万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国には別の格言を

2009年07月28日 16時50分37秒 | アメリカ
孟子で中国の心つかむ?=米大統領、演説で名言引用(時事通信) - goo ニュース
 米中の戦略対話も始まり、アメリカのオバマ大統領は、中国に対して世界を率いるリーダーの役割を強く期待しているようです。しかしながら、チベットやウイグルでの暴虐なふるまいを見ますと、中国に導かれる世界の行く手には暗雲が垂れこめそうです。

 ところで、会議が開かれたワシントンで、大統領は、中国の思想家・孟子の言葉である「人が歩かない道は、すぐ雑草でおおわれてしまう」を持ち出して、米中間のより緊密な連携を促したと言います。しかしながら、孟子の格言を引くならば、

「義を後にして利を先にするを為さば、奪わんずばあかず(義ということをあと回しにして、まず利を追い求めるということになると、結局は人のものを奪いつくさなければ満足しないことになろう)」とか、

「一の不義を行い、一の不辜を殺して天下を得るは、皆為さざるなり。(ただ一つでも不義なことをし、また、ただ一人でも罪のない人を殺すようなことをして、あえて天下を取るなどということは、古聖人は誰もしていない。)」

といった格言の方を述べた方が、中国政府を牽制をやんわりと牽制することになったかもしれません。もちろん、当会議は、両国の友好促進が目的ですので、こうした格言が飛び出すことはあり得ないのですが、古の思想家達が、現在の中国政府の行為を目の当たりにしたならば、痛烈な戒めの言葉を投げかけたのではないかと、つい想像してしまうのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする