報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“新アンドロイドマスター” 「危ないロボット達」

2015-08-15 21:22:35 | アンドロイドマスターシリーズ
 ※本日は終戦記念日です。宗派の都合上、靖国神社への参拝はできませんが、我が国の為に命を賭して戦われた英霊の皆様に深く哀悼の意を表したいと思います。
 と、同時に、それに理不尽に反対する特定アジアには内政干渉であると断固抗議の意を表したいと思います。

[8月7日19:12.天候:不明 ドクター・ウィリーの地下研究所跡 敷島孝夫、1号機のエミリー、8号機のアルエット]

 鮫型ロボットから鍵を手に入れることができた敷島達。
 これで再びゴンドラの到着場に戻り、鍵の掛かっているドアを解錠することにした。
「!?」

 ドンッ!ドンドンッ!ドンッ!

「何だ?」
 鍵の掛かっているドアのうち、1つが向こうから激しく叩かれている。
 破られるのは時間の問題だ。
「絶対何かいるだろ?」
「イエス」
 エミリーは右手をショットガンに変形させた。
 因みに倉庫の中にはカスタムパーツも保管されており、これでエミリーのショットガンとマグナムが強化されている。
「マシンガンが廃止されたのはイタかったかな?」
 エミリーの後期型ボディは軽量化と平賀の平和主義の為、3つあった銃器のうち、1つであるマシンガンが無くなっている。
 何故にマシンガンと思うのだが、それはマシンガンの方が威力が強く、大型の為、その分、エミリーの自重を重くしていたからだ。
「ノー・プロブレム。御心配に・及びません」

 ドォーン!(ついにドアが破られる)

「フシュウ……!シュルルル……」
「何だ、コイツは!?」
「あいつ・は……!」
 ドアをぶち破って敷島達の前に現れたのは、もちろんロボット。
 しかし見た目が不細工だ。
 バージョン・シリーズのような、いかにもロボットですよといった愛嬌すらない。
 しかし、エミリーには見覚えがあった。
 JARA(日本アンドロイド研究開発財団)があった頃、本部ビルの屋上にやってきたロボットとそっくりだった。
 二足歩行であるのだが、頭は鮫のように細く、しかし身の丈は2メートルほどあり、人間型を作ろうとして失敗したという、本当に不細工なデザインである。
 しかし力はバカに強く、しかも、
「敷島・社長!避難して・ください」
「ああ、そうだな!」
 敷島がさっきの通路の方に避難すると、不細工ロボットは両手からマシンガンを発砲した。
「ターミネーターか、オマエは!?」
 敷島は悪態をつくようにしてそのロボットにツッコむと、通路のドアに隠れた。
 比較的厚い鉄の扉のおかげで、マシンガンの弾は全てそれに弾き返された。
 エミリーがショットガンで応戦するが、いかに強化しているとはいえ、この頑丈なロボットにはあまり効いている感じがしない。
(シンディの・ライフルなら……)
 遠距離からの狙撃を得意とするシンディはシンディで、標準装備のライフルをカスタムパーツで強化している。
 それでこの不細工ロボの頭部を一発撃ち抜けば、簡単に倒せるはすだった。
 あくまでエミリーの分析ではあるが、彼女とて百戦錬磨の武闘ロイド。
 だいたいそれで合っているだろう。
 白兵戦を得意とするエミリーであるが、
「ブオオオオオ!」
 まるで“バイオハザード”のタイラントのように突進してくるロボット。
「ふんっ!」
 エミリーは回避は上手くできるものの、攻撃が上手くできない。
 組み付いての攻撃が危険だと分かっているからだ。
 アルエットがレーザービームを放とうと右手を突き出しているが、照準が定まらない。
 だがそれでも、
「えいっ!」
「ブオオッ!?」
 頭ではなく胸部にレーザーを当てることができた。
「上手い!アルエット!」
 ほとんどダメージを与えることはできなかったが、ロボットの動きを止めることはできた。
 エミリーはその隙にマグナムに切り替えて頭部に撃ち込む。
 そして、左手から有線ロケットパンチで足を掴んで転倒させた。
「エミリー!」
 両足のブースターを使って高く飛び上がると、全体重を掛けてロボットに体当たりした。
「ブオオオオ!!」
(まだ・壊れて・ない!何て・頑丈な・ヤツ!)
 エミリーが次の攻撃手段に迷った時だった。
「!!!」
 アルエットがレーザービームで、ロボットの頭部を切り落とした。
「アルエット!?」
 頭部と胴体を切り離されたロボットは活動できず、頭部が爆発し、残った胴体も2度と起き上がることはなかった。
 首からは激しく火花とオイルが噴き出していた。
「アル!でかしたぞ!さすがだ!」
 隠れていた敷島が出てくると、アルエットを称賛した。
「よく・やった」
 エミリーも立ち上がると、微笑を浮かべて自分より20センチ低い従妹機の頭を撫でた。
「エヘヘ……。お役に立てて何より、です」
 アルエットは満面の笑みを浮かべた。
「よし。じゃ、気を取り直して先へ進もう」

 先に、最後に鍵の掛かった部屋に入る。
 そこにあったのは、もう1つのカスタムパーツだった。
 アルエットの光線銃は最新式のせいなのか、カスタムパーツは無い。
 エミリーのショットガンを更にこれで強化した。
 ここにも弾薬があったので、これで補充する。
 ついでにリロードした。
 もう1つ、不細工なロボットが出て来た部屋は色々な木箱が積み重ねられていた。
 エミリーが急いで木箱の中身を開ける。
「……妹達・いない」
 エミリーは半ばがっかりするような顔をした。
「ああ、そうか。シンディはこういった木箱の中にあったんだもんな」
「イエス」
 そのうち、1つの木箱が最初から壊れており、中身が散乱していることはなかった。
 恐らくさっきの不細工なロボットが保管されていて、何かの拍子に起動したか何かしたのだろう。
 アルエットもこういった木箱で輸送されていたから、エミリーが何かに期待したのも無理からぬことであった。
 だが、世の中そう甘くはないもので、エミリーの妹や弟が保管されていることはなかったのである。
 収穫としては、何やらカードキーみたいなものが箱の下に落ちていたことだった。

 今度はエレベーターに向かう。
 制御室で起動したこともあり、ボタンを押すとランプが点いた。
 武骨なドアが開くと、中もまた殺風景なカゴだった。
 ボタンを押そうとすると、
『カードキーを通してください』
 という表示が出た。
「あ、なるほど。ここでこれが必要になるのか」
 敷島は先ほどの倉庫で拾ったカードキーを使用した。
 すると、行き先のボタンが点灯した。
「これでウィリーの研究室まで直行だぜ」

 ガラガラガラ………ドン。(武骨なドアは閉まる音も武骨)
 ウィィィィィィィ………。(エレベータが動き出す)

「天国へのエレベーターとなるか、それとも……」
「地獄では・ないことを・祈ります」
 エミリーは右手をマグナムに変形させ、リロードしながら答えた。
 これでショットガン、マグナム共に弾は満タンになっているはずだ。
コメント (13)
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