万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国はウイグル調査団の受け入れを

2009年07月30日 16時49分36秒 | アジア
「ウイグル分裂活動の一環」=カーディル議長訪日を非難-中国(時事通信) - goo ニュース
 来日されている「世界ウイグル会議」のカーディル議長に対して、中国は、自己正当化と議長に対する個人攻撃で応えているようです。中国の政府発表が疑わしいのはいつものことですので、どこまでが事実であるのか判然としません。

 一方、カーディル議長は、日本国政府に対して、(1)日本独自の調査団の派遣、(2)国連の調査団結成に向けての外交努力、(3)不当に拘束されている人々の釈放の働きかけを訴えたと報じられています。これらの要請に沿うとしますと、日本国政府は、(1)中立的な第三者機関として自国の調査団の受け入れと、拘束されている人々の即時解放を中国政府に求める、(2)国連人権理事会に対して調査団結成を要請する、(3)国連事務総長に対して、調査委員会の設置、あるいは、調査団派遣を安保理に提案するよう求める、といった行動を取ることができます。安保理での決議となりますと、常任理事国である中国の拒否権に阻まれる可能性が高くなりますが、国連人権理事会であれば、47か国の多数決で議決されるますので、決議成立の余地は残されています。

 もし、中国が自らの主張が事実であることを証明したいならば、中立的な調査団の受け入れるべきですし、また、中国政府が調査団の受け入れを拒否するとなれば、それは、ウイグル人に対する重大な人権侵害があったことを示唆することになりましょう。日本国政府は、迫害を受けている人々の声に耳を傾け、誠実に、かつ、正義に照らして救済の道を探るべきと思うのです。

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