昨日と今日、三重県のとある図書館では廃棄本リサイクルの行事が行われるはずでした。でも、今日はありません。何しろ廃棄本のほとんどは最初の10分くらいでなくなってしまったからです。仕方のないこととはいえ、公に発表したスケジュールを大切にするのであれば、考えなくてはいけないですし、住民のみなさんの要求を大切にするのであれば、今のままでいくしかないでしょう。
廃棄本リサイクルは、10時の開館と同時に行われることになっていました。自分たちは少し遅れて10時3分くらいに到着しました。図書館の前が駐車場になっているので、止めようとするのですが、すでに両手に本を入れた袋をさげたおばあさんが1人、2人と出てきていました。まだ開始されて3分くらいなのに、それくらいで本選びが済んだというのでしょうか。何か変な雰囲気でした。
入ってすぐのところに人だかりができていました。そちらを避けて右手の机の方へ行くと、どの机にも何もありませんでした。さらに奥には週刊誌の山がありましたが、そちらにはあまり興味はないし、週刊誌を読むという習慣を持たないので、もしそれらを与えられたとしても、まともに読むことはできないので、仕方なしに人だかりの方へ回ってみようとしました。
そうでした。私の目的は、知らないような歴史の本とか、紀行本とか、薄くて小さい本が目的でした。それがあるかなとのぞいてみました。人だかりはどんどん動いていて、次から次と机の上のものはなくなっているようでした。人だかり越しにのぞいてみると、あまり自分の興味のある本はないようで、ここら辺でもう完全に諦めていて、しらけた気持ちになっていました。どうしてみんなこんなにまでして本を持ち去ろうとするのだろうと、情けない気持ちが広がっていました。
ふと振り返ると、入るときにはあった時刻表の束も、束ねていたひもだけが残されて、1冊千円の時刻表バックナンバーは何も残っていませんでした。古書店で時刻表を取り扱っているところがあって、1冊数百円程度になるのかもしれません。どうしてそんな古い時刻表が欲しいのか、欲しい人の気持ちがわかりませんが、それを見越して持ち去ったのでしようか。これはリサイクルじゃなくて、サバイバルでした。どれくらい生きるために本を持ち去れるかどうか、どれだけお金に換金することができるかどうか……だったのかもしれません。
私は、とてもそういう世界では生き残れなくて、あれっと見つけた本は、森新也さんの「メメント・モリ(死を思え)」で、写真とことばが入っていましたが、写真も装本もイマイチで、折角1冊見つけたけれど、手放してしまいました。たぶん、そのあとにだれかにかっさらわれていったことでしよう。
ものすごい行事でした。よその図書館では入場制限や、整理券、冊数制限などをして、公平を期しているところもあるようです。でも、こちらは無秩序で欲望全開でした。何だか残念でした。
廃棄本リサイクルは、10時の開館と同時に行われることになっていました。自分たちは少し遅れて10時3分くらいに到着しました。図書館の前が駐車場になっているので、止めようとするのですが、すでに両手に本を入れた袋をさげたおばあさんが1人、2人と出てきていました。まだ開始されて3分くらいなのに、それくらいで本選びが済んだというのでしょうか。何か変な雰囲気でした。
入ってすぐのところに人だかりができていました。そちらを避けて右手の机の方へ行くと、どの机にも何もありませんでした。さらに奥には週刊誌の山がありましたが、そちらにはあまり興味はないし、週刊誌を読むという習慣を持たないので、もしそれらを与えられたとしても、まともに読むことはできないので、仕方なしに人だかりの方へ回ってみようとしました。
そうでした。私の目的は、知らないような歴史の本とか、紀行本とか、薄くて小さい本が目的でした。それがあるかなとのぞいてみました。人だかりはどんどん動いていて、次から次と机の上のものはなくなっているようでした。人だかり越しにのぞいてみると、あまり自分の興味のある本はないようで、ここら辺でもう完全に諦めていて、しらけた気持ちになっていました。どうしてみんなこんなにまでして本を持ち去ろうとするのだろうと、情けない気持ちが広がっていました。
ふと振り返ると、入るときにはあった時刻表の束も、束ねていたひもだけが残されて、1冊千円の時刻表バックナンバーは何も残っていませんでした。古書店で時刻表を取り扱っているところがあって、1冊数百円程度になるのかもしれません。どうしてそんな古い時刻表が欲しいのか、欲しい人の気持ちがわかりませんが、それを見越して持ち去ったのでしようか。これはリサイクルじゃなくて、サバイバルでした。どれくらい生きるために本を持ち去れるかどうか、どれだけお金に換金することができるかどうか……だったのかもしれません。
私は、とてもそういう世界では生き残れなくて、あれっと見つけた本は、森新也さんの「メメント・モリ(死を思え)」で、写真とことばが入っていましたが、写真も装本もイマイチで、折角1冊見つけたけれど、手放してしまいました。たぶん、そのあとにだれかにかっさらわれていったことでしよう。
ものすごい行事でした。よその図書館では入場制限や、整理券、冊数制限などをして、公平を期しているところもあるようです。でも、こちらは無秩序で欲望全開でした。何だか残念でした。