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たまたま京都の西のはずれにいました。少しだけ時間がありました。だったら、少し歩いてみようと思いました。雨は降りそうにないし、行けるところまで歩くつもりでした。
少し行けばお寺もあるみたいだし、そちらまで行く、ということにした。地図は持ってなくて、スマホも持ってないし、疲れたら引き返せばいいし、何か見つかるまで歩けばいいんです。
池の水はほとんどなくて、山の方の水が流れているだけでした。わざと水は抜いているのかもしれない。水があると、渡り鳥は来るかもしれないけれど、外来生物が繁殖するかもしれないし、農業用の水なのだから、必要のない時は空っぽにする、というのは賢い管理方法でした。……観光客としては、水がある方が楽しいのですけど、まあ、どっちだっていいです。
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すぐそばで、子どもたちのラグビー教室みたいなのが開かれていて、男の子も女の子も、みんながそれぞれのチームに分かれて基本的な練習のようなゲームをしているみたいでした。
京都は、昔は花園高校、伏見工業、今は? ラグビーが盛んな土地でした。大学も同志社が強い時がありましたもんね。ものすごい昔かな。
今新たに、ラグビー起こしが始まっていて、京都からも旋風が起こるかもしれない。日曜のお昼、ずっと子どもたちはラグビー漬けだったみたいで、小さい時からラグビーに目覚めるなんて、すごいことでした。芝生のグランドだったかな。それは憶えてないけど、できたら、そういうところをたくさん作ってもらえるといいですね。
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畑の中の道をぐるりと歩きました。畑はそれぞれイノシシ・シカよけが付いていて、網で仕切られています。こういうのがないと、もっと昔の京都の郊外という雰囲気のはずです。少し無粋な感じ。とはいうものの、放置していたら食べつくされるだろうし、仕方のない防衛策のようでした。
住宅街を歩いて、大覚寺のうらをぐるりと歩いて、やっと正門にたどり着きました。お寺というよりは、学校というのか、宗教施設というのか、御所施設だという方がいいのでしょうか。何かの役場かなという雰囲気もあります。お城みたいにガードされてもいる感じでした。
前に来たような気持ちになっていたけど、どうやら私は初めて来たようでした。高校三年の遠足は嵐山・嵯峨野で、レンタサイクルで走り回った記憶があります。ここらあたりまで走ったと思っていたけれど、そうではなかった!?
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お寺に入ってみると、宗教くささはなくて、やはり御所の小型版のしつらえになっていました。右近の橘、左近の梅も用意されています。まさしく御所スタイルでした。回廊がめぐられさていて、そこをたどりながら各施設を見せてもらう形になっていた。
建物はそれほど古いものはなくて、あちらこちらから移設したものもあるようでした。
今もそういう形で、天皇家とのつながりのあるお寺のようです。有名な大覚寺統の大覚寺なんですから、お寺というより政治的な意味合いのある施設のようでした。
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お寺を見終わって、大きな道に出るまでの住宅街、これは先ほどの農家みたいなおうちではなくて、高級住宅街になっていました。そして、この派手なクルマ。京の人たちはやることも過激で、突き抜けていました。
何を見たんだろう。嵯峨野の郊外の散歩だったんでしたっけねぇ。