二週間ほど前、二見でハスを見た帰りに、いつも行く古本屋さんに出かけて、本を二冊買いました。どういうわけか柳宗悦(やなぎむねよし)さんで、岩波文庫です。今読んでいる「手仕事の日本」は、阪神が初の日本一になった1985年に初版が出ているようです。どういうところを旅して私のところまでへ来たものか。まあ、そんなことを考えるときりがないですね。
その年の秋には大騒ぎの日本一があったわけですけど、あれからもう何十年も経過していますが、阪神は日本一になりそうな気配が全くないですね。たとえ2位にいたとしてもクライマックスシリーズを勝ち上がれる雰囲気すらないし、何だか寂しいです。
今使われている若手のみなさんたちがしっかり成長して、自分たちがやらねばならないんだと思ってもらったら、いつか日本一に久しぶりになれるかもしれません。
そんなものすごく昔の本です。
私は何を求めているのか?
私も年を取ってきましたから、何か不変のものが追求してみたくなりました。ごくありふれた日常のモノであっても、飽きの来ない手に取りやすい、ちょうどいい感じのモノ、これを求めているみたいです。だから、そういうチャンスを探そうとしている。
ただのヒマツブシのようなこともありますが、文房具にしろ、服であれ、クルマであっても、安くて飽きの来ないシンプルな形を求めている。外れる時もよくありますし、買ったまま眠ってしまうモノだってあります。
でも、理想は、そういうシンプルで自分の好みに合ったモノに囲まれていたい。それは無駄なことだし、あまり建設的ではないし、家がゴミだらけになってしまう可能性だってあるのです。
まあ、理想を求めるということは、そのリスクも引き受ける覚悟でやるということですね。そうなんだろうな。それで、柳さんは? とにかく使命感に燃えて、戦後の日本各地をモノを求めて歩いたそうです。求めるモノは、先ほども書いた通りシンプルな日常のモノです。
欧米の事情にくらべますと、日本ははるかにまだ手仕事に恵まれた国なのを気づきます。各地方にはそれぞれ特色のある品物が今も手で作られつつあります。
たとえば手すきの紙や、手ろくろの焼物などが、日本ほど今も盛んに作り続けられている国は、他にはまれではないかと思われます。
しかし、残念なことに日本では、かえってそういう手の技が大切なものだという反省が生き渡っておりません。それどころか、手仕事などは時代に取り残されたものだという考えが強まってきました。そのため多くは投げやりにしてあります。
……本の中に芹沢鮭介さんの挿し絵が入っていて、これが買おうと思ったきっかけです。
とりあえずここを抜き出しました。他にもたくさん抜き出さないといけないと思っていたところが今はもう見つからなくて、またいつかチャンスを見つけて、取り出します。
気になったのは、古くからある日本の手仕事、実はものすごく大事で、こういうことを今の生活に利用し、大切にすることがどれだけ大事なことか、そういうのを見つけたいと思います。