もう40年くらい前の大河ドラマ「新平家物語」。主役は仲代達矢さんでした。清盛の晩年を演じるために仲代さんはかつらじゃなくて、頭をそり上げて出家した清盛を演じておられました。
ですから、私の清盛のイメージは、仲代さんでした。しっかりと前を見て、家族を大事にし、少しだけ女の人に浮気したりしながら、正妻の中村玉緒さんの言うことを聞きながらやっていく人でした。
最近、大河ドラマで平清盛を取り上げたことがありましたが、私はほとんど見ませんでした。たくさんの名場面があるので、それを現代ではどのように映像化するのか、腕の見せ所となるはずですが、それよりなにより、ドラマを見続ける根気が私にはないので、私はもうテレビドラマから遠い人になってしまいました。
人とドラマの話をすることもありません。まわりの人もあまりドラマを見ていないようです。何だかそれもよくない傾向ですね。お風呂屋さんがカラッポになるとか、みんなが朝そのドラマを見て元気になるとか、そういうのがあった方が、社会としては楽しいと思います。
私はこれからどんどん老人になるので、こんな私でもついつい見てしまうテレビ番組、見つかるとうれしいです。あまり期待はできませんけど、できればそういうのを作って欲しいです。
「新平家物語」の中で、清盛一族から最終的にはのけものにされる弟の頼盛(よりもり)は山本学さん。末っ子の忠度(ただのり)は中尾彬さんでした。2人とも好きな俳優さんで、仲良しの平家なのに、どうして頼盛さん一家はのけものにされるのか、そして、若き忠度さんは、歌を作るのが好きなのに、どうして一ノ谷の合戦で死んでしまうのか、悲しいものがありました。
そうでした。一ノ谷では平家の公達の敦盛さんも亡くなってしまいますが、それは中村勘九郎さんがやっておられました。何だか古き良き時代の香りがしますね。
◇ 次の空欄に適当な言葉を選び、昔の人の言葉を完成しなさい。
11 世の中に絶えて桜のなかりせば春の心は( )からまし……在原業平(ありわらのなりひら)
訳 もしこの世の中に全く桜がなかったなら、春の人の心はどんなにかのどかであろうに。
12 秋来(き)ぬと目には( )に見えねども風の音にぞおどろかれぬる……藤原敏行(ふじわらのとしゆき)
訳 秋が来たと目にははっきり見えないけれど、風の音にその訪れを気づかされたことだ。
13 この世をば我が世とぞ思ふ( )のかけたることも無しと思へば……藤原道長(ふじわらのみちなが)
訳 この世を私の時代と思っている。あの満月の欠けたところのない完全な様子と同じもののように。
14 ( )や志賀(しが)の都は荒れにしを昔ながらの山桜(やまざくら)かな……平忠度(たいらのただのり)
訳 志賀はその昔都だったところだが、今はもう荒れ果ててしまっているけれど、昔を忘れずに山桜は咲いている。
[語群] ア・近江(おうみ) イ・十六夜(いざよい) ウ・十五夜
エ・望月(もちづき) オ・きりり カ・さざ波
キ・やさし ク・のどけ コ・さやか
[ヒント]
11・奈良時代の花は「梅」。ところが平安時代に入ると急速に「桜」になるのです。それが平安時代の感性だったのかもしれないです。
12・光は弱まっているのに、視覚では感じられない。ところが聴覚では感じると歌うこのうた。本当に夏の終わり、甲子園の決勝のあたり、ものすごく暑いのに、夕方とか、チラッとさびしさがただようあたり、あの時に風は秋を伝えてくれているんでしょうね。それをつかまなきゃ!
13・藤原道長が満ち足りた自分の人生を歌ったものとされています。しかし、彼は病気持ちだったそうです。糖尿病、白内障(はくないしょう)、心臓発作、神経症、最後には背中に巨大なデキモノができたらしいです。
彼の栄光を讃(たた)えるべきか、病弱をあわれむべきか、それとも、そうした苦しみをあっさり乗り越え、何かの業績を残した人を「英雄」と呼んでいるのでしょうか?
14・清盛が亡くなり、源頼朝(みなもとのよりとも)の送る軍勢に追われて都落ちする平家の面々。一人馬を返して『千載集(せんざいしゅう)』の撰者(せんじゃ)の藤原俊成(しゅんぜい)に歌を託す男、そのひとが平忠度でした。人の都は滅びますが、桜は時期が来ればいつものように咲く。「山桜」は武骨なイメージで、実直で素朴な感じです。
[答え]……11・ク 12・コ 13・エ 14・カ
ですから、私の清盛のイメージは、仲代さんでした。しっかりと前を見て、家族を大事にし、少しだけ女の人に浮気したりしながら、正妻の中村玉緒さんの言うことを聞きながらやっていく人でした。
最近、大河ドラマで平清盛を取り上げたことがありましたが、私はほとんど見ませんでした。たくさんの名場面があるので、それを現代ではどのように映像化するのか、腕の見せ所となるはずですが、それよりなにより、ドラマを見続ける根気が私にはないので、私はもうテレビドラマから遠い人になってしまいました。
人とドラマの話をすることもありません。まわりの人もあまりドラマを見ていないようです。何だかそれもよくない傾向ですね。お風呂屋さんがカラッポになるとか、みんなが朝そのドラマを見て元気になるとか、そういうのがあった方が、社会としては楽しいと思います。
私はこれからどんどん老人になるので、こんな私でもついつい見てしまうテレビ番組、見つかるとうれしいです。あまり期待はできませんけど、できればそういうのを作って欲しいです。
「新平家物語」の中で、清盛一族から最終的にはのけものにされる弟の頼盛(よりもり)は山本学さん。末っ子の忠度(ただのり)は中尾彬さんでした。2人とも好きな俳優さんで、仲良しの平家なのに、どうして頼盛さん一家はのけものにされるのか、そして、若き忠度さんは、歌を作るのが好きなのに、どうして一ノ谷の合戦で死んでしまうのか、悲しいものがありました。
そうでした。一ノ谷では平家の公達の敦盛さんも亡くなってしまいますが、それは中村勘九郎さんがやっておられました。何だか古き良き時代の香りがしますね。
◇ 次の空欄に適当な言葉を選び、昔の人の言葉を完成しなさい。
11 世の中に絶えて桜のなかりせば春の心は( )からまし……在原業平(ありわらのなりひら)
訳 もしこの世の中に全く桜がなかったなら、春の人の心はどんなにかのどかであろうに。
12 秋来(き)ぬと目には( )に見えねども風の音にぞおどろかれぬる……藤原敏行(ふじわらのとしゆき)
訳 秋が来たと目にははっきり見えないけれど、風の音にその訪れを気づかされたことだ。
13 この世をば我が世とぞ思ふ( )のかけたることも無しと思へば……藤原道長(ふじわらのみちなが)
訳 この世を私の時代と思っている。あの満月の欠けたところのない完全な様子と同じもののように。
14 ( )や志賀(しが)の都は荒れにしを昔ながらの山桜(やまざくら)かな……平忠度(たいらのただのり)
訳 志賀はその昔都だったところだが、今はもう荒れ果ててしまっているけれど、昔を忘れずに山桜は咲いている。
[語群] ア・近江(おうみ) イ・十六夜(いざよい) ウ・十五夜
エ・望月(もちづき) オ・きりり カ・さざ波
キ・やさし ク・のどけ コ・さやか
[ヒント]
11・奈良時代の花は「梅」。ところが平安時代に入ると急速に「桜」になるのです。それが平安時代の感性だったのかもしれないです。
12・光は弱まっているのに、視覚では感じられない。ところが聴覚では感じると歌うこのうた。本当に夏の終わり、甲子園の決勝のあたり、ものすごく暑いのに、夕方とか、チラッとさびしさがただようあたり、あの時に風は秋を伝えてくれているんでしょうね。それをつかまなきゃ!
13・藤原道長が満ち足りた自分の人生を歌ったものとされています。しかし、彼は病気持ちだったそうです。糖尿病、白内障(はくないしょう)、心臓発作、神経症、最後には背中に巨大なデキモノができたらしいです。
彼の栄光を讃(たた)えるべきか、病弱をあわれむべきか、それとも、そうした苦しみをあっさり乗り越え、何かの業績を残した人を「英雄」と呼んでいるのでしょうか?
14・清盛が亡くなり、源頼朝(みなもとのよりとも)の送る軍勢に追われて都落ちする平家の面々。一人馬を返して『千載集(せんざいしゅう)』の撰者(せんじゃ)の藤原俊成(しゅんぜい)に歌を託す男、そのひとが平忠度でした。人の都は滅びますが、桜は時期が来ればいつものように咲く。「山桜」は武骨なイメージで、実直で素朴な感じです。
[答え]……11・ク 12・コ 13・エ 14・カ