2015年は自分にとってどういう年だったか。 それは、これまでで一番フリーを聴いて、更にECMというレーベルを再発見した、そういう年でした。
興味の対象がそれらに集中したので主流派ジャズの名盤には全く手が回りませんでしたが、それでもそれまで知らなかった自分にとっての新しい音楽に
たっぷり出会えたという意味では充実した音楽鑑賞生活だったと思います。 1年間そういう境遇に居させてもらえた、ということに感謝したいです。







先週末に新宿ジャズ館で行われたフリー特集の残滓の中から、セシル・テイラー先生のFMPを大人買い。 夏の特集には出遅れて手に入れられなかったし、
また半年先まで繰り越すのは嫌だったので、思い切って売れ残っていたものを全部拾いました。 ボーナス月だからできる荒業です。
セシル・テイラーの音楽についての日本のジャーナリズムの対応は非常にいい加減で、特に80年代以降の録音や活動についてはほぼ無視されている。
その代わりに個人のブログやHPに優れたサイトがいくつかあるので、それらを参考にしながら自分なりにボチボチと聴いていこうと思っています。
私の感覚では、セシル・テイラーの音楽は時間が経つにつれて良くなっていっています。 だから、後半の音楽を聴かないという手はないのです。



12月の賑やかな廃盤セールの陰でこっそりと新品が少量再入荷されていたのを見逃さずに、しっかりと確保。 廃盤CDセールに出れば高値過ぎてとても
手が出せず、ただ指を咥えて眺めているしかなかったので、これは嬉しかった。
30数年のジャズマニア生活の中で、1番克服するのに時間がかかった最難関の1人が、このデレク・ベイリー。 今は取り敢えず普通に聴いていますが、
これまでの経緯から愛憎入り混じるところが今でもあります。 こんなの簡単じゃん、最高だよ、なんて嘘八百を並べてイキるつもりは全くありません。
本当にちゃんと聴けているのかどうか今でも迷いがありますが、そういう混乱も含めてブログの中でも触れていこうと思います。
一方、ECMはレコードの音の凄さに打ちのめされて買い進めた結果、現時点で35枚が手許にあります。 これも色々と奥が深い世界でなかなか面白い。
まだ待ち行列ができている状態ですが、既に処分したものも何枚かあるので総括としてはそちらの記録を残しておきます。 好きな方には大変申し訳ない
のですが、当然、悪口大会です。




・GaryPeacock / Tales Of Another
スタンダーズの前身としての録音なので期待しましたが、3人の筋トレを観ているようで、ここから音楽は聴こえてこなかった。
スタンダーズのイメージが邪魔していたのは間違いないのであまりフェアーとは言えませんが、それを払拭する輝きは感じられなかった。
・Dave Holland, Barre Phillips / Music For Two Basses
とにかく、楽器が全く鳴っていない。 そういう音楽なのだ、と言われればそれまでですが、それがどんなジャンルであれ、楽器がきちんと鳴って
いないのは個人的には我慢できません。 デイヴ・ホランドというマエストロにこんな演奏させるのは酷いです。 正直に言って、これは聴く価値は
ないと思いました。
・Gary Burton, Steve Swallow / Hotel Hello
傑作 "Matchbook" とセット販売されたので期待しましたが、ゲイリー・バートンの悪い側面が出てしまったという印象でした。 私はこの人の
フラワーチルドレン的ロック魂がとても苦手なので、これはたぶん個人的な嗜好の問題だと思います。
・Richard Beirach / Hubris
以前も書きましたが、ただ綺麗なだけで、何度聴いても音楽的な感動はやってこなかった。




・Ralph Towner / Blue Sun
シンセサイザーなど全ての楽器を1人でこなした力作ですが、それが悪い方に出てしまったのでは? と思いました。 音楽の魅力の重要な要素に
「複数の個性を持った人が集まることで生まれる多様性の良さ」があると思いますが、ここには当然それがなく、全体がモノトーンで単調です。
好きなアーティストなのでえこひいきしたいところですが、全部聴き通すのはちょっと辛かった。
・Ralph Towner, Gary Burton / Slide Show
"Matchbook" の再来なるか、と当然期待しますが、明らかに集中力やテンションが落ちていて、いいとこなし。 ものすごく残念です。
・Pat Metheny Group
今の私にはちょっと甘くポップ過ぎて・・・ もっと若い時に聴いとくんだった、そういう意味で失敗でした。 音楽は非常によく出来ていると思います。
・Pat Metheny / Rejoicing
C.ヘイデン、B.ヒギンズとの鉄壁ギタートリオで、オーネットの曲を複数やっているのでとても期待しましたが、B面のギターシンセの爆音にゲンナリ。
A面はいい演奏なだけに、こういうパッケージングの仕方がまったく理解できない。 アバンギャルドがやりたいのであれば、それだけに徹した
我儘作品を作ったら? と思うのですが、それじゃ売れないから、ということだったのかもしれません。


昨日の仕事納めの帰りに「まだ売れ残っているかも」と思い、途中下車してDU下北沢店へ行くと、ちゃんと売れ残っていました。 これは夏のセールで
出ていたものですが、内容が内容だし値段も高いということで、ずっと売れ残っていたのです。 私の知る限りではECMの中古レコードの中では2番目に
高額なものです。 背文字ありのジャケットもあるので何度か版は重ねられているのだとは思いますが、初版はなぜか高値が付きます。 年末のカウント
ダウンセールの対象で40%オフということで、ようやくこれで4桁台になります。 飽きっぽい性分なので、いつかフリーもECMも飽きて聴かなくなる日が
来ると思いますが、ちょうどこの2つの要素を併せ持つこのアルバムを買うのは今しかない、ということで持って帰りました。 まるで今年1年を象徴する
かのような、最後の1枚になりました。
興味の対象がそれらに集中したので主流派ジャズの名盤には全く手が回りませんでしたが、それでもそれまで知らなかった自分にとっての新しい音楽に
たっぷり出会えたという意味では充実した音楽鑑賞生活だったと思います。 1年間そういう境遇に居させてもらえた、ということに感謝したいです。







先週末に新宿ジャズ館で行われたフリー特集の残滓の中から、セシル・テイラー先生のFMPを大人買い。 夏の特集には出遅れて手に入れられなかったし、
また半年先まで繰り越すのは嫌だったので、思い切って売れ残っていたものを全部拾いました。 ボーナス月だからできる荒業です。
セシル・テイラーの音楽についての日本のジャーナリズムの対応は非常にいい加減で、特に80年代以降の録音や活動についてはほぼ無視されている。
その代わりに個人のブログやHPに優れたサイトがいくつかあるので、それらを参考にしながら自分なりにボチボチと聴いていこうと思っています。
私の感覚では、セシル・テイラーの音楽は時間が経つにつれて良くなっていっています。 だから、後半の音楽を聴かないという手はないのです。



12月の賑やかな廃盤セールの陰でこっそりと新品が少量再入荷されていたのを見逃さずに、しっかりと確保。 廃盤CDセールに出れば高値過ぎてとても
手が出せず、ただ指を咥えて眺めているしかなかったので、これは嬉しかった。
30数年のジャズマニア生活の中で、1番克服するのに時間がかかった最難関の1人が、このデレク・ベイリー。 今は取り敢えず普通に聴いていますが、
これまでの経緯から愛憎入り混じるところが今でもあります。 こんなの簡単じゃん、最高だよ、なんて嘘八百を並べてイキるつもりは全くありません。
本当にちゃんと聴けているのかどうか今でも迷いがありますが、そういう混乱も含めてブログの中でも触れていこうと思います。
一方、ECMはレコードの音の凄さに打ちのめされて買い進めた結果、現時点で35枚が手許にあります。 これも色々と奥が深い世界でなかなか面白い。
まだ待ち行列ができている状態ですが、既に処分したものも何枚かあるので総括としてはそちらの記録を残しておきます。 好きな方には大変申し訳ない
のですが、当然、悪口大会です。




・GaryPeacock / Tales Of Another
スタンダーズの前身としての録音なので期待しましたが、3人の筋トレを観ているようで、ここから音楽は聴こえてこなかった。
スタンダーズのイメージが邪魔していたのは間違いないのであまりフェアーとは言えませんが、それを払拭する輝きは感じられなかった。
・Dave Holland, Barre Phillips / Music For Two Basses
とにかく、楽器が全く鳴っていない。 そういう音楽なのだ、と言われればそれまでですが、それがどんなジャンルであれ、楽器がきちんと鳴って
いないのは個人的には我慢できません。 デイヴ・ホランドというマエストロにこんな演奏させるのは酷いです。 正直に言って、これは聴く価値は
ないと思いました。
・Gary Burton, Steve Swallow / Hotel Hello
傑作 "Matchbook" とセット販売されたので期待しましたが、ゲイリー・バートンの悪い側面が出てしまったという印象でした。 私はこの人の
フラワーチルドレン的ロック魂がとても苦手なので、これはたぶん個人的な嗜好の問題だと思います。
・Richard Beirach / Hubris
以前も書きましたが、ただ綺麗なだけで、何度聴いても音楽的な感動はやってこなかった。




・Ralph Towner / Blue Sun
シンセサイザーなど全ての楽器を1人でこなした力作ですが、それが悪い方に出てしまったのでは? と思いました。 音楽の魅力の重要な要素に
「複数の個性を持った人が集まることで生まれる多様性の良さ」があると思いますが、ここには当然それがなく、全体がモノトーンで単調です。
好きなアーティストなのでえこひいきしたいところですが、全部聴き通すのはちょっと辛かった。
・Ralph Towner, Gary Burton / Slide Show
"Matchbook" の再来なるか、と当然期待しますが、明らかに集中力やテンションが落ちていて、いいとこなし。 ものすごく残念です。
・Pat Metheny Group
今の私にはちょっと甘くポップ過ぎて・・・ もっと若い時に聴いとくんだった、そういう意味で失敗でした。 音楽は非常によく出来ていると思います。
・Pat Metheny / Rejoicing
C.ヘイデン、B.ヒギンズとの鉄壁ギタートリオで、オーネットの曲を複数やっているのでとても期待しましたが、B面のギターシンセの爆音にゲンナリ。
A面はいい演奏なだけに、こういうパッケージングの仕方がまったく理解できない。 アバンギャルドがやりたいのであれば、それだけに徹した
我儘作品を作ったら? と思うのですが、それじゃ売れないから、ということだったのかもしれません。


昨日の仕事納めの帰りに「まだ売れ残っているかも」と思い、途中下車してDU下北沢店へ行くと、ちゃんと売れ残っていました。 これは夏のセールで
出ていたものですが、内容が内容だし値段も高いということで、ずっと売れ残っていたのです。 私の知る限りではECMの中古レコードの中では2番目に
高額なものです。 背文字ありのジャケットもあるので何度か版は重ねられているのだとは思いますが、初版はなぜか高値が付きます。 年末のカウント
ダウンセールの対象で40%オフということで、ようやくこれで4桁台になります。 飽きっぽい性分なので、いつかフリーもECMも飽きて聴かなくなる日が
来ると思いますが、ちょうどこの2つの要素を併せ持つこのアルバムを買うのは今しかない、ということで持って帰りました。 まるで今年1年を象徴する
かのような、最後の1枚になりました。