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三島由紀夫さんの「潮騒」という作品は、かなり乗り遅れました。何度か世の中でブームになった時はあったと思うんですが、純愛みたいなのは、何となく面はゆいような、敬遠したくなる気分があって、しばらく手を出せませんでした。わりとすぐに自発的に買ったくらい、有名だし、当時の値段で100円だし、すぐに買えたはずです。でも、読めてなかった。
私が素直に「潮騒」を広げられるようになったのは、いつのことだったんでしょう。
1973年には近所の本屋さんで買ったみたいだから、中学時代には読んだんでしょうか。それとも、買っただけだったのか……。
1974年に「おんなの子の一番大切なものをあげるわー」(ひと夏の経験)と百恵ちゃんが歌っていて、それはそれなりにドキッとしたはずです。
突然「花の中三トリオ」、どうして話が飛ぶの?
「潮騒」つながりかな? 衝撃的な登場(デビュー曲はもっとおとなしい感じの曲でしたっけ……)から、しばらくしたら、百恵ちゃんは遠ざけるようになりました。足太いし、魅力的ではないのに、みんながもてはやすし、本人もミステリアスに見せようとするし、わざとらしくて嫌になったのかもしれないです。
かわりに、淳子ちゃんの「ようこそここへ、クッククックー」とか、「好きだから帰れない、あなたのもとへー」みたいな、そっちに傾いてた時がありました。(ちっとも三島由紀夫さんと関係ありません。スミマセン)
三島由紀夫さんはどうなりましたか?
結局、淳子ちゃんも、すぐにどうでもよくなってしまうんだから、私のスキなんて、本当にあてにならないです。とにかく「潮騒」でしたね。
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百恵ちゃんは、1975年に「潮騒」という映画にも出てたみたいです。このころはあまり興味がなかったので、そんなのがあったというのもうろ憶えです。そう、母はお相手の三浦友和さんがスキということで、彼が出てたら、ドラマも見ていたけれど、わざわざ映画には行きませんでしたね。
その頃に、やっとどさくさにまぎれて「潮騒」は読んだかもしれません。特に強い印象はありませんでした。上手にまとめてあるし、よくぞそんなところに取材して、彼の理想とする男と女のドラマ、まるで神話の中の二人みたいで、三島さんの価値観みたいなのは感じたんでしょうか。
神話的なシンプルなストーリーだから、何度も映画化されましたし、三島文学へのとっかかりとしてはよかったんでしょうか。
70年代、三島さんはもういないのに、少しずつ三島由紀夫さんが気になり始めていました。新潮社の全集も新聞広告に出ていて、一冊3500円とか、当時の私には法外な値段で、とても買えないのはわかっているんだけど、それでも、少しでもその世界を知りたいと思ったはずでした。
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「金閣寺」は1973年に買いました。これも何度も挫折して、何回かのチャレンジで読み切って、それからもう何十年も読んでいないと思います。
小さい頃から、何となく知っていた金閣寺は、私にとってもあこがれのお寺でした。それが、あるお坊さんによって焼かれてしまい、今あるのは再建されたものであった。
再建されたのは、私なんかが生まれる前で、遠い昔のことではありました。
それを三島さんは物語としてくれた。私はそれを読み、よくはわからないけど、人のこだわりみたいなのは知ることができた。
そして、もう少し三島さんが残してくれたものを知ろうとして、あれこれと進んでいくわけですが、そこに立ちはだかったのは「仮面の告白」で、これを読めた後は、豊饒の海・四部作に進むことができたんでしょう。
それら、三島さんの作品、もう何十年も放置したままです。
あらためて、振り返りたいんですけど、若い頃に壁だった「仮面の告白」を読むべきなのかな。
この秋のテーマにでもしようかな。
それにしても、どうして三島さんなんだろう。何か理由があるのかな。よく分からないですね。また、考えます。