[8月26日13:46.天候:曇 宮城県大崎市 JR古川駅]
〔ピンポーン♪ まもなく、古川です。次の古川では、全部の車両のドアが開きます。お近くのドアボタンを押して、お降りください。【中略】新幹線はお乗り換えです。盛岡・新青森方面は11番線、仙台・東京方面は12番線です。今日もJR東日本、陸羽東線をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
列車が長いホームの真ん中に停車する。
8両編成分の有効長を持つホームだが、実際にはそのように長い列車が運転されることはまず無い。
これは貨物列車が運転されていた頃の名残だという。
現在は貨物列車の運転も廃止され、貨物列車の姿を見ることはできない。
外国ならホームに止まれれば停止位置なんて関係無いって所だろうが、そこは日本。
例え有効長が長いホームに対し、列車の編成が短くても、ちゃんと所定の停止位置への停車が求められるのである。
菱形に2という番号が振られた標識、停止位置目標で列車は停車した。
〔「古川です。当駅で13分停車致します。発車は13時59分です。発車まで、しばらくお待ちください」〕
陸羽東線は単線。
古川駅はその中でも列車交換設備のある駅であり、ここで対向列車との交換待ち合わせがあるからだろう。
私達はその列車に別れを告げ、下車することになる。
高橋:「先生、レンタカーはどうしますか?」
愛原:「一応さっき、駅レンタカーで予約は入れたけどね。一応あれだよ。軽じゃないけど、コンパクトカーだよ?1500ccくらいの」
高橋:「ああ。この前乗ったフィットですか」
愛原:「そんな感じの。或いは実家の車みたいに、ノートかもしれないしね」
高橋:「まあ、大丈夫っス」
私達はエスカレーターを昇ってコンコースに行くと、その足で改札口を出た。
ここでもSuicaやPasmoが使えるのだから楽だ。
愛原:「それじゃ、駅レンタカーに行くか」
高橋:「うっス」
[同日14:15.天候:曇 同市内 国道108号線上]
無事に車を借りられた私達は、早速それで現地に向かうことにした。
予想通り、車はホンダのフィットだった。
塗装は白で、ハイブリットではない。
高橋:「運転は俺に任せてください」
愛原:「頼むぞ」
私は助手席に座り、リサはリアシートに座った。
もっとも、車にはナビが付いているので、宿泊先の温泉旅館まではこれで迷わず行ける。
宿泊を伴うのは、どうも今日はこれから天候が悪くなるらしいからだ。
明日には天気が回復するみたいだから、今日の所は現地の旅館に宿泊し、明日ゆっくり調査しようという計画だ。
車は国道108号線に出る。
ナビによると、しばらくは道なりらしい。
交通量の多い市街地区間をノロノロと進む。
バイパスの建設計画があるほど、市街地は混雑する。
それも、国道4号線との交差点付近。
どうしても国道4号線の方が上級で、そちらが優先道路となる為に、108号線側の青信号が短いというのが理由である。
ようやくそれを越えて、高橋が回復運転とばかりにアクセルをガシガシ踏む。
この辺りでナビは、国道の番号を108から47と表示した。
というか実際、国道の標識も47号線であることを表示している。
しかし108号線が消えたわけではなく、鳴子温泉までは47号線と重複しているのである。
リサ:「先生。私、しばらくケータイの電源切っていい?」
後ろに座っているリサが、自分のスマホ片手にそんなことを言い出した。
愛原:「どうしたんだ?」
リサ:「埼玉県の美里町まで行ったサイトーが、半ギレして私を追い掛けて来るの。今現在、電話の方は着信拒否にしてるけど、今度はラインをブロックしたら、GPSで位置情報を把握して来てるみたい」
高橋:「……俺、個人的にそいつはリサに食わせてもいいと思いました」
愛原:「ダメだ!例え斉藤さんでも、人間を襲って食べたら、リサは殺処分決定だぞ!取りあえずリサ、斉藤さんには電話で謝るんだ」
リサ:「サイトーが勝手に勘違いしただけだよ?それを逆ギレしてるのに、何で謝らないといけないの?」
高橋:「取りあえずボコしとけ。空手有段者だろうが何だろうが、BOWの首を殴り千切るリサならできんだろ」
愛原:「おい、高橋!リサも!『俺の命令は絶対』とか言ってただろうが!」
