報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「生物兵器としてのBOWは人類貢献の鍵となるか」

2020-03-05 21:06:09 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月2日12:02.天候:晴 東京都千代田区霞が関 東急バス経済産業省前バス停→東98系統車内]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 今日は政府特務機関エージェントの善場主任と打ち合わせをしに、霞が関の庁舎までやってきた。
 それも終わり、あとは帰るだけである。

 リサ:「お腹空いた」
 愛原:「あー……。まあ、もうお昼だな」

 私は時計を見た。

 愛原:「途中で食べてから帰ろうか」
 高橋:「はあ……」
 愛原:「東京駅に行けば色々あるからな」
 高橋:「まあ、そうっスね。俺的にはマックでもいいんですけど……」
 リサ:「おー、マック~!」
 愛原:「マジかよ。リーズナブルだな~」

 私達が庁舎を出て通りを霞ケ関駅に向かって歩いている時だった。
 途中にバス停があって、私はここから出るバスがどこへ向かうのか確認していたのだが……。

 高橋:「あれ、先生?バス来ましたよ」
 愛原:「ん?」
 高橋:「東京駅丸の内南口と書いてあります」
 愛原:「東京駅に行くのか。ちょうど良かった。これに乗ってみよう」

 シルバーの塗装と赤いラインが特徴の東急バスがやってきた。
 一般路線バスとしては都営バスの独壇場の中、民営バスが都心内を運転しているのは珍しいと言える。
 バスに乗り込んで、後ろの空いている席に座る。

〔「発車します。ご注意ください」〕

 愛原:「これなら、地下を通らなくてもいいな」
 リサ:「おー!」

 バスが走り出す。

〔次は内幸町(うちさいわいちょう)、内幸町でございます。都営地下鉄三田線をご利用のお客様は、お乗り換えです。次は、内幸町でございます〕

 愛原:「えーと、終点が丸の内南口か……」

 私はスマホで店を探してみた。

 愛原:「マックは反対側の八重洲南口だで?遠回りすることになるよ」
 高橋:「え?じゃあ、どうするんですか?」
 愛原:「てか、マックなら菊川駅前にもあるだろうが」
 高橋:「それもそうでしたね」
 愛原:「それより、東京駅からバスに乗り換えようとすると、30分くらいなんだが?」
 高橋:「マジっすか?」
 愛原:「マックがいいなら、別にそれで菊川まで行ってからでいいんでないかい?」
 高橋:「ま、それもそうっスね」

 自由通路が南側にもあればいいのだが、今は無い。
 東京駅は大きな改修工事をしているので、いつかは南側にも自由通路ができるのかもしれない。

[同日12:15.天候:晴 東京都千代田区丸の内 東急バス東京駅丸の内南口停留所→新丸の内ビルディング]

 バスはレンガ造りの外壁で有名な丸の内側のバス停に到着した。

 愛原:「フラット移動で乗り換えできるから、案外バスの方が便利なんだよな」
 高橋:「さすが先生です」
 リサ:「でもお腹空いた」

 リサは私のコートに噛みついた。

 愛原:「り、リサ……!」

 このままでは私が食われてしまう。

 愛原:「しょうがない。あくまで、小腹を満たすだけだぞ?」

 バスを降りた私は新丸ビルに移動した。
 ここにもレストラン街はあるのだが、ここでゆっくり食べていたらバスに乗り遅れてしまう。
 せめて乗り換え時間が1時間くらいあればいいんだがな。
 そして、そこにあるのは何も飲食店だけではない。
 コンビニも存在する。
 そして大抵どこのコンビニでも、レジの横で軽食を売っている。

 愛原:「ほい、リサ。これでも食べてろ」
 リサ:「おー!」

 私はリサにフランクフルトを買って来てあげた。

 愛原:「あくまでも、昼飯までの繋ぎだぞ?菊川に着いたら、マックが食えるから」
 リサ:「はーい」
 愛原:「ん?ところで高橋は?」
 リサ:「タバコ吸いに行った」

 リサが指さした方向に喫煙所があるらしい。

 愛原:「そっか」

 リサがフランクフルトにむしゃぶりつく。
 第0形態の人間の姿のはずなのに、どうしてもBOWに見えてしょうがない。
 いや、正体はそうなのだが。
 そして、リサの食べ方がエロい。
 BOWとはいえ、思春期の少女だからであろうか。
 そんなリサはあっという間に食べ終わった。

 愛原:「よし。高橋が戻ってきたら、バス停に行こう。その前にちょっとトイレだ」
 リサ:「行ってらっしゃい。……あ、私も行くー」

 私とリサはトイレに向かった。

 高橋:「あ、先生。奇遇ですね」
 愛原:「何だ、お前もいたのか」
 高橋:「一服して、それからトイレに行ってから戻ろうと思いました」
 愛原:「そうか。まあ、リサも行ったから、ゆっくりでいいだろう」
 高橋:「そうですね」

 私と高橋が用を足し終わって、トイレから出た時だった。

 斉藤絵恋:「あ、愛原先生。こんにちは」
 高橋:「俺には挨拶ナシかよ」
 愛原:「まあまあ。こんにちは。珍しいねぇ?ここで会うなんて……」
 絵恋:「ちょうど今、ここのレストランで昼食を取る所だったんです」
 愛原:「まさか1人じゃないよね?」
 絵恋:「父と一緒です。これから父と一緒に霞が関まで行くので……」
 愛原:「霞が関!?」
 絵恋:「この前……静岡の時に会った善場さんって人に呼ばれて……」
 愛原:「善場主任に!?」

 私と高橋は顔を見合わせた。
 午前中は私達と会って、午後は斉藤親子と会うとは、一体善場氏は何を考えているのだろう?

 絵恋:「あっ……」

 その時、絵恋さんのスマホが鳴った。

 絵恋:「父からです。料理ができたみたいなので、失礼します」
 愛原:「ああ。お父さんによろしくな」

 絵恋さんは小走りにレストラン街の方へ走って行った。

 高橋:「先生。こりゃひょっとして、あのレズビアンも一緒に行こうって話になるんじゃないでしょうね?」
 愛原:「しかし、絵恋さんは霧生市の生還者じゃないぞ?」
 高橋:「まあ、そりゃそうっスけど……」

 私と高橋がそんな話をしていると……。

 リサ:「お待たせ」

 リサがトイレから出て来た。

 愛原:「さっき絵恋さんと会ったぞ?」
 リサ:「うん。私もトイレの中で会った」
 愛原:「霞が関に行くってな」
 リサ:「らしいね」

 しかしリサはリサで、詳しいことは聞いていないらしい。
 恐らく絵恋さん自身、どうして霞が関に連れて行かれるのかが分かっていないのだろう。
 ま、しかしいずれは分かることだ。
 私達は新丸ビルを出ると、都営バスの乗り場へ向かった。
コメント (1)
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