磯田道史著「武士の家計簿」
「加賀藩御算用者」の幕末維新 新潮新書を読みました。
御算用物(おさんようもの)「加賀百万石の算盤係」会計処理の専門家であり、経理のプロであります。
作者が神田の古書店で「金沢藩猪山家文書.入掃帳(いりはらいちょう).給禄証書.明治期書状他 天保~明治 一函15万円」也
を手に入れたのが始まりでした。
古い和紙を詰め込んだ段ボールの中身は、天保13(1842)年7月から明治12(1879)年5月まで、約37年間にわたっての、幕末武士が明治士族になるまでの完璧な記録です。
作者は、この文書から当時の幕末の動乱に揺れ動く加賀藩の様子や、長州や薩摩の動きも描かれています。
この時代の、給与体系や下級武士の生活、まず家計簿をつけていたことが驚きです。
それも、奥方や家来でなく当主が家計の実権を握って、事細かに記録を付けています。
薩長が実権を握っている明治維新において、士族の職探しや生活の困窮を書き表しています。
幸いにして、海軍に就職できた猪山家の年収が、現代の感覚で3600万円に対して、官員になれなかった士族の年収は150万円、これが士族にとっての明治維新の現実です。
作者は、新政府を樹立した人々は、お手盛りで超高級を貰う仕組みを作って、さんざんに利を得たのです。
官僚が税金から自分の利益を得るため、好き勝手に制度を作り、それに対して国民がチェック出来ないと言うこの国の病理は、すでにこの頃から始まっている!と
小説でもなく、一種の経済書だと思います。とにかく面白かった。
この書は映画化されました。どのように表されたのか、映画を是非とも見てみたいと思いました。
因みに作者は「史学博士」で、慶応大学.宇都宮大学.大妻女子大学の非常勤講師です。専攻は日本社会経済史です。
「加賀藩御算用者」の幕末維新 新潮新書を読みました。
御算用物(おさんようもの)「加賀百万石の算盤係」会計処理の専門家であり、経理のプロであります。
作者が神田の古書店で「金沢藩猪山家文書.入掃帳(いりはらいちょう).給禄証書.明治期書状他 天保~明治 一函15万円」也
を手に入れたのが始まりでした。
古い和紙を詰め込んだ段ボールの中身は、天保13(1842)年7月から明治12(1879)年5月まで、約37年間にわたっての、幕末武士が明治士族になるまでの完璧な記録です。
作者は、この文書から当時の幕末の動乱に揺れ動く加賀藩の様子や、長州や薩摩の動きも描かれています。
この時代の、給与体系や下級武士の生活、まず家計簿をつけていたことが驚きです。
それも、奥方や家来でなく当主が家計の実権を握って、事細かに記録を付けています。
薩長が実権を握っている明治維新において、士族の職探しや生活の困窮を書き表しています。
幸いにして、海軍に就職できた猪山家の年収が、現代の感覚で3600万円に対して、官員になれなかった士族の年収は150万円、これが士族にとっての明治維新の現実です。
作者は、新政府を樹立した人々は、お手盛りで超高級を貰う仕組みを作って、さんざんに利を得たのです。
官僚が税金から自分の利益を得るため、好き勝手に制度を作り、それに対して国民がチェック出来ないと言うこの国の病理は、すでにこの頃から始まっている!と
小説でもなく、一種の経済書だと思います。とにかく面白かった。
この書は映画化されました。どのように表されたのか、映画を是非とも見てみたいと思いました。
因みに作者は「史学博士」で、慶応大学.宇都宮大学.大妻女子大学の非常勤講師です。専攻は日本社会経済史です。
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