高橋:「はっ、そうでした!サーセン!おい、リサ!聞いたか?先生の御命令は絶対だぞ!?」
リサ:「……分かった」
愛原:「もし何だったら、俺から電話しようか?」
リサ:「ほんと?」
愛原:「ああ」
高橋:「全く。先生のお手を煩わせやがって。どう落とし前付けるんだ?」
するとリサはスカートを捲り上げた。
その下には黒いオーバーパンツを穿いている。
リサ:「体で払います」
高橋:「てめ、こら!」
愛原:「どこで覚えて来るんだ、そういうの!?」
リサ:「学校」
高橋:「先生、こいつの学校、大丈夫っスか?」
愛原:「確かに俺が中学校の頃も、エロ話に花咲かせている連中はいたが、それは男子だけで、女子は健全だと思っていたんだが……」
高橋:「いや、俺が中学校ん時は、早々と処女捨てたと自慢してた女子連中はいましたよ?」
愛原:「世代の違いか???……まあ、いいや。とにかく、斉藤さんに電話してあげよう。ケータイ、貸してくれるか?」
リサ:「うん」
私はリサからケータイを借りると、それで斉藤さんのケータイに掛けた。
コールすらせず、いきなりすぐに斉藤さんが出る。
斉藤:「もしもし!?リサさん!?」
早速、興奮して鼻息荒くしているのが分かる斉藤さんの声が聞こえてくる。
愛原:「ああ、いや、俺だ。愛原だ。斉藤さんにちょっと話がある」
斉藤:「
」
ブツッ!プーッ、プーッ、プーッ……
愛原:「いきなり切りやがった……!」
高橋:「おい、リサ。やっぱこいつ食い殺していいから。俺が許可する。ねぇ、先生?」
愛原:「あー……いや!ダメだから!」
やっぱりリサから電話しないとダメか。
愛原:「リサ、取りあえず折衷案だ」
リサ:「なに?」
愛原:「斉藤さんは明日、仙台で会おう。どうせ明日の鬼首温泉の調査なんて、すぐ終わるだろ。終わったらその足で、俺達は一旦仙台に戻る。そして、そこで斉藤さんと合流することを約束する。だから、それまで我慢してもらえ」
このままではGPSでもって、鬼首温泉まで追いかけてきそうな勢いだ。
その執念ぶり、タイラントやネメシスも真っ青であろう。
〔ピンポーン♪ まもなく、古川です。次の古川では、全部の車両のドアが開きます。お近くのドアボタンを押して、お降りください。【中略】新幹線はお乗り換えです。盛岡・新青森方面は11番線、仙台・東京方面は12番線です。今日もJR東日本、陸羽東線をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
列車が長いホームの真ん中に停車する。
8両編成分の有効長を持つホームだが、実際にはそのように長い列車が運転されることはまず無い。
これは貨物列車が運転されていた頃の名残だという。
現在は貨物列車の運転も廃止され、貨物列車の姿を見ることはできない。
外国ならホームに止まれれば停止位置なんて関係無いって所だろうが、そこは日本。
例え有効長が長いホームに対し、列車の編成が短くても、ちゃんと所定の停止位置への停車が求められるのである。
菱形に2という番号が振られた標識、停止位置目標で列車は停車した。
〔「古川です。当駅で13分停車致します。発車は13時59分です。発車まで、しばらくお待ちください」〕
陸羽東線は単線。
古川駅はその中でも列車交換設備のある駅であり、ここで対向列車との交換待ち合わせがあるからだろう。
私達はその列車に別れを告げ、下車することになる。
高橋:「先生、レンタカーはどうしますか?」
愛原:「一応さっき、駅レンタカーで予約は入れたけどね。一応あれだよ。軽じゃないけど、コンパクトカーだよ?1500ccくらいの」
高橋:「ああ。この前乗ったフィットですか」
愛原:「そんな感じの。或いは実家の車みたいに、ノートかもしれないしね」
高橋:「まあ、大丈夫っス」
私達はエスカレーターを昇ってコンコースに行くと、その足で改札口を出た。
ここでもSuicaやPasmoが使えるのだから楽だ。
愛原:「それじゃ、駅レンタカーに行くか」
高橋:「うっス」
[同日14:15.天候:曇 同市内 国道108号線上]
無事に車を借りられた私達は、早速それで現地に向かうことにした。
予想通り、車はホンダのフィットだった。
塗装は白で、ハイブリットではない。
高橋:「運転は俺に任せてください」
