この夏、どんよりした蒸し暑さに我慢できず、クーラーの部屋でオリンピックの追っかけをするか読書三昧の毎日
これではいけないと一念発起。
友人が「布草履を作ってやるから布を5㌢幅にカットしてきて。」と言われてたのを思い出し
古いテーブルセンタを5㌢幅に線を引きカットする作業に、夢中になって中腰で3時間やりました。
体が固まってしまったのか、昔やったギックリ腰の反対側を痛め立ち上がれなくなったしまいました。
腰は、湿布薬だらけで何とも無様な有様で、寝るしか能がなく、テレビと読書の日々を送っています。
前にNHKの「あさイチ」で紹介された「アルジャーノンに花束を」読みました。
あらすじ
知能指数68の主人公が手術によって天才となる過程を描いた作品で、同じ手術を事前に受けたネズミの
アルジャーノンが驚異的な知能を得たのち、急速なスピードで知能を失うのを見て、主人公が自分の行く末を知る。
ストーリーを要約してしまえば単純な物語である。(文中の解説より)
パン屋で働く主人公が、家族や皆に馬鹿にされ自分では利口になりたいと願い、さきに同じ手術をして利口になった
ネズミのアルジャーノンとテストをして負けてばかり、何とか利口になりたいと手術を受けます。
利口になった彼が、対等に扱ってくれると思っていた職場の仲間からも疎まれ、今まで知らないで良かった人生の悲喜こもごもを
知ることになり、孤独になっていく様子に人生の悲哀を感じます。
私たちは、毎日の暮らしの中で良きも悪きもを飲み込み、それを上手くあしらいながら暮らしています。
何も考えなくて良かった日々から、利口になった途端それらの対処方法も解らないまま苦悩する主人公が哀れです。
それも、短期間で元の知能に帰ってゆく過程を、利口になったばかりに本人が認識しながら戻っていく~
もとのままだった方が、彼は幸せではなかったのか?
ちょっとの間じぶんの知らなかった世間を垣間見たのが幸せであったか?
手術によって知能を変えるなんて、医者や科学者たちの功名心であり、神への冒涜ではないでしょうか!!
色々考えさせられる本でした。