7月末、一番最初に鳴き出すのはよそのオウチのセミでしたけど、うちのセミたちはまだ起きていないようです。
今は5時23分です。くもり空が見えています。奥さんは散歩に出かけました。私はパスしました。彼女はあまり眠れなかったということでしたが、決めたことをしっかり実行する人だから、30分きっかり歩いてくるんでしょう。
昨日、宮沢賢治学会というのに参加しました。ネットで参加したんですけど、何回目になるのかな。こうして参加していたら、またそのうちに盛岡で実施されることもあるだろうから、そこに電車で参加しに行こうと思います。
そして、折角参加したら、ずっと寝てしまったり、ろくでもないことを繰り返すことでしょう。大事な会議であろうとも、私は「あれ、寝てた?」というのがあるみたいです。
クルマの運転ではそういうことはないから、それはいいんだけど、会議は確信犯ですね。ああ、寝ていないかもしれないけど、眠くはなっている、というのはあるみたいです。そして、実は寝ているのかもしれない。そういう波を何度か乗り越えて、会議を乗り切るんでしょう。そして、全く内容は憶えていない、なんてね。とんでもないなあ。
私は会議なんて出るべきではないです。
なのに、昨日は会議に出ました。
昨日は、立教大学の博士号を持った職員さんで、若き研究者の筒井さんという女性でした。お話の内容は、社会学的なアプローチで見た宮沢賢治さんということでした。
農学校を出てからの賢治さんがブラブラしていた時期、花巻の農学校の教師の時代、羅須地人協会のころ、東北採石場の広報を担当した晩年のころ、それぞれの時代に、賢治さんがどんなふうに社会・人と関わり合ったかをたどった研究のエッセンスを聞かせてもらいました。
私みたいな、オッサンになってから賢治さんを追いかけ始めた人間には新鮮ではあったけれど、人との関わりがどんなであったか、それが作品にどのように影響しているか、そういうのを研究されてる方のようでした。
最近は少し賢治さんから遠ざかっておられるという話で、他のことも研究しないとやっていけない現場におられるみたいでした。
確かに、宮沢賢治という人を研究して、それでお金になるか、今の時代に求められているかというと、それは少し微妙ですよね。もっと直接的な利益になることを研究しないと、大学も生き残れないし、学生も集まらないでしょう。
好きなことを究めたい、というのはいろんな人の持つ希望ではあるけれど、それがお金になるかどうかの基準でいくと、お金にならない場合が多いです。となると、好きなことを宣伝して、いろんな人に分かってもらって、価値を見つけてもらわないと、人に伝わらないと、ダメなわけですね。
独りよがりではダメなんだ。
今日は、なんとなく、くもりのような気がします。そして、ムッと暑いんでしょう。とりあえずどこかへ避暑に出ないといけないです。
エアコンに閉じこもっていてはいけない。
そう、昨日のお話で、賢治さんは世の中を変えようとしていた、そういう最終目的があるから、いろんな活動をしたというのです。
童話作りも、石灰のセールスも、地域の芸術振興活動も、農学校での生徒の指導も、浄土真宗を信仰する父親に「お題目」と法華経を大切と話し、最終的にはそのお父さんが改宗したことも、すべて賢治さんの社会を変えようという大目的のための活動の一端であった。それには山梨県から来た保阪嘉内という友人との関わりも大事であった。
そういうふうにとらえ直したらいいんですね。
社会と自分との関わりかあ。
私は、世の中を変えようなんていう大それたことは思いもしませんでした。私は、世の中に自分を受け入れてもらいたいと思ってずっとやってきたように思います。
大学生のころまでは、社会とどのように関わろうなんて考えてなかった(高校に入りたてのころは、将来は政治家として世の中を好きなようにしてみようとかいう悪魔的な妄想もありましたけど、すぐにポシャリました!)。
ただ自分の面白さと知りたさを求め、そして、四年になって社会と関わろうとしたけど、なかなか受け入れてもらえなかった。
スタートがそうであったので、とにかく自分を受け入れてもらえることが大切だとやってきて、今も同じで、まわりの空気になじむのだけが大事で、それと自分の好きなことは別物で、外ではなじむこと、内では好きなことと使い分けてきました。内と外とは切れていました。
社会と関わること、社会を変えること、人にとって大きなテーマです。
賢治さんは、ずっと変えようとした。私は関わろうとした。昨日の先生は好きなことと社会とのはざまにいるような気がしました。でも、賢治学会に参加して、どこかの大学に誘われる可能性も出てくるし、新しいテーマが見つかるかもしれないです。
自分とソト、どんな風に関わればいいんでしょう。ウチのセミ、元気になってきました。5:57am、くもり空です。奥さんは散歩から帰ってきません。