愛原:「頼むぞ」
私は助手席に座り、リサはリアシートに座った。
もっとも、車にはナビが付いているので、宿泊先の温泉旅館まではこれで迷わず行ける。
宿泊を伴うのは、どうも今日はこれから天候が悪くなるらしいからだ。
明日には天気が回復するみたいだから、今日の所は現地の旅館に宿泊し、明日ゆっくり調査しようという計画だ。
車は国道108号線に出る。
ナビによると、しばらくは道なりらしい。
交通量の多い市街地区間をノロノロと進む。
バイパスの建設計画があるほど、市街地は混雑する。
それも、国道4号線との交差点付近。
どうしても国道4号線の方が上級で、そちらが優先道路となる為に、108号線側の青信号が短いというのが理由である。
ようやくそれを越えて、高橋が回復運転とばかりにアクセルをガシガシ踏む。
この辺りでナビは、国道の番号を108から47と表示した。
というか実際、国道の標識も47号線であることを表示している。
しかし108号線が消えたわけではなく、鳴子温泉までは47号線と重複しているのである。
リサ:「先生。私、しばらくケータイの電源切っていい?」
後ろに座っているリサが、自分のスマホ片手にそんなことを言い出した。
愛原:「どうしたんだ?」
リサ:「埼玉県の美里町まで行ったサイトーが、半ギレして私を追い掛けて来るの。今現在、電話の方は着信拒否にしてるけど、今度はラインをブロックしたら、GPSで位置情報を把握して来てるみたい」
高橋:「……俺、個人的にそいつはリサに食わせてもいいと思いました」
愛原:「ダメだ!例え斉藤さんでも、人間を襲って食べたら、リサは殺処分決定だぞ!取りあえずリサ、斉藤さんには電話で謝るんだ」
リサ:「サイトーが勝手に勘違いしただけだよ?それを逆ギレしてるのに、何で謝らないといけないの?」
高橋:「取りあえずボコしとけ。空手有段者だろうが何だろうが、BOWの首を殴り千切るリサならできんだろ」
愛原:「おい、高橋!リサも!『俺の命令は絶対』とか言ってただろうが!」
高橋:「はっ、そうでした!サーセン!おい、リサ!聞いたか?先生の御命令は絶対だぞ!?」
リサ:「……分かった」
愛原:「もし何だったら、俺から電話しようか?」
リサ:「ほんと?」
愛原:「ああ」
高橋:「全く。先生のお手を煩わせやがって。どう落とし前付けるんだ?」
するとリサはスカートを捲り上げた。
その下には黒いオーバーパンツを穿いている。
リサ:「体で払います」
高橋:「てめ、こら!」
愛原:「どこで覚えて来るんだ、そういうの!?」
リサ:「学校」
高橋:「先生、こいつの学校、大丈夫っスか?」
愛原:「確かに俺が中学校の頃も、エロ話に花咲かせている連中はいたが、それは男子だけで、女子は健全だと思っていたんだが……」
高橋:「いや、俺が中学校ん時は、早々と処女捨てたと自慢してた女子連中はいましたよ?」
愛原:「世代の違いか???……まあ、いいや。とにかく、斉藤さんに電話してあげよう。ケータイ、貸してくれるか?」
リサ:「うん」
私はリサからケータイを借りると、それで斉藤さんのケータイに掛けた。
コールすらせず、いきなりすぐに斉藤さんが出る。
斉藤:「もしもし!?リサさん!?」
早速、興奮して鼻息荒くしているのが分かる斉藤さんの声が聞こえてくる。
愛原:「ああ、いや、俺だ。愛原だ。斉藤さんにちょっと話がある」
斉藤:「
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0152.gif)
ブツッ!プーッ、プーッ、プーッ……
愛原:「いきなり切りやがった……!」
高橋:「おい、リサ。やっぱこいつ食い殺していいから。俺が許可する。ねぇ、先生?」
愛原:「あー……いや!ダメだから!」
やっぱりリサから電話しないとダメか。
愛原:「リサ、取りあえず折衷案だ」
リサ:「なに?」
愛原:「斉藤さんは明日、仙台で会おう。どうせ明日の鬼首温泉の調査なんて、すぐ終わるだろ。終わったらその足で、俺達は一旦仙台に戻る。そして、そこで斉藤さんと合流することを約束する。だから、それまで我慢してもらえ」
このままではGPSでもって、鬼首温泉まで追いかけてきそうな勢いだ。
その執念ぶり、タイラントやネメシスも真っ青であろう。