近所の農業公園に行って、いつものようにイングリッシュガーデンなるところへ行きました。バラのシーズンは終わっていたし、朝も夜も雨でしたので、台風四号もやって来るからか、お客さんは誰もいませんでした。
私たちの思うつぼでした。
私たちは、ゴキブリのように、人がいない時にゴソゴソ動いて、自分たちの気に入ったものを見つけてくる習性です。人がいないからバラも自分たちで独占しました。前に来た時はもうお客さんがあちらこちらから来ている感じで、それでウンザリしてバラどころではありませんでした。
誰もいないバラ園は、それこそバラの香りがほのかにして、こんなに香っているよ、と奥さんに訴えたら、時間差で奥さんも匂って来たみたいで、それでホッとして二人で楽しみました。
彼女は、バラの咲き方にも興味があるらしく、「こういうのは珍しい」「これは好き」なんて教えてくれます。残念ながら、私にはバラはたくさんで咲いていると、それを見ようという気持ちが起きないようで、「ああ、バラだなあ」と見ているだけでした。
そんな私も、空にクッと一筋伸びたバラに心惹かれる時もあるんですけど、あまりに多いと、気持ちが散ってしまいます。残念でしたね。
表紙にも載せたリュウゼツラン、数十年に一回咲くというサボテンの花です。この公園では八年前に一度咲いたということでした。それが八年ぶりに花をつけた。これはサービスのし過ぎだけど、花にも事情があるんでしょう。咲かねばならない何かがあったみたいです。
下の方のとんがった細長い葉の茂みから、突然一本の茎が出てきて、たくさんの手を出してそこに花をつけていました。不安定な形ではあるので、強風などがあれば折れてしまうこともある、ということでしたし、その時は台風四号がどれくらいのものか分からなかったので、折角の花も折れはしないかなと、不安になったものでした。
リュウゼツランというのは、作業している職員さんに教えてもらったことで、八年前に咲いたというのも教わりました。残念ながら、その時は私たちは何も知りませんでした。すぐ近くにあるのに、そんなことが起きていたなんて、それはずっとそばにいてあげた人がコメントできることでした。
職員さんも、私たちがあまりに珍しくて騒いでいたし、お客さんは他にはいなかったから、ついつい教えてあげようという気になったのかもしれません。
たまたま波長が合いましたね。こういう機微って大事です。それがうまくつかめると、人との関係ってうまくいくんでしょうね。私はいいオッチャンなのに、機微は上手くありません。オッカナビックリでやってるせいですか? いや、怠け者だから、進んで人との関係をどうこうするということがないんでしょう。ダメですけど、まあそんなところです。
そして、大きな芙蓉の花。パラボラアンテナがいくつも開いていて、これはキャッチーな感じでした。私なんかは簡単に吸い寄せられました。でも、うちの奥さんは味わいがないからか、どこにでもある花なのか、素通りでした。
こんなに立派で、きれいな赤なのに、違う色もあったけれど、彼女の心にはまるで引っかからなかった。
そんなこんなで、しずかな公園のお庭を出て、家に帰ったら、それからはずっと雨でした。それは、土曜日でしたか、とにかく何日か前でした。
そして、昨日は? はい、睡魔に負けて寝てしまいました。ああ、ザンネンでした。