甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

由一とヤマガラ、のちウドン

2017年09月03日 19時29分12秒 | 四国へ海を越えて

 人生初のこんぴらさん、石段が不安でしたが、すでに母から聞いて自分もなんとかいけるだろうという確信がありました。階段の段差がそれほどでもなくて、地道にコツコツ踏み出していれば、いつかはてっぺんまでたどりつけるような気がしていました。

 いやあ、母のひとことというのはたいしたもんです。もっと母からあれこれ聞かなくては!

 そうしたら、その度に安心させてくれるわけですから、もうずっと元気であれこれコメントしてもらわなくてはいけない。

 今、19時半ですけど、もううちの母はフトンに入り、眠りこけているかもしれません。まだ起きているかな。



 こんぴらさんは、明治になってピンチの時もあったらしいです。でも、琴陵(ことおか)某さんという方が上手に神社として独り立ちさせ、高橋由一さんのパトロンになったり、あれやこれや宣伝して、今日の隆盛をもたらしたということです。

 江戸時代までは、海運やらの信仰を集め、坊主も神職も一緒になって信仰を守ってきたと思われます。それが明治の廃仏毀釈の嵐の中で、すばやく神社としてやっていくことに決めて、そのための魅力作りをあれこれと工夫して、鉄道も3路線用意して、高松・丸亀・坂出のどこからでも来られるようにしたようです。観光地作りは仕掛けも大切です。USJやTDLなど、どこも仕掛け作りばかりしている。



 私は、琴電というのに乗りたくて、栗林公園をめぐったあと、そこから琴電に乗りました。ガタゴト各停で進んでいくので、琴電ことひらに着いた時は寝てしまってました。見るに見かねた高校生が起こしてくれて、「あれっ、ここは駅だ。いつの間にか寝てしまってた」と、あわてて駅の外に出ます。

 電車は乗ってるお客を全部出してから、待っているお客さんを乗せる入れ替え制みたいで、私が最後までもたもたしていたせいで、待ってるお客さんはプンプンでした。改札の女性も、何だか憮然とした感じでした。ああ、もっとシャカシャカできたらいいのにね。



 琴電の駅の横には、こんな高い灯籠があって、もうどこからでもこんぴらさんにたどり着けそうな感じです。千客万来かな。

 だいたいの地理はわかっているんですが、どこから山に登ればいいのか、上がり口はどこなのか、南に下がっている象頭山だから、川を渡って南の上り口を見つけなくてはならない。

 お土産屋さんがたくさんあって、今はうどん押しなのか、うどんのお店がたくさんあります。参道のうどんやというよりは、ものすごく積極的な、新たなうどん体験が味わえるような、巨大なうどんやさんです。さすが、うどんが有名なだけはあるけど、たぶん、ここには行かない方がいいのだろうなという気がします。あまりに立派だし、あまりに大げさです。もっと個人的に楽しむものだろうし、そんなに立派な建物は要らない気がします。



 七百いくつの石段を一つずつ積み重ねていきます。お土産さんも楽しいけれど、これがなくならないと、こんぴらさんにはたどり着けない。早くお店のつきるところまで行かなくてはなりません。



 二百段くらいだったか、山門がやっと見えて、いよいよここからは神社の境内になるわけです。あと何段あるのか、とりあえず大変だけど、なんとかいけそうな感じです。



 境内に入って何段目か、いつくか区切りがあって、休憩させてくれるんですが、その休憩スペースで変なオジサンがいました。手元にトリを集めているようでした。じっと見ていると、それはヤマガラというトリでした。



 ヤマガラはおじさんのてのひらのヒマワリの種をもらっているようでした。一羽ずつおじさんの手の上に載り、一粒ずつもらっていきます。独り占めはしなくて、一つもらったらすぐに退いていきます。すると、次のがやってくる。実に賢く、争わず、仲良くおじさんが提供したタネをもらっていくようでした。

 私がもの欲しそうに見ていたからか、おじさんは手を出してと言います。えっ、ホント?

 という間もなく、私のてのひらにもヤマガラくんたちは来ます。一羽ずつ、一つずつ、賢そうに食べていきます。ケンカなんかしないし、順序よく行ったり来たりします。どうしてこんな行動がとれるのか、不思議だけれど、長年おじさんと築いた関係で、トリたちは賢くふるまっていた。

 闖入者(ちんにゅうしゃ)の私こそおっかなびっくりで、これでいいのとおどおどしている。でも、ヤマガラくんたちは、おじさんのときと同じようにやってきます。ただ、やってきたはいいものの、口にしたタネが気に入らないと、それを下に落としてしまいます。軽すぎたり、いい感触のないものは捨ててしまう。とりあえず今、立派なタネをもらって、それを口に入れようとしているみたいでした。たくさんのトリたちが来ますが、みんな気に入らないタネは落としています。選り好みをしているようです。

 ああ、感心した。賢いなあ。こんなに小さなトリだけど、おいしいものは当然わかるし、私みたいな小さなオッサンでも、タネを持っていたら、これはボクたちに提供しているみたいだ。変な動きをしたら逃げたらいいやと、どんどん飛び込んできました。

 そうした彼らの度胸の良さと小ささに感心した私は、おじさんに感謝のことばを述べ、てっぺんまで行きますと、言い残したら、あと少しのところを登っていくのでした。 


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