万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

これからが勝負のイラン

2009年07月19日 10時39分44秒 | 中近東
ムサビ氏、金曜礼拝参加 支持者十数万人集まる イラン(朝日新聞) - goo ニュース
 先日、イランの改革派が、内外の反イスラム勢力との繋がりが疑われたため、一般大衆からの支持を失い、弱体化したという記事を読みました。改革派は風前の灯となったようで、イランの将来を深く憂いたわけですが、金曜礼拝にムサビ氏の支持者が十数人万人集まったとの報道に、イランの行方はまだ決まったわけではないと安堵を覚えたのです。

 イランにおける内部対立の発端は、現政権が不正選挙に関与したという疑いにありました。現政権の行為は、イスラムの教えにも反するものであり、反体制派の人々は、この”不正”に抗議したのです、。しかも、一時の不正行為に留まらず、暴力的、かつ、強圧的な国家体制の構築を目指していました。現政権は、武装警察やバシジといった国民を監視し、弾圧するための装置を手中にしていたからです。もし、この強権体制の成立を容認するとしますと、イラン国民は、長期に亘って自国政府の手によって苦しめられることになるのです。

 暴力的な手段を自在に使用できる政府との対立は、改革派にとって危険に満ちた道となりましょう。しかしながら、もしかしますと、改革派だけが、将来、被るであろう苦しみから国民を救うことができるかもしれないのです。果たして、正しきを愛でるアラーの神は、どちらの勢力に微笑むのでしょうか。

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