万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

深刻な北京の大気汚染は一党独裁の欠陥証明

2015年12月08日 16時53分01秒 | アジア
深刻な大気汚染で緊急措置=市民生活に影響―北京市
 中国の首都北京では、PM2.5による大気汚染の最高レベルである”赤色警報”が発令され、深刻さを増しております。「外出は自殺行為に等しい」と言うぐらいですから、相当な汚染度です。

 ところで、急激な産業化を経験したのは中国のみではないにも拘わらず、何故、中国では、ここまで度を越した汚染が長期にわたって続いているのでしょうか。P.M2.5問題は、その深刻さが指摘されてから既に数年が経過しております。中国当局は、内外に対して改善を約束しつつも、常にその期待は裏切られ、大気汚染は悪化するばかりです。仮に、中国が、一党独裁ではなく、民主的な国家であったとしたらどうでしょうか。国民の健康を害する大気汚染を放置しようものなら、政権与党は、有権者から無責任の謗りを受け、選挙において大敗を喫することでしょう。その一方で、どの政党も、大気汚染対策こそ、国民に自党が最も”国民思い”であるこをアピールする絶好のアジェンダと見て、選挙公約において大気汚染の改善を政策綱領として掲げることでしょう。かくして、北京に青空が戻り、国民は、安心して広場で太極拳に興じることができるようになるかもしれません。

 共産党が権力と富を独占する一党独裁では民意を反映した政治の実現は難しく、結局、体制に内在する欠陥によって、国民が著しい損害を被ることになります。北京の灰色の空は、一党独裁の欠陥をも映し出していると思うのです。

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6 コメント

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Unknown (ねむ太)
2015-12-08 21:14:02
こんばんは。中国の大気汚染はPM2.5よりも小さな微粒子PM0.5の被害のほうが甚大です。
反原発運動を繰り返す市民団体は、福島と西日本の日本海側沿岸部の放射性物質の汚染の度合いを比べてみてから言うべきです。
中国で暖房に使われる石炭・・ウラン鉱山の近くで採取されたものでウランの粉が混じっていて燃やす度に放射性物質を撒き散らしているのです。
放射性物質が偏西風に乗って西日本の日本海側沿岸部にまで飛来しているのです。
全くもって傍迷惑な・・
公害の原因、北朝鮮から輸入している褐炭・・石炭より質の悪い屑炭で酷い煤煙が出ます。
中国が民主化したら・・・
今よりももっと酷い状況に陥ります。
賄賂は横行し人の命は二束三文・・
民主化以前に民度の問題があるのです。
民度を上げる為の教育を実施しようとする・・裕福な者は大金を積んで子供の成績に手心を加えさせる。
中国の問題の本質は共産主義にあるのではなく、始皇帝からの歴史を見ても国民国家だった経験がない・・
国民国家を理解できないところにあるのです。
だからこそ、国家が揺らぎ始めると・・天に貪狼星が輝く時、何処からともなく馬蹄の音が響き渡り、剣戟の音が響いてくるのです。
支那だけではなく朝鮮人も本質は遊牧民・・
立つ鳥後を濁さずと対局の、後は野となれ山となれ、なのです。
大陸は広い・・同じ場所で同じ人間に会う可能性は低い・・だからこそ、平気で嘘を付き約束を破るのです。
鳩ポッポセンセが首相の時、公害対策費として2兆円ほど支出していますが公害対策をしたでしょうか、何もしていません。
しないというよりも出来ないのです。
公害対策のような時間のかかる政策を実行しようとして数十年単位の時間がかかるとなれば無能の烙印を押されて粛清の対象になりますから。
共産党だから出来ないのではなく、支那の時代から出来ませんでした。
民度が高くモラルがあったならば孔・孟が儒を説く必要もなかったでしょう。
儒教は、あくまでも「こうであれかし」という嘆きなのです。
逆に見れば日本人は神道・・自然と調和して生きる知恵があった、だからこそ儒教の道徳律は理解され定着したともいえるのです。
中・韓に期待する事は無理と言うものです。
野生の動物も傷を負えば、傷が癒えるまで身を潜め戦おうとはしません、それと同じ事で中・韓は経済的に苦境に立たされたり困った時には、にこやかに友好を口にし近づいてくる。
自分達が有利になると平気で裏切り 、他者を貶めても利を得ようとする・・
現在起きていることではありませんか。
現実を見てください。
民族性の問題あります。
イスラエルでは二人集まれば三つの意見が出て四つの政党が出来る、というほどに論理的な思考や議論ができる。
「日本統治時代は良かった」と言った老人を撲殺するのが韓国。
日本統治時代を評価する者には罰則を・・これが韓国。
中国は少しマシで党の批判さえしなければ、ある程度の発言は見逃してもらえる。
テレビに出る中国人のコメンテーター・・絶対に中共政府については語らない・・下手な事を語れば身内が行方不明になるか・・呼び戻されて行方不明になるとわかっているのですから。
これも支那の頃から変わっていません。
戦争中の漢奸狩りをご存じですか、日本軍と最初に接触した者・・子供でも容赦なく処刑されていた。
通りかかった日本軍に村の名前を聞かれた、それだけで死刑・・一応、村人を広場に集めて死刑にするかどうか問いかけ賛成の者には挙手をさせる・・反対した者は密かに処刑される・・これが支那の民主主義の現実と言うものです。
欠け字・・ある日急に使われている文字に皇帝の名前に使われている文字が含まれた文字の使用は禁止・・使えば死刑・・そこで、文字の一部を欠けさせ使い続けた。
数十の民族が混在し、隙あらば皇帝の座を狙う・・どうして民度が育ちますか、皇帝の座を狙う者同士、敵なのですから。
其の中で駆け引きだけが発達し・・それが戦略・・六韜等の兵法だけが発達した理由です。
公害対策・・はっきり言って手遅れ・・現在の抗生物質が全く効かないウイルスの発生、突然変異した動物も発性も確認され危険極まりない状態に陥っているのが中国の実態です。


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ねむ太さま (kuranishi masako)
2015-12-08 22:07:52
コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 ねむ太さまのように、完全に諦めてしまっても、問題が解決するわけではないように思われます。民主主義となれば、さらに悪くなる、として、民主化や自由化を支援いたしませんと、未来永劫にわたって共産主義による一党独裁が続くことになります。天安門事件は悲惨な出来事でしたが、それでも、中国の人々の中には、確実に、自由化と民主化を望む人々が存在していることを示しております。諦めよ、とのご意見は、中国の現体制への間接的な支持となるのではないでしょうか。最近、”諦め論”が散見されますが、世論誘導の一つの手法なのでしょう。
 韓国は、民主化されながら、自己改革ができないのですから、それは、自らの責任です。中国も、少なくとも民主化と自由化を達成し、その後については、中国国民自身の問題とすべきと思うのです。
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性急な断定 (Unknown)
2015-12-09 14:16:02
 実はインドのニューデリーの方が大気汚染は深刻です。インドは一応、民主主義国なので、中国が独裁だから駄目だと言うのは性急過ぎる断定でしょう。
 北京の方がまだ同情できる余地があります。ニューデリーより、ずっと寒冷でしょうから。ま、庶民は暖房に石炭ストーブを使わざるをえないのでしょう。原油価格の下落と所得の向上によって、やがて解決するでしょう。インドの方はディーゼル車のせいです。こちらのほうが解決は容易と思えるのですが。
 わが国のマスコミは、もう少し、全方位の報道をした方がよいでしょう。
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Unknownさま (kuranishi masako)
2015-12-09 15:26:53
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 ご指摘の件につきましては、少しばかり調べてみたのですが、この情報自体が、中国共産党系メディアの環球網が報じておりますので、自らのマイナス面を目立たせなくするために、”より悪いものを見つける”という中国の常とう手段ではないかと思います。実際に、中国の汚染度は、WHO基準の50倍に達しておりますが、インドのニュデリーは、15倍ほどのようにです。
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12月7日の読売サイトを (Unknown)
2015-12-10 04:50:46
 ご覧ください。ニューデリーは地形的に空気が滞留しやすい土地だそうです。
 ついでに、民主主義もユダヤ人がつくった思想ですから裏があります。投票行動に大きな影響を持つ世論もカネで買えます。アメリカの大手マスコミはすべてユダヤ系でしょう?地球温暖化でも、欧米のマスコミが作った世論。真実かどうか、わかりませんよ。それでも、おカネは動きますからね。それが目的かな?
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Unknownさま (kuranishi masako)
2015-12-10 07:32:14
 ご返事をいただきまして、ありがとうございました。
 新聞は、行間を読め、とも申します。本件につきましては、”ニューデリーの大気汚染が酷い”、ということが問題なのではなく、この事実を、敢えて中国側から主張されたことに注目すべきではないかと思います。この点、Unknownさまは、マスメディアの世論誘導に気が付きながら、すっかり誘導されてしまっているのです。国民も、マスメディアの背景には、資金提供者、あるいは、世論誘導機関が存在することを十分承知した上で、情報を吟味すべきと思うのです。
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