万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

リビア内戦終結―独裁者はサイコパス

2011年10月21日 11時07分17秒 | アフリカ
「独裁者に復讐した」=カダフィ大佐を路上引き回し(時事通信) - goo ニュース
 40年間、独裁者としてリビアに君臨したカダフィ元大佐は、永遠にリビアの地から消え去ることになりました。独裁者のこの世からの退場を以って、リビア内戦は、ようやく終結することになったのです。
 
 カダフィ氏の最後については情報が錯綜しており、正確な状況は分かっていません。しかしながら、高速道路化の排水管に逃げ込んだこと、銃撃戦での負傷が原因となって死に至ったことは確かなようです。”撃つな”と絶叫したとも伝わりますが、独裁者とは、他者を平然と殺戮しながら、自分の命だけは惜しむようです。ところで、カダフィ氏の性格を分析しますと、サイコパスと呼ばれる病理の特徴が、明白に見られます。サイコパスを判断するチェックリストは、以下の通りです(Wikipediaより)。

1 口達者/表面的な魅力、2 誇大的な自己価値観、3 刺激を求める/退屈しやすい、4 病的な虚言、5 偽り騙す傾向/操作的(人を操る)、6 良心の呵責・罪悪感の欠如、7 浅薄な感情、8 冷淡で共感性の欠如、9 寄生的生活様式、10 行動のコントロールができない、11 放逸な性行動、12 幼少期の問題行動、13 現実的・長期的な目標の欠如、14 衝動的、15 無責任、16 自分の行動に対して責任が取れない、17 数多くの婚姻関係、18 少年非行、19 仮釈放の取消 、20 多種多様な犯罪歴

カダフィを含めて独裁者の多くは、高い率でこれらの項目に一致しています。サイコパスの人は、犯罪傾向が強いともされており、もし、こうした人物が、政治権力を掌握することにもなれば、国民は、この人物を排除しない限り、苦しめられ続けることになります。最悪の場合には、一方的に弾圧されたり、虐殺されかねません。

 今後、二度と独裁者が現れないためにも、国民が、人物を評価して選ぶことができる民主的な制度の整備は重要です。自由と民主主義を手にしたリビア国民が、戦後の混乱を克服し、独裁打倒に命を捧げ、内戦で犠牲となった人々のためにも、良きリビアを再建することを願ってやまないのです。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (通りすがり)
2011-10-21 15:58:08
カダフィは独裁だったが富の分配は
比較的行われていた。(前の王政時代はひどかったらしいからね。)今度の新政権がきっちり民主化のプロセスを踏めるとはあの状況を見る限り無理でしょう。当分はイラクの状況になると思う。
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通りすがりさん (kuranishi masako)
2011-10-21 21:57:28
 たとえ、独裁下で富の分配が比較的公平に行われていたとしても(カダフィ一家は蓄財しておりました・・・)、たとえ、前途に困難が待ち受けていようとも、リビアの人々は、自由と民主主義を勝ち取ったのです。心から、祝福しようではありませんか!
返信する
Unknown (Unknown)
2011-10-23 09:25:36
 東京裁判、ニュルンベルグ裁判の頃は、偏向していても敗者の言い分を聞いたものだ。最近は、即、ぶっ殺す。まるでテロリストみたいだ。
 さ、これから強欲どもが青い金を狙って争う。これじゃ、円高は進む。円高が進む理由がわからなければ、無修正の大津波映像を見ればよい。テレビで放映される映像は、屋根の上などにいる人を消したものだ。
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