駅に着きました。少しだけ高台にあるプラットホームです。南西の方角から電車はやって来ます。そして北へと向かって行く。
私は、南側に向かっています。そっちの方に家があります。まだまだ遠いところにあります。ヨタヨタ歩いてきたから、もう何十分過ごしたことでしょう。クルマだったら家についてるかもしれない(ということはないですね、夕方でした)。
電車の来る気配はありません。次の電車は何時なんだろう。そういう掲示板もなかったから、まあ、たぶん、そのうち来るのだろうと思っていました。あまりに時間が遅すぎて、調べていた電車はとっくの昔に出ていました。
夕暮れていきます。雨は降ってはいません。雪は降りそうだけれど、この時はまだでした。でも、日中は降ってたりしたし、太陽光線も差しているのに、雪も待っていたりしました。お天気雨ならぬお天気雪もありました。
雲は東へ流されていきます。
「あれ、さっき撮った雲は、何かの形に似ている。」どんどん流される雲は、まるで何かのように静かに移動していきます。
「まるで、かいじゅうみたいだな」とひとりで思い、写真に撮ってみました。
火を吐くかいじゅうに見えないこともないです。それに、昔こういうシーンを見た記憶もありました。でも、あれはもっと明るかったけれど、こんな夕方に暴れていたら、私たちはどこへ避難したらいいんだろう。もっと遠くに逃げる方法は? 電車もつぶされちゃいますね。
「怪獣のバラード」という短い合唱曲がありました。私は、割と好きでした。その歌の後半部分、「海が見たい、人を愛したい、かいじゅうにも、心があるのさ」というところも、今さらながら好きです。
怪獣でなくても、海を見たり、人に触れ合ったりしたら、何となく救われる部分がありますね。いや、そういうのがなければ、逆に生きていけない気もする。
かいじゅうは、だんだん姿を変えて、東へ去っていきました。私は、近くの駅から雪まみれになって帰らなくてはならなかった。
それは大変だったけれど、お風呂から上がったら、すぐに寝てしまうくらい疲れたけれど、でも、今思うと、楽しかったし、「出かけよう」という気持ちはあります。
それなのに、今日は、今もすごい風で、各地では冬の嵐が吹き荒れています。仕方がないから、タイヤ交換してもらいに行きましょう。そしたら、クルマで出かけられるかなあ。どうかなあ。私はグータラですから、安心できないです。気を許すとグダグダになってしまう。