うちの梅は今、花盛りです。私も、写真ばかり撮ってないで、ちゃんとハチたちが来てくれているのか、観察したらいいのに、いかにして撮るかみたいな功名心だけがあって、穏やかに梅の木を眺めるということがありません。
大事なことを見失っていますね。大事なのは、今を楽しむことなのに、今を写真で切り取ったような気持ちになってたりします。
何枚撮ろうが、どんなにいいカメラを持とうとも、心が伴ってないから、ちゃらんぽらんなものしか撮れないのです。
そして、ふと気づいたら、あの枝は花がついてないのに、伸びすぎてるから、梅の実を収穫したら切ってしまおうなんて、「梅切らぬバカ」にならないようにしようだなんて、生意気なことを考えていました。
写真を撮ったら、今度は切る算段だなんて、どこまでも中身がないです。
何もしないで対象に向き合うこと、それは何だか時間のムダみたいな気がしてしまうんだけど、何だかそこに深い何かがあるような気がします。無駄な時間をなくせ! とずっと今まで言われ続けてきて、できたものが私みたいなつまらないオッサンです。
じっくりムダもできないで、やたら焦ってばかりいる。
いや、考えてみれば、実はしなくてはいけないことをしないで、ムダなことをたくさんしてきましたよ。でも、じっくりものに向き合うムダって、したことあるかなあ。それは自信ないですね。つまらないムダだったかな。せっかちな、一つのものにずっととらわれているような、時間を忘れるようなムダって、したことあるかなぁ……。
昨日、平日ですから、お客さんは少ないだろうと、愛知県美術館で「岡本太郎展」を見てきました。やはり、それなりに空いていて、あれこれ見ることができました。それはまた今度書くことにして、名古屋の栄にある美術館まで地下鉄の東山線で二駅しかありません。なのに、たったの数分の乗車時間なのに、信じられない密の空間で、これだけで精神的に疲れてしまったので、帰りは二駅区間を歩きました。
ビル群をまっすぐ西に向かうのは、寒くもあったけれど、歩いているうちに温かくなってきて、ズンズンと歩けました。
名古屋の堀川という運河を渡る時、有名な納屋橋というのはどこかなと見てみたら、それらしいのが見つかったので、そこまで歩く時に、早咲きのサクラがあったので撮りました。ソメイヨシノと比べると、花は小さいし、華やかさはそれほどではありません。もし、これが山里にでもあれば、そして、私が山道を歩いている旅人であったなら、こんな時期にサクラは誰にも知られずに咲くのかと、歌でも詠めそうな感じでしたけれど、都会の早咲きのサクラは、誰にも見られなくて、寒そうで、少しかわいそうでした。
この堀川は、ドブみたいな匂いのする時もありましたけど、昨日見た感じでは、少しマシになっていました。運河沿いに新しい建物もできているし、運河に建物が顔を向けている。川を行き来する船はないけれど、季節になれば、もう少し華やかになるでしょうか。あと少し、公園らしくしてもらわなきゃいけないですね。
しばらくしたら、名古屋駅に着きました。いつも見上げるだけだったナナちゃん人形も見てみようと、ミーハー的な野次馬根性で、ナナちゃんのところにも行きました。
土日だったら、立ち止まることなんてできなかったでしょうね。行きかう人でゴチャゴチャしているから。ここのナナちゃんは、巨大なマネキンで、いつも何かの話題に乗っかった服装をしています。昨日は、季節だから、確定申告しましょうね、という政府広報的なたすきをかけて立っていました。そんな姿でも、こんなにまばらな人通りはめったにないから、記念撮影する若者たちもいました。
私だって、調子に乗って写真を撮りました。ああ、何やってんだろう。それで、すぐに近鉄に飛び乗り、すぐに帰ってきました。お昼は車内でカレーパンを食べてしまい、何だかそのあとずっと胃がおかしくなりました。
「オッサンなのに、そんなもの食べるから!」と奥さんに言われたけれど、学習能力ないですね。すぐに忘れてしまう。何度も何度も失敗しなくては気が済まないみたいです。