「ウルトラセブンが音楽を教えてくれた」(青山 通 2013)を100ページまで読みました。かなり一生懸命読みました。よくぞそこまで読めたものだ。今日がんばったら、あと半分くらいだから読めてしまうかもしれない。
それにしても、筆者の執念というのか、「ウルトラセブン」の最終回の音楽を求めて、何年越しでずっとチャンスを求め、再放送を見て、音楽をカセットに録音して何度も聞いてみたり、その演奏時間を克明にメモしたり、執念でたどり着くまで読ませてもらいました。
シューマンにたどり着いても、聞いた音楽にはなかなか達しなかったなんて、そういうことって、たまにあるんだけど、それをとことん求め続けた人だけが手にすることのできる達成感みたいなのがあったんです。
今から半世紀以上前、「ウルトラセブン」という子ども向けの番組がありました。日曜の7時からのTBS系列の番組です。
当時は私は大阪のクソガキでしたので、朝日放送の6チャンネルで見たんだと思います。現在のようにTBSと毎日放送(MBS)、NET(テレビ朝日)と朝日放送というつながりになったのは1975年だったそうで、それ以後はその流れになりましたけど、必死になってウルトラ番組を見ていた頃は、朝日放送で見ていたようです。
49回まで番組が作られ、私たちは毎回セブンの活躍を楽しみにしていたはずでした。
でも、私は最初にオンエアされたとき、最後の方はあまり熱心な視聴者ではなくなっていました。
というか、父が「アップダウンクイズ」(毎日放送)のファンで、小池アナウンサーの司会や、参加者のアップダウンに一喜一憂したかったから、見られない時があったんです。
それに、変てこな宇宙人とか、わけのわからないストーリーで、理解不能に陥ってしまったり、そんなこんなで一回目の放送の時には、最後の方はろくに見ていなかったんです。
何度も再放送され、見るチャンスはあったはずなんだけど、自分も年をとって行くし、今さらウルトラ番組だなんて、という気負いもあったのかもしれません。
私が、セブンを見失っていた頃、青山さんは、最終回でクラシック音楽に目覚めたというのです。
宇宙人であるモロボシ・ダン(ウルトラセブンに変身する主役です)が地球での戦いのせいで満身創痍になっていた。これ以上戦えなくなっていた時、いつもだったら簡単に倒せた怪獣に立ち向かえなくなっていた。セブンの上司というM78星雲から派遣されてきた人からも、「もうセブンに変身してはならない。もう今の体では無理なのだ」と言われたにもかかわらず、ダンは、アンヌの目の前で、「これが最後の戦いだ」と宣言して、変身し、フラフラになって怪獣と戦うのです。
その変身の瞬間に、シューマンのピアノ協奏曲が流れたというのです。ものすごく感動的だし、青山さんの耳に残り、彼の人生を決めてしまうものになったのだと思われます。
残念ながら、私は「セブン」の流れから離れて、遠いところでフラフラしていた。
だから、後から、いろんな人たちに勧められて、ふたたびセブン返りをするわけで、遅れてきたフォロワーでした。
だから、放送終了後の50数年経っても、その時に追えなかったセブンを後追いしている。今もNHK-BSで放送されているので、毎週録画して見させてもらっている。もう今さらなんですけど、でも追いかけている。
そして、今度はシューマンのピアノ協奏曲も買おうかなとか思ってしまっています。
まあ、物事は始めるのに遅い早いはないのだから、思い立ったが吉日なんだし、オッチャンになっても、おもしろいのであれば、せいぜい追いかけてみればいいや、というところなんです。
さあ、もう寝転んで、本を読もうと思います。