「カゴシマのしょう油は甘いんですか?」
仕事場の同僚の方から質問されました。
「ハイ、甘いと思います。うちの母などは、わざわざカゴシマから取り寄せて使っています。」
「ああ、そうですか。特別甘いんですね。」
「ハイ、うちの奥さんなんかは、砂糖じゃなくて人工甘味料を使ってるからって、あまりよくは言ってないです。ちゃんと砂糖を使っているしょう油もあると思いますけど、たまたま大阪の実家にあるのは人工甘味料が使われています。」
よりによって、味オンチの私に食べ物のことを質問してくださるなんて、気をつかってカゴシマのことを訊いてくれたんですね。
「かしわめしってあるでしょ。スーパーとかで売っているものがあるでしょ。冷めてもおいしいし、独特の甘さがありますね。」
この方は、全国からお取り寄せをして、自分の好きな味というのを追求されている方です。北海道やら、横浜やら、お取り寄せしたお菓子など何度もいただいたことがありました。
「かしわって、鶏のももとかの肉をご飯にまぶしたものです。」
「そういうのがあるんですね。フーン」
よくわからないから、検索してみたら、北九州の折尾のかしわめしが出てきました。駅弁とかでもあるんでしょうか。
これは、ひょっとしてうちの奥さんがたまに作ってくれるとりそぼろ弁当みたいなものかな? こういうのをスーパーでは、九州物産展と銘打ってお客さんを呼び寄せようという作戦がありましたね。
なあんだ、とりそぼろ弁当が「かしわめし」なのか……。もっとゴロッと鶏肉が入っているのかと思っていました。確かに、とりそぼろは甘みがないとおいしくないのかもしれない。でも、うちにはカゴシマのしょう油はないし、砂糖やみりんで味付けしたものなんでしょう。
前の日にたまたまテレビで松阪とり焼肉を取り上げたローカル放送も見ていたので、頭はトリ焼肉も半分あったようです。でも、松阪はみそだれで、炭火焼したものをササッとつけて食べる味でした。食べてないのに、炭で焼かれた鶏肉の匂いがするような、そんな気分でした。
せっかくだから、カゴシマのしょう油も検索してみたけれど、どんな甘味料が使われているかは検索だけではすぐにはわかりませんでした。
私は、どちらかというと、カゴシマのしょう油は好きではありませんでした。清涼飲料水でも、人工甘味料が使われていると、何だか信用できないような、幻惑するような甘さで、こんなの飲んでおいしいなんて言ってはダメだとか、思ってましたっけ。
ああ、せっかく質問してもらっても、しょう油は変に甘いというのと、自分は好きではないということくらいしか伝えられなかった。何てことだろう。
カゴシマの悪口ばかり言っている。本当は違った味かあると思うんだけど、もっとナチュラルなものがあるはずなんだけど、私はわかっていません。
なのに、奥さんの「とりそぼろ弁当」は好きなんだけど、パラパラこぼれてくから、きれいには食べられないですね。おしゃれに生きていきたいのに、いつもドッチラケで生きてるよなあ。