とことこ走るチドリです。本当は飛べるんだけど、食べられるものを探して、砂浜をこうして歩くんです。風は気持ちいいし、おいしいものはなかなか見つからないけど、わたしたちはこうして生きています。
砂浜は、貝とか虫とかもいます。サカナは食べるチャンスはあまりないです。光は、わりと好きですね。仲間は、みんなまわりにいるから、バラバラに過ごしているみたいだけど、だいたいは近くで、声の届く範囲で過ごしています。
カラスやカモメ、トンビなど、恐ろしいトリもいるけど、みんなで助け合って、危険に気が付いて、こんな丸見えのところで過ごしています。
ヒトはどうして、何か結果を求めるのかなあ。一生懸命に生きていくだけ、単純なことなのに、なかなかみんなシンプルになれてないね。
私は、愛されているワンコです。こんな砂浜を歩くのはあまり好きではありません。でも、このお二人がうれしそうだから、私も無理して歩きます。
流木がたくさんあるみたい。この波打ち際までたどり着くのもしんどかった。草も生えてるし、ごみも捨てられてるし、海は何だか怖いし、こんなところで心が解放される仲間もいるみたいですけど、私はあまり好きではありません。
このお二人は、波が押し寄せるところまで歩いて、そこからずっと端っこまで私を連れて行くんですけど、きっとこの波が押し寄せるところまで歩くのが好きなんでしょう。
人間って、行けないところに行きたがる生き物なのかもしれません。知らないところ、先が見えないところ、何だか怖いところ、とてもやかましいところ、とても静かなところ、いろんなところに突き進むみたいです。
私は、慣れた道を歩くことが好きです。そして、このお二人と一緒にいるのも好きです。このお二人は、私にやさしいのです。
さあ、あと少し、向こうまで歩いたら、家に帰りますね。
今日は疲れたね。明日も学校あるね。明日は土曜日だけど、学校あるのか。
久しぶりに海に来たね。どうして彼女たちは、波打ち際まで来ないんだろう。どうして、あんなとこから見てるんだろう。せっかく四人で途中下車して海に来たのにね。
もう少ししたら、彼女たちもここに来るよ。それよりも、明日の模試、どうなるかな。ボクはまだ行きたい学部が決まらないんだけど、どうしたらいいんだろう。
とりあえず、国立理系、技術者になるか、研究者になるか、どんな分野に行くか、どんなことをとことんやりたいか、最新の科学というのをチェックしないといけないね。どんな分野が求められているのか、求められていることをやるのか、それとも、独自の道か、なかなか決められないね。
大学に入って、そこで考えさせてくれるシステムがあるところがいいかな。
彼女たち、もうすぐ帰ると思うけど、どうしてボクたちについて来てくれたんだろう。ボクは、何が話したいんだろう。一緒にいるのは楽しいんだけど、帰りはどうなるだろうな。
帆船が二隻、愛知県に来たというけれど、今日はこちらに出張なんだね。練習してるんだな。
帆を立ててくれればいいのに、エンジン壮行なのかい。
それにしても、なかなか釣れないね。日没までにあとしばらく粘ってみるか。とれなきゃとれないでいいや。どうせ、今夜は肉でも食おう。
釣りしていることが楽しいだけ。少し寒くなってきた。もうじき帰るけれど、もうしばらく粘ってみよう。
