廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

ブラジルの至宝、を聴く

2017年05月05日 | Brazil

Guinga / Roendopinho  ( 独 Acoustic Music Records Best.-Nr. 319.1525.2 )


音楽三昧のG.W.だが、ジャズばかりではさすがに飽きる。 ということで、新宿のユニオン各店をぶらぶらと散歩しながら色々と試聴する中で気に入ったのが
これだった。 ブラジル音楽のことなんて何も知らないし、素人以下の知識しかない。 大体、ギターのことを "ヴィオロン" というなんて、今回中古の棚の
仕切り板を見て初めて知ったくらいなのだ。

"ギンガ" と表記するそうで、ブラジルの国宝級ギタリストとのこと。 "ギンガ" というのは子供の頃のあだ名だそうで、ポルトガル語で「外国人」という
意味らしい。 ガット・ギターの名手であり、著名な作曲家でもあり、歯科医師でもある。 現代ブラジル音楽の巨匠だそうだ。

これは2014年に発表されたガット・ギター1本で演奏された独奏集で、2曲で自身のハミングが入ったりする。 これが非常に素晴らしい内容だった。
深みのある曲想が浮遊するようにゆったりと漂い、哀感の強い物悲しいメロディーが続いていく。 ギターの演奏も圧巻で、決して早弾きなどをすることなく、
静かに歌わせることに徹する。 南米音楽特有のバタ臭さがなく、とても現代的な感覚に溢れているので、最後まで飽きることなく聴き通せる。
これは圧倒的に素晴らしいと思った。 ブラジル音楽が深い情感から生まれる音楽であることを実感させてくれる。

録音も最高品質でリッチサウンドだ。 現代の高解像度の機器で聴けばもっと快楽度指数は高いんだろうと思うけど、こればかりは仕方がない。


南米音楽はジャズと近いところにある音楽だから常に気になる存在である。 ただ、これもまた奥が深い世界であり、どこから手を付ければいいのやら
さっぱりわからない。 4Fのラテン音楽フロアに行くとちゃんとプレミアムレコードのコーナーもあって、マニア心をくすぐる高額盤がたくさん並んでいた。
でも、こんなものにまで手を出したらえらいことになるのは必至なので、そういうのはできるだけ見ないようにしなきゃ。





ユニオンのフリーペーパーは良質な情報の宝庫。 こういうのはとてもありがたい。 ついつい持ち帰ってしまうのだ。


コメント
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