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Mike Cuozzo / With The Costa Burke Trio ( 米 Jubilee Records LP 1027 )
サックスのワンホーンはジャズのフォーマットとしては最も理想的で名盤が生まれやすい形式だが、演奏者の力量がストレートに反映されるし、
音楽的な変化をつけるのが難しいことから、名盤と駄盤がクッキリと分かれる。
このアルバムは演奏者の力量の弱さがそのまま映し出された駄盤。マイク・コゾーはリーダー作を2枚残しただけで早々とこの世界からは退いて
いるが、これではそれも仕方ないと思わせる。アドリブラインは凡庸で冴えがなく、音色も個性がなく魅力的とは言えない。エディ・コスタが
ピアノ1本で通しているのはよかったが、精細に欠けて音楽全体がぼんやりとしている。すべてを通して似たようなテンポが続いて1本調子で
とにかく退屈極まりないのが残念だ。褒めたくても、褒めるところがどこにもない。
ただ、このレコードにはレコード道の蘊蓄の面で面白いところがあるから、それだけの理由で手元に残っている。
このレーベルは1946年にR&Bを主力に設立されたマイナー・レーベルで、ジャズは50年代中期にごく気まぐれ程度にしか録音していない。
マイク・コゾーのアルバムは1956年に録音され、この時はブロードウェイ1650に会社があった。この時にプレスされたレコードは青レーベルで、
黒盤でグルーヴガードの形状だった。ただ、おそらくはノベルティーとしてカラー・ワックス盤がごく少量だけプレスされていて、そちらは
フラットディスクなので違うプレス機で作られたようだ。手元にあるのはRED-WAXだが、BLUE-WAX盤もある。
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その後、1958年に47番街西315へ会社が移転し、その頃にプレスされたのがこれらの黒レーベルやマルチ・カラーレーベルだ。黒とマルチでは
盤の材質が少し違うのでおそらく別の工場で製作されたのだと思うが、時期は同じ頃だっただろうと思う。デッド・ワックス部の刻印は青も黒も
マルチも手書きで "LP-1027-A, B" とだけ書かれていてすべて同じ。ただ、このレーベルの場合は初版よりもセカンドである黒やマルチのほうが
音がクッキリとして音がいいものが多く、このコゾー盤も例外ではない。正確に言うと、マルチ≧黒>青、の順で音がいい。初版が一番音がいいと
いうのは妄信で全てには当て嵌らず、レコードによっては最初のプレスの瑕疵を後で修正するケースがあって、これは製造業では当たり前のこと。
こういうことは自分の耳でいろいろ聴いてみて初めてわかることなので、噂に左右されてはいけない。