の割り当てを、額ではなく歳入に比例するように設定し、歳入が減少すれば自動的に歳出も減るようにするという方法があります。また、政策に優先順位をつけ、優先順位の低い政策は、歳入が確保された時点で実施できるとし、不足する場合に先送りにできれば、危機的な状況は回避できます。

 後戻りのできない硬直的な財政システムは、危機に向かって進むしかありませんので、引き返すことができる柔軟な制度作りが必要と思うのです。

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