甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

あ、私の祖父も行く。……子母澤寛さん

2021年09月13日 21時20分35秒 | 本読んであれこれ

 葉室麟さんのエッセイからの抜き書きです。

 そして、どうしてうちに子母澤寛さんの本がないのか、とても悔やまれます。というか、そんなの必要ないや、なんて思ってたんですから。

 新潮文庫で三冊か、いつ見ても出てるし、本屋さんでも見かけたんだけど、でも、全く興味がありませんでした。そして、新選組も全く興味がありませんでした。ただの成り上がりもので田舎侍で、自分には関係のない世界だと思ってました。

 (だったら、何が関係があるのかというと、愛知県の三英傑とか、幕末の人たちとか、歴史的に有名な人のあとを追いたかったんですね。何しろ、この人たちがどんなだったかなんて、まるで知らなかったですから。ただの歴史ミーハーであって、剣に命を懸けた人たちって、わからなかったですね)

 葉室麟さんが子母澤寛さんを取り上げていました。

 新撰組を書こうとする小説家にとって子母澤寛の「新選組始末記」に始まる新選組を三部作はバイブルだと言っていい。

 子母澤寛は明治二十五年、北海道厚田郡厚田村に生まれた。両親とは縁が薄く祖父母に育てられた。

 祖父の梅谷十次郎(通称斎藤鉄五郎)は幕臣で幕末、彰義隊に身を投じ、敗れると北海道に走って五稜郭の戦いに加わった。五稜郭が新政府軍によって攻め落とされた後は北海道に入植したという。

 子母澤は上京して大学を卒業後、新聞記者となり、京の壬生など新撰組ゆかりの地を訪ね歩いた。

 子母澤寛さんは、新聞記者から小説家になったんですね。今さら知りましたけど、あの本たち、いつかどこかで出会うチャンスあるかなあ。新撰組って、私はまだまだ知らないし、まだまだ読んでない世界でしたね。


 当時、まだ生きていた新撰組を知る故老たちに話を聞いて史実と巷説(こうせつ、ちまたに流布する話)を構成し、新撰組の隊士たちの物語を描いたのだ。

 独特な語り口は、いわゆるオーラル・ヒストリーであり、口承文芸に通じるところがある。

 祖父が彰義隊として上野戦争で敗れ、北海道に行く顛末を描いた「蝦夷物語――或る二人の敗走者――」では彰義隊が敗走するくだりで、突如、一行開けて、

 あ、私の祖父も行く。血刀(ちがたな)を下げたままだ。どうして、早くあの刀を鞘へ納め、も少し目立たぬようにしないのか。

 という一文が入る。あたかも著者が現場で目撃しているかのようだ。
 肉親ならではの文章だ。さらに、祖父の言葉が語られる。

 引用ばかりで申し訳ないですけど、なかなかおじいさんのことばがいいですから、孫引きですけど(大学だったら失格です!)、書きますね。



 上方の奴らと戦さをしたって、勝てッこのないことははじめから明らかだ、それを覚悟で、命を投げ出しているのは、そやつらに、人間の恩というものがどういうものかそれを知らせるためなんだ、それがわかれば武士(さむらい)の道というものが解るだろう。

 今の世のなか、すべてが損得勘定で判断されてしまいがちだけど、そうではない価値観、どこかで生きてないかなあ。

 そうなんですよ。損得だけでない、誰か自分の守るべきもののために、必死になって戦うって、大事なことですね。

 もちろん、私はたいていの場面で戦いたくないけど、戦争はイヤだし、思想教育・精神教育なんて大キライなんですが、大事なものは守りたいです。でも、何が大事? そうですね。のんびりできること? そんなことが大事? わかんなくなってくるなあ。

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