甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

T先生と桐の花

2020年07月11日 06時00分52秒 | High School Days

 高三の時の担任の先生と同級生だったということですから、本当だったら86歳におなりなんですけど、残念ながらお亡くなりになったということでした。

 T先生は、古典の先生でした。古文も漢文も、教わったし、あの雰囲気は憶えているんだけど、中身は何も憶えていないです。どうして教わったことをスッカリ忘れてしまえるんだろう。もう恐ろしいくらい忘れています。

 「源氏物語」の桐壷のところ、たぶん、授業で教わった気がするんですけど、文法のことは忘れてしまいました。敬語も身につかなかった。でも、光源氏が母の姿を追い求めていたというのはインプットされたかもしれません。

 お母さんが早くに亡くなったから、源氏さんはあ母さんみたいな人を求めてしまうし、お父さんの桐壷帝がお母さんに似ていたという藤壺女御さんを迎えたら、つい自分もお父さんの彼女の藤壺さんに興味が出たなんて、人間って、怖いというか、そういう情念の生き物なのだと思ったのは確かです。

 文法なんかよりも、物語としての怖さが残りました。それで、勢力の弱い桐壷更衣にみんなが嫌がらせをしたそうで、たとえば、彼女が歩きそうなところに先回りして、トイレ代わりのオマルの中身を廊下にわざとこぼしてたのよ、とか何とか。

 へーっ、宮廷って、トイレないんだ。何か不便。そして、オマルにするなんて、何か微妙。と思ったんじゃないかな。

 高三のクラスメイトは、T先生の「為人(ひととなり)」ということばがずっと残った、というふうに教えてくれました。

 えっ、先生そんな話されてたっけ? 思い出せないけど、倫理的なことも時々は伝えてくださってたのかもしれません。

 教室に生徒たちがチンマリ座っていて、人の海ができていて、そこにポツンと浮かんでいる灯台みたいなのがT先生で、淡々と教材を読み進め、ポイントを抑え、伝えたいことを伝え、時には面白いお話も聞かせてくださる、そういう先生でした。

 生徒は、オマルって不思議と思ったり、ひととなりということばがあるんだと思ったり、それぞれがそれぞれで個々の世界を耕していました。

 高三の時の担任の先生は、高校の同級生でもあったT先生にコンプレックスがあったそうで、ものすごく優秀で、ボクなんかかなわない、という気持ちがあったとか。それがたまたま同じ職場になり、同僚としてやれていて、何年かが経過して、コンプレックスはなくなっただろうけど、相変らず彼女はすごいなとか思ってたでしょうか。

 ボクが憶えているのは、あと1つ、漢文の「三顧の礼」か何かで、劉備玄徳が諸葛孔明を丁重に軍師として迎えるというお話でのことでした。

 当時、なかなか伸び悩んでいた社会党の成田委員長が、ずっと横浜市の市長さんとして頑張っていた飛鳥田一雄さんにお願いして、社会党の委員長になってと要請していたのを例にとって、こういうことがあるんですよ。というのを話してくださったのが記憶にあります。

 そんなに懇願されてたのに、飛鳥田さんが委員長になっても、社会党は伸び悩み、石橋さんとか、いろんな方々が委員長になったと思うんですけど、それから10年くらいして土井たか子さんが委員長になって、ようやく「山が動いた」発言も出たりしたけれど、そのあとの90年代からの30年、日本の政治も来るところまで来てしまいました。社会党は風前の灯火になりました。自民党は富み栄えているのに、社会党が衰退するなんて、栄枯盛衰ってわからないです。村山富市さんが自民党と一緒に政権取ったこと、あれが存在意義を失わせましたね。わからないです。

 世の中は、国際化、グローバルとか言ってたのに、いつの間にか流れが変わり、自国第一主義なるものが生まれ、みんなが自分のことだけを考えさせられ、今もその中にあるけれど、これでトランプさんがズッコケたら、やはり自分さえよければいいというのは間違ってたとなるんですか。そして、バランスを取りながら、不公平もあるかもしれないけど、反省点が見つかれば、それを改めていく、そういう生ぬるいことを淡々とやっていく、ということになるのかな。バイデンさんなら、それができそうな気がします。

 なんていう、社会党の話もしてくださいました。その時はみんな、イマイチピンと来てなかったと思うな。

 ボクも、飛鳥田さんがそんなにすごい人なの? と、あまり信じられなかったし、どこかの市長さんが急に国政レベルに出てきて大丈夫? と不安な気持ちもありましたっけ? 

 「三顧の礼」の時のおはなしでしたっけ。それから、あと1つ、何かの時にふと出てきたのが桐の花のことで、木の花なんて全く興味がなかったボクではありましたが、えっ、ガッコーの中でそんな花が咲いてるって、何か不思議。それを豊臣秀吉さんが自分の家紋にしてるなんて、これまた不思議。世の中には知らないことがたくさんあるもんだと、思って、それから何十年も、桐の花は気を付けて見てきました。

 あまり見るチャンスはないんですけど、見られたら、すぐに高三の時のT先生を思い出します。これはあと何十年か、同じことを言ってる気がします。新しい桐の花の思い出ができたら、リセットされるんだけど、今のところ、そんな思い出が作れそうな気配もありません。

1 黒髪のショートの先生桐の花

2 黒縁のメガネで源氏御所の風

 どうして突然T先生の話なんだろう? よくわかんないですけど。